旅立ちの季節。

集中治療科・救急科&フライトドクターの町田です。


東北関東大震災の被災地ではまだ十分な医療が受けられない方が多いとニュースで流れており、長期的なサポートの必要性が十分に伝わってきます。本日当院の日赤救護班3班目(初動救護班を含めると8班目が帰還しました。石巻での救護活動を行ってきましたが、被災した皆さんの心の温かさが印象的だったとのことです。当院では引き続き救護班を派遣する予定でいます。
余震が収まり、寒気が早く抜けて、被災地に早く穏やかな暖かい春が訪れることを切に願っている毎日です。


3月末になりました。年度末は送別の季節です。当科も2名のスタッフとのお別れがやってきてしまいました。

1名は都内の病院の麻酔科から1年間研修で来ていただいた宮澤先生。本来は半年の研修予定でしたが、本人の強い希望もあり1年間当科で一緒に過ごしました。来たばかりのときは「麻酔科からきて救急のことは何もわからない」といっていましたが、あれよあれよという間に仕事を覚え、今ではERでもICUでもリーダーや当直を任せても安心です。明るく元気でたのもしい姿が、若い研修医にとっては“頼りになるお姉さん”であったとのことです。まだ当院で働いていますが、来週にはお別れです。昨日宮澤先生に続いて当院研修に来る先生に病院案内をしていました。引き続きよろしくお願いします。
蓮池師匠と弟子(僕)です。

そしてもう1名、僕がこの病院に来る2年前から当科で働いていた蓮池先生。僕も3年前から救急医療に従事するようになりましたが、外科系上がりで知識より経験頼りであった僕に、一から抗生剤の正しい使い方、人工呼吸管理の仕方を教えてくれました。医師になってから今までで一番僕に知識を与えてくれた医療人の一人です。当科スタッフや看護師からの絶対的な信頼があり、ICLSコースを仕切ったり研修医に熱心に指導したり、心から尊敬できる医師でした。ゆっくりと送別をできぬまま蓮池先生は今日で最後になってしまいましたが、最後は「またどこかで一緒に働こう。」と約束し握手をして別れました。神戸でさらにステップアップをして、世界に羽ばたくような活躍を願っています。またみんなで会える日を心待ちにしています。



また明日は当院初期研修医2年目の修了式があります。特に当科をローテーションしているときは毎日が目まぐるしく過ぎていたと思いますが、いまは一人ひとりしっかりと自分で考えて患者さんにより良い医療を提供している姿が見うけられ、指導医としても本当にうれしく思います。。今回は修了式の後の懇親会は中止となりましたが、4月以降それぞれのステージでまた頑張っていただき、すべてが落ち着いたらできなかった懇親会を開いてあげたいと考えています。


最後に、被災地で行われている卒業式の映像がテレビから流れてきます。その光景をまだ普通の感情では見られません。若い彼らにとってあまりにも背負った運命は大きすぎます。でも、卒業式の場にいる若者の目は本当に輝いていました。支えあうことの大切さをわかる純粋な心、そしてその目の輝きに被災地の復興への光を感じました。
私たちも新年度から今まで以上にすべきことは多いと思います。日々自分ができることを真剣に考えながら、新年度から新たに当科に来る4人のスタッフ仲間に迎え、これからも皆様によりレベルの高い医療の提供と皆様にとってより信頼のおける高度救命救急センターとして存在していくために一生懸命頑張っていこうと思います。


<支えあう大切さ・・・>

石巻では、津波で取り残された病院スタッフの方が
患者搬送のため夜遅くまで積極的に協力してくださいました。

被災県の患者受け入れの際には、当直医師に加えて
当直明けや休みを返上した当科スタッフが十分すぎる活躍をしてくれました。
 
緊急援助で患者搬送を行った遠方からの救急車に
前橋市消防局がガソリンの提供をしてくれました。


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