群馬の冬景色&“15分ルール”

いつも本ブログを閲覧いただきありがとうございます。今までにアメリカ合衆国と中国、香港、マレーシア、シンガポール、インドネシアのアジア各国、そしてイギリス、ドイツ、ブルガリア、スロベニアとヨーロッパからもアクセスをいただき、そして今日は新たにロシアからもアクセスをいただきました。私の語学力の問題で急に外国語表記に換えることはできませんが、これからもよろしくお願いします。


今年もセンター試験と重なるように日本中で雪が降りつけているようです。どうして天気の神様は受験生に毎年毎年試練を与えるでしょうか?受験生の皆さんが無事試験を受けられていることを心からお祈りしております。

天気予報によると冬型の気圧配置で日本海側は大雪で大荒れの模様。しかし群馬県の平野部では、天気予報の予想ははずれ雪が積もることなく朝を迎えました。しかし気圧配置が示すように北風が強く吹きつけ、山に積もった雪が空っ風にのって平野部に舞い降る“風花”が前橋市内で見られました。雪が降っている山間部を除きドクターヘリは運航可能ですが、風が強いためにドクターヘリは今日も群馬ヘリポートに退避中です。

昨日までで群馬県ドクターヘリは777回の出動をしていますが、昨日の出動の際にフライトスタッフにより群馬の冬景色を象徴する景色が写真に収めらていたので紹介いたします。
赤城山の頂に広がる大沼。
冬には氷結して、ワカサギ釣りのメッカになります。
(一酸化炭素中毒で当院ERに救急搬送が増加するのもこの時期です・・・)
※写真はクリックすると拡大出来ます。



病院周囲は全く雪がありません。
相変わらず平野部は全く雪がありませんが、群馬県北部はすっかり雪国です。天気予報では群馬県は“前橋(南部)”と“みなかみ(北部)”の2ヵ所が紹介されることが多いですが、同じ県内ですが全く違う天気です。前橋(南部)は埼玉や東京の天気とそっくりですが、みなかみ(北部)は新潟の天気に近い感じです。この時期にドクターヘリで北部に向けて出動すると、雪がまったくない場所から10分くらいでいきなり雪国に様変わりします。南部は晴天で穏やかな日でも、北部は雪雲による視界不良でドクターヘリが行けない事もあります。あまりの天気と景色の違いに本当に同じ県内かと疑ってしまいます。




15分後にはスキー場に着陸です。
山間部はすっかり雪国です。
そんな北部に集中してある群馬県のスキー場もようやく雪が降り積もり、例年より遅めの本格営業が始まっています。昨シーズンはスキー・スノーボード外傷でドクターヘリが16件出動しています。今シーズンは幸いあまり多くありませんがこれから増えることが予想されます。特に県外から夜中に車を運転してスキー場にやってきて睡眠不足であることが多いので、体調管理には十分気をつけてください。また、無理なジャンプでの転倒による大ケガが多いので、自分の技術と相談しながら群馬でのウインタースポーツを満喫していってください。疲れたら無理をせず、群馬の素晴らしい温泉を満喫してから帰るのも一考ですよ!




最後に紹介を・・・

昨日の新聞にのっていたのですが、日本医科大千葉北総病院救命救急センター長の益子邦洋先生が、ドクターヘリ・システムについて紹介する「『攻めの救急医療』15分ルールをめざして」(へるす出版新書)を出版したとのことです。この本の中で、「ドクターヘリは増えているが、あくまで一つの手段。救える命を救うためには、いち早く医師と患者を接触させる救急体制を地域全体で作ることが重要」と強調しています。群馬県ドクターヘリが運航開始する前に、群馬県のフライトドクター・ナースは全国のドクターヘリの先駆者たちのもとでOJT研修を行いましたが、益子先生のもとでも3名が研修させて頂きました。研修の際には早期での高度医療の介入の重要性をご教示いただき、それ以降にも学会などでお会いした際に、「ドイツで見学した病院は年間1500件出動があったけど、全部覚知での要請なんだよね!15分以内には患者さんへの治療が始まるんだよ!」とおっしゃっていました。ドイツでは救急患者と医師が15分以内に接触できるよう社会資本を整備せよという「15分ルール」という法律があるそうです。群馬県では消防側に、“30分以内の接触を目標”にと何かといってきましたが、それさえもまだまだ満足に達成できていません。ドクターヘリを要請することをまだためらっている(嫌がっている)とかいっている場合ではもうありませんね。この本から学ばなくてはいけないことが多そうです。

コメント

  1. 1/18、3件出動してきました。OJTあり、2Drでした。
    1件目 指切断。
    2件目 作業中の事故で頭部外傷。
    3件目 失神。

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