2012年1月15日日曜日

視診、聴診、触診、打診

町田です。

今週末は国立国際医療研究センターで行われたJATEC東京コースにインストラクターとして参加しました。
*JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluatiou & Care):外傷診療研修コース
次回コースは2週間後に前橋赤十字病院で開催されます。JATECの詳細については、その時にブログでアップする予定です。


特に挿管や胸腔ドレーン留置など高度な処置を要するこのような外傷診療コースでは、傷病者役が生身の人間ではなく人形のことがあります。JATECの場合は実際に胸郭が拳上して呼吸音が聞こえたり、橈骨動脈も強い弱い・早い遅いと触知可能であったり、実際に挿管や胸腔ドレーン留置なども行うことができる、なかなか精巧にできている人形を使用していますが、それでも表現しきれない部分はあります。

人形相手ではリアリティーがないのか、はたまた最近は医学部教育のOSCEで人形相手の診療が慣れてしまったのか、残念ながら多くの受講生の身体所見の観察の仕方が不十分のように感じます。
『みて(視診)、きいて(聴診)、さわって(聴診)、たたいて(打診)』という5感をフルに活用して、命に関わる身体的異常を見つけ出す力は絶対に必要です。特に最近はドクターヘリやドクターカーなど病院前に医療チームが出て行って診察をする機会が増えました。病院前診療では基本的にレントゲン検査はできません。例えば、気胸は5感を使ってその存在を見抜いて適切な処置を加えないとヘリで搬送中に緊張性気胸に移行したり、頚椎損傷の存在を気が付かず搬送中に神経症状を悪化させるなど起こる可能性があります。また現場での挿管や胸腔ドレーン留置、心嚢開創などの手技を実際に行う場合は、しっかり身体所見をとって診断に確信を持ったうえではないとなかなか自身をもってできないものです。もちろん処置後の確認の検査もすぐにできるわけではないので。5感を使って自分が行った処置が確実に行われ患者さんの状態が改善したかどうかを確認しないといけません。

様々な検査器具が発展してきて、確実な処置や診療の迅速化に本当に貢献しています。それを有効利用することは大切なことです。しかしそういう環境でないときでも、目の前の重症患者に対して確実な評価と蘇生処置ができるための5感を常日頃から磨いておかないといけないですね。

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