仕事場紹介 vol.1 ~集中治療室(ICU)~

本日フライトドクターの町田です。昨日に続いて強風のため群馬へリポートにてスタンバイ中です。
昨夜の雨は今朝には止んでいましたが、山では雪になったようで赤城山、榛名山で今年初冠雪を記録しました。真っ白な浅間山が群馬へリポートからよく見えています。午前中は要請がなくPC相手に仕事をしていましたが、じっとしていられなくなったので群馬へリポートの内周コース(車が走行用の道)を2週走りました。遠くに雪をかぶった山々を見ながら気持ちよく走っていましたが、2周目最後で強い向かい風に完全に息が上がってしまいました。約1.5Km、1200歩・・・運動不足ですね。


当院集中治療科・救急科は、主に救急外来、集中治療室、病棟管理を数週間のローテーションで当番しています。それに加えてフライトドクターの当番もローテーションで回ってきます。
各当番でそれぞれ仕事場がありますが、今回は当科の柱の1つである集中治療管理を支える“集中治療室(ICU)”について紹介します。

☆☆仕事場紹介 vol.1☆☆ ~集中治療室(ICU)~

2年前に某広告の表紙を飾りました・・・
当院ICUは高度救命救急センター1階にあり、ベッドは現在10床で運営しています。救急外来に搬送された重症患者や急変した入院患者、大手術後や合併症の多い術後患者が主に入室し、各主治医の基本方針のもとでICU担当医が全身管理を行う“closed general ICU”です。
<当院ICUに関する簡単な歴史>
1995年 ICU認可を取得
1999年 救命救急センターの指定
2003年 高度救命救急センターの指定、熱傷ユニットの指定


研修医を含め当科3~4名と麻酔科1名の計4~5名が“ICU専従医”として毎日配備されています。
毎朝8時半からの当科カンファレンスでICU入院患者の経過報告を行い、その後ICUでICU当直医からその日のICU専従医に申し送りが行われます。この申し送りでは看護師長とリーダー看護師も一緒に参加します。夕方には主治医とICU専従医で各患者ごとにカンファレンスを行い治療方針の再確認をします。
ICUには看護師が44名配属されており、患者の全身管理とともに安全・安心のために日々尽力をしています。そして指示(ときどき医師のわがままな要求?)に対して迅速かつ適切に対応してくれます。昨年重症熱傷患者が3名と同時に入室していたときも、連日包交の準備と介助を黙々とこなしてくれていました。 また男性看護師が何と12名も在籍しているのも大きな特徴です!



人工呼吸管理&PCPSの導入
重症患者の救命、全身管理はもちろんのことですが、ICUからの早期退室のために様々な試みを行っております。特に人工呼吸器からの早期離脱を目指して、APRVプロトコールを導入し、さらに看護師・リハビリテーション科を中心に積極的な呼吸理学療法を行っています。また、臨床検査部の協力でICU内にもグラム染色・顕微鏡観察ができるようになり、より適切な抗生剤使用を心がけています。(ちなみに救急外来でもグラム染色が可能で、当科をローテンションした研修医は必ずグラム染色ができるようになっています!)さらに脳低体温療法、PCPS導入などのプロトコールをもとに、看護師の協力体制のもと積極的に治療を行っています。


悩む研修医とてきぱき働く看護師

先日当院初期研修を希望していた医学生の面接を行いましたが、何人もの学生より「研修医自身が患者を診察したり検査結果をもとに、自分自身で治療方針や指示を出しているのがすごい!」という言葉をいただきました。当科ローテーション中でICU当番医なった初期研修医は、約1週間の見習い(上級医にくっついて患者を担当する)時期がおわると一人で患者の担当になってもらい、自分で考え自分で必要な部署・医師と連絡をとり最終的に自分で指示を出してもらいます。もちろんICU上級医や看護師のアドバイスやフォローはあるものの、患者の早期回復のため毎日努力をしているので確実に成長している姿が見られます。


ICU入室患者が3年目より492名/年、556名/年、655名/年と増加傾向にあり、今年度も上半期のみで364名の入室がありました。常にベッドは満床に近い状態で実際はベッドコントロールに連日追われていますが、何とか一人でも多くの重症患者が受け入れられるよう毎日がんばっております。


当院ICUおよび当科の詳細につきましては、以下のページでどうぞ!

仕事場紹介 vol.2は“救急外来(ER)”の予定です。(配信日は未定・・・)

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