風との戦い!~基地病院が遠い・・・~

町田です。

北日本や日本海側は今年も大雪で大荒れの天気のようです。本当に大変だと思いますが事故やけがのないようにお気を付けください。その反面で群馬県の平野部はずっと晴れの日が続いています。しかし北日本や日本側で天気が大荒れの時は、群馬もいつものからっ風以上に猛烈な北風が吹き付けています。

本日も朝から風が強い日でしたが、午前中にドクターヘリの出動がありました。しかし昼頃から風がさらに強くなり、強風のため待機している地上ヘリポートである群馬ヘリポートの風速計が40ノットを超えてしまいました。安全第一のためドクターヘリはやむを得ず運休となりました。
それにしても群馬の冬の晴天率の高さと北風の猛烈さには驚かされたばかりです。

今日はこんなに晴天でしたが、風は右肩上がりに強くなり、
午後からずっと運休でした。


風との戦いは思わぬところにも・・・

このように風の強い日は、基地病院である当院屋上ヘリポートには着陸できません。そして当院には地上ヘリポートがないため、基本的には群馬ヘリポートに着陸してそこから救急車で当院に搬送となります。
群馬ヘリポートから当院までの距離は約8Km・・・ヘリだと3分ですが救急車では15分ほどかかります。さらに病院に傷病者を搬送後に群馬ヘリポートに戻る時は基本的には一般車(時々当院の救急車)で戻るため、緊急走行ができず約20分ほどかかります。つまり往復+申し送り時間で50分ほどの空白時間ができます。

いまは前橋市消防局の協力もあり、特に傷病者の重症度・緊急度が高いときは、群馬ヘリポートではなく近くの公園やスポーツセンターに着陸させていただけるようになりました。
しかし近くといっても病院まで約3km、走行距離では約4.5Kmもあり緊急走行でも7,8分かかります。またヘリは群馬ヘリポートに戻るため医療スタッフは当院に申し送りをした後に、群馬ヘリポートに一般車で戻らなくてはいけません。結局40分近い空白時間は発生してしまうのです。

現在要請数が増えていて重複要請による未出動を減らす努力をしている僕たちにとって、屋上ヘリポートが使えない時に基地病院に傷病者を搬送することが逆に大きな足かせとなっています。
ちなみに比較的搬送数の多い同じく屋上ヘリポートしかない大学病院や県立病院は、病院周囲の自治体のドクターヘリに対する協力のおかげで、病院直近の公園にヘリを降ろしていただいております。

冬の強風だけではなく夏の雷雨もあり、群馬県にとって屋上ヘリポートしかないことはある意味致命的な欠陥です。しかしドクターヘリが導入される前にすでに設置されていたものであり、今すぐどうにもできないものではあります。ちなみに6月にできた新たな救命救急センターは、病院敷地内に地上ヘリポートが設置してあります。

早く基地病院直近で着陸できる地上のランデブーポイントを設定していただけるように、関係各機関に調整していただきたい限りです。そして新病院の建設が始まるのを待ち焦がれている今日この頃です。

 病院から約3Km離れた公園に着陸。
スタッフは最後まで傷病者について救急車で当院に搬送です。
最近はなかなか救急車を優先して通してくれません・・・
 
先日重複要請が入ったときは、すぐ次の出動ができるように
救急科医師が消防の支援車にのって、上と同じ公園まで迎えに行きました!

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