2011年8月2日火曜日

他施設を見て学び、そして自施設を知る!

救急・集中治療科の小倉です.はじめまして.
自分もブログに顔を出すくらいに,すっかり前橋赤十字病院の人となったようです(笑)

さて,いきなりですが,金曜日は他施設に顔を出してみました.
『慶応義塾大学救急医学講座 第17回外傷症例検討会』
重々しいネーミングだったので,ゴクリとつばを飲んで,気合いで参戦してきました!
慶応大学は本来,ER型(ほとんど入院患者を持たないスタイル)の救急が売りでした.しかし,近年は外科から参戦してきたスタッフが増え,外科で育てられた若手救急医も増え,救急科で外傷の患者を手術して入院管理するようになったようです.

前橋赤十字病院高度救命救急センターは,ICUを中心とした救命センターであり,救急科ではドクターヘリやERでの緊急開胸などの蘇生のための外科手技以外はほとんど手術はしません.(逆に言うと各科のバックアップ体制がしっかりしるおかげなのです!)慶応大学の救急とはその点でずいぶんと違いがあります.
当院の高度救命センターの特徴。
手前がICUで奥がER・・・近いです!

実は,この会に参加するのは研修医時代以来2回目で,初回参加時は全く何を言っているのか不明な会でした.
“肝損傷Ⅲb??”“不安定型骨盤骨折??”
分からないことだらけでしたが…なんと!!!今回参加したら,内容が分かる!分かる!!むしろ学年がもうちょっと上であればディスカッションに参加したいくらい(笑)
前橋赤十字病院で勉強させていただいているおかげだとつくづく感じました. スタッフの先生方,毎度ありがとうございます.

さて,前橋日赤では外傷の患者は,救急医が全身管理を行い,外科系の専門医の先生が手術をするスタイルです.ですので,救急科で手術をする慶応とはマネージメントがかなり異なります.
どちらが良いか?悪いか?といった議論はさておき,やり方の違う施設の話しを聞くのは非常に勉強になります.

例えば,顔面骨折の患者で顔面骨からの出血が止まりません!!!という患者の議論中です.
「前橋日赤ではきっと輸血をしながら耐えて,準備ができ次第で血管を塞栓して出血を止めるだろうな...」と思っても,「我々は輸血もしますが,血管を塞栓するのではなく,外来で手術して血管を縛りに行くでしょう.」という意見が出て,びっくりするのです.
「なるほど...出来る医師がいれば,血管を塞栓するより,血管を出して縛った方が速いな….輸血量も少なくなるか??」と気づかされるわけです.そして,その技術をこっそり盗んできます.
ところ変われば…ということでしょうか?得るものは大きいです.

そしてもうひとつ.大きな収穫がありました.
それは前橋赤十字病院 救急・集中治療科の可能性を感じたことです.
今度は遅発性外傷性下部胆管損傷という症例での話です.胆汁という消化液が,お腹の中に漏れていて,激しい腹痛を訴えている患者です.
「死んでしまう!間に合わない!手術だ!しかし問題はどんな手術をするかだ…?」そんな議論中でした.と,その時,慶応大学の先生に「前橋の先生,この患者はどーします?」と唐突に意見を求められました.
「えーーーーっ!!!オレ,後期研修医なんですけど!!!!」と,思いましたが,仕方なく答えました.
手術を大前提に,「どのような手術をするのがベストか?」という議論の真っ最中でしたが,そもそも自分達は手術をする人間ではないので,仕方なく…「おそらく前橋日赤では手術を選択しません.ICUで頑張って,内視鏡で治療します.」と答えました.
すると…
「ICUで頑張れる医師がいるから,ICUで粘れるのでしょうね.本来であれば内視鏡でも治療可能でしょうが,ICUを診れる医師が少ない当施設では無理です.」という,慶応関連病院の先生の返答.

なるほど…と思いました.救急の中でしっかりとICUで頑張って粘って患者を診れる医師というのも,日本の救急の現場には実は少ないようです.最後には「羨ましいですね」なんて御誉めのお言葉を頂いてしまいましたが,偶然にも数少ないICU中心の救命センターを展開する前橋赤十字病院の良さを知ることができました.

他施設に勉強に行くと,非常に勉強になるものです.当施設の常識が他施設の非常識です.
今度は研修医を連れてまた参加しようと思います.

小倉でした.

日本集中治療医学会専門医研修施設

熱傷専門医認定研修施設

呼吸療法専門医研修施設





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