立川広域防災基地連絡協議会災害訓練にDMAT出動しました。

(1/24 7時 写真を追加しました。)

今朝は先日のICLSでお世話になった公立藤岡病院の脳神経外科の先生と、前橋駅から前橋赤十字病院まで一緒になりました。また、当院とともに群馬県に2つだけ存在する救命救急センターである高崎総合医療センターの救命センター長にもお会いしました。そうです、いよいよ群馬県で初めてのJATECコースが、本日より2日間の日程で始まりました。当科にはJATECのインストラクターが6人在籍していて、今回のコースには4人が運営や実際のインストラクターとして参加しています。そして全国からインストラクターや受講生の先生方が、朝早くから寒い群馬に集まっていただき心より感謝します。JATECのコースの報告もしたいのですが、昨日のブログでも書きましたように私はJATECではなくDMATとして災害訓練に出動したため、JATECの報告は参加したインストラクターより後日報告します。

ちなみに当院で教育・研修コースが開催される日は、なぜかドクターヘリの出動が多くなっています・・・?本日は3件出動がありましたが、なぜか3件とも要請が12時台にかたまり、最初の1件目で向かっている途中に2件目の要請が入り、重症度を判断して1件目はキャンセルして2件目の出動に向かいました。1件目の出動で救急車搬送に切り替えて対応していただいた救急隊に感謝いたします。ちなみに3件目も2件目の出動中の要請でしたが、こちらは連続出動で対応することができました。ただし、今日は3件とも救急隊現着後の要請で、要請内容を聞いた範囲では覚知時点での要請であるべきだと考えられるものもありました。早期要請により連続出動で対応できる時間の余裕が増えますので、あらためて早期要請の徹底のほどよろしくお願いします。


☆DMAT(Disaster Medical Assistance Team)☆
災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム。
災害時の「避けられた災害死」をできるだけなくすことが目的。(災害時に1人でも多くの命を助ける。)

災害時においては、情報の入手、
共有がとても重要です。
私たち前橋赤十字病院DMATは、“10時に首都直下型地震が発生し、DMATの派遣を要請します。”という指令のもと、参集拠点病院である災害医療センター(東京都立川市)に向けて出発しました。チーム編成は医師1名、看護師2名、調整事務員2名の計5名で、モニター、人工呼吸器、酸素ボンベ、AED、各種薬剤など必要な資器材も一緒に持参しました。お昼過ぎに災害医療センターに到着しましたが、我々のほかに長野DMAT(佐久総合病院を中心とした混成チーム)、長野DMAT(諏訪赤十字病院)、山梨DMAT(山梨県立中央病院)、東京DMAT(武蔵野赤十字病院)が参集しており、当初は病院支援に入る予定でしたが病院災害対策本部からDMAT統括本部の指示に従うよう指令があり、最終的に病院内に設置されるSCU(広域医療搬送計画が立ちあっがた際に設置される部門です)の診療部門のリーダーを任命されました。

SCUに運ばれてきた重症患者の
安定化を図りつつ、広域搬送のための
パッケージを行います。
SCU診療部門のリーダーを任されましたが、“それでは患者が来たら搬送できるように準備しましょう・・・”というわけには行きません。今回SCUには当院DMATを含めて4チームが配置されました。SCUをどのように展開するか、指揮命令系統をどうするか、人員配置はどうするか、連絡手段はどうするかなど、まずはチームビルディングと資器材の準備を始めなくてはいけません。他のDMATのアドバイスとご意見をうかがいながら、チームビルディングを行ったところでいよいよ患者が搬送されてきました。基本的には災害医療センターに搬送されたり自らやってきた被災者の中で、重症度が強く広域医療搬送が必要と判断されたものが救命センターからSCUに搬送され、SCUのなかではさらなる被災者の状態の安定化と広域搬送(今回は自衛隊ヘリ)に耐えられるようなパッケージが行われ、最終的に搬送の優先順位を決定し自衛隊ヘリが離陸する時間に合わせて搬送を開始することが行われました。

今回SCUを担当したDMATチーム。
共通の目的で集まっています・・・
“防ぎえた災害死 ゼロ を目指して!”
DMATというと、災害現場で最前線で緊急治療をすると言うイメージが強いかもしれませんが、各都道府県から普段は一緒に仕事をしないチームが多く集まるので、必ず統括する部門が必要になってきます。今回はSCUの診療部門のリーダー役を勤めさせていただきましたが、救命センターから搬送されてくる被災者の情報やSCU内の診療の進行具合、また搬送計画にあわせてきちんと活動ができているか、資器材や人員は不足していないかなど、常に頭の中は混乱しそうな状態でした。しかし、今回はSCUの担当となった各DMATの皆さまの多大なる協力と活動力のおかげで、リーダーがあまり(余分に)動くことなく無事にSCU業務を全うすることができました。特に、普段ドクターヘリで搬送させていただいている病院の先生であったり、他の災害訓練でもご一緒させていただいた先生や看護師さんがいたことで、最初から意思疎通がうまく取れていたことも無事終了することができた大きな要因になったと思います。

群馬県は地震も少なくあまり災害が起こらないといわれていますが、近年の日本の災害を見ていますといつどこで起こってもわからない状態です。群馬県で大規模災害が起こった場合は当院DMATチームが様々な部門で統括に入る可能性が高いと考えており、今回の訓練は本当に大切な経験となりました。
そして、私は明日からの日本DMAT隊員養成研修にタスクとして参加するために、さらに4日間立川での生活が続きます。現在当院には医師4名、看護師3名の日本DMAT隊員養成インストラクターが在籍しており、当院からも1名がインストラクターとして参加します。

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