仕事場紹介 vol.2 ~救急外来(ER)~

いよいよ2010年も2週間をきりました。年末になり高度救命救急センターの忙しさは一段と高くなったようで、“師走”の名前の通り当科医師もあわただしくERにICUに救命病棟を動き回り、屋上ヘリポートへ走っています。ドクターヘリの要請も11月に引き続いて増加しており、昨日には今年度の要請件数が500件に達しました。ただし未出動が119件もあり、本日までの実出動は384件になっています。特にこの4日間(12/16~12/19)では、19件の要請があり、14件に出動しています。このうち重複要請は6件ありましたが連続出動やセカンドドクター派遣で3件は対応できました。しかし対応できなかった3件については救急隊の現場活動・搬送に感謝しております。

12/8のブログから始まった“仕事場紹介”シリーズですが、第1弾の集中治療室(ICU)につづいて、第2弾をお届けします。

☆☆仕事場紹介 vol.2☆☆ ~救急外来(ER)~


某雑誌に特集していただきました!
当院高度救命救急センターの入口に当たる救急外来(ER)には、年間約2万人の救急患者が来院する“全次型ER”です。1次から3次救急患者を的確な優先順位のもとに時期を逸することなく検査・治療を施行し、当該診療科に適切なアドバンスドトリアージをするために、救急患者診療の基本的知識・技能を持ったER専属の医師、看護師が配備されています。また、救急科的疾患(中毒、熱傷など)およびトリアージ困難な各科の狭間的疾患(多発外傷など)患者については、ERでの検査・治療の後に引き続き救急科にて管理を行います。



<2009年度の実績>
救急外来患者数 18,895名(救急車搬送件数 5,100件、ヘリ搬送件数 186件)
群馬県ドクターヘリ・防災ヘリ患者数 314名
救急外来入院患者数 5,085名(病院全入院患者の約40%、1日平均約14名がERから入院)


A(気道)の確保と同時に、C(循環)の評価。
看護師の挿管介助に研修医の静脈路確保。
すべて同時進行です!
日勤帯は2~3人の救急科医と1~2名の初期研修医の3~4名で救急外来を担当します。日勤帯は主にドクターヘリや救急車で搬送されてくる重症患者が多く、初期評価と蘇生処置、全身状態の安定化を図ります。そして、身体所見や検査結果から鑑別診断、各科コンサルト(救急科入院当番を含む)を行っています。各科の全面的協力があってのもと成り立ている“ER型救急”を展開しています。初療室では気道・呼吸・循環(いわゆるABC)の安定化を図りますが、必要によってはPCPS導入や緊急穿頭・開胸などが行われることもあります。なんとかカテーテル室や手術室、そして集中治療室につなげられよう全力で励んでいます。

またドクターヘリのホットラインがなった時はできるだけCS室に駆けつけて(ERから走って10秒!)、フライトスタッフに患者情報の提供や搬送先選定の協力をすることもあります。ちなみにCS室には常に美味しいコーヒーが用意されていて、忙しい仕事の合間のちょっとした息抜きの場所にもなっています。

救急車が3台並ぶこともまれではありません。

休日・夜間帯は全科医師を挙げての当直体制で、各科を7つの系統(頭部系、胸部系、腹部系、内科系、外科系、小児科、産婦人科)にふりわけ、各系統1人ずつの計7人と数人の研修医で当直をしています。原則、小児科、産婦人科を除くどこかの系統に救急科医が所属していて、当直の救急科医は自分の系統の患者の診療とともに救急車からのホットラインの振り分け、重症患者への対応をします。特にwalk-inといわれる歩いて(自家用車で)来院される患者は休日・夜間帯に多く、救急外来の待合室が平日の一般外来と錯覚するくらいあふれそうになっていこともあります。



看護師の指導を受けている
当院ERで実習中の救急救命士。
顔の見える関係はここでも築かれます!
救急外来には26名の看護師が配属されています。重症患者が多く運ばれていることもあり、経験豊富な看護師が常に控えてます。緊迫した場面のなかでも常に患者や家族に心配りを忘れず、ときには熱くなっている医師の頭を的確なアドバイスで冷ましてくれます。フライトナースの4人も救急外来に配属されていて、フライトのない時間は救急外来で働いています。

全身熱傷、多発外傷、心肺停止などの重症患者が多く搬送されてきますが、まずはERで的確な診断と蘇生、初期治療を行わないと、次に続く集中治療室での全身管理、社会復帰のための病棟管理につながりません。ERでは毎日が真剣勝負です!


尚、ERについての詳細は、集中治療科・救急科ホームページ内に掲載しております。
  “救急外来(ER) http://www.gunma-redcross-icuqq.com/er/index.html ”



☆お知らせ☆

群馬県ドクターヘリホープページのトップページ内で本ブログの更新案内をしていましたが、システムの都合上でリアルタイムで更新案内をできていませんでした。実はアナログ的な管理を行っていっためタイムラグが生じていました。しかしホームページ更新担当者のアイデアにより、時代の流れに乗った最新技術(twitter機能らしい?)を取り入れて、リアルタイムで更新情報がわかるように設定しました。(twitter機能を使用していますが、実際には本ブログでtwitterをするわけではありません。)
今までご不便をおかけしていたことをお詫びするとともに、これからもホームページ、ブログともによろしくお願いいたします。

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