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9月, 2013の投稿を表示しています

合言葉は『SSTT』!

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町田です。 9月28,29日の2日間、大阪府立大学りんくうキャンパスを会場に開催された『外傷外科手術治療戦略(Surgical Strategy and Treatment for Trauma:SSTT)コース』を受講してきました。 ☆SSTTコースホームページ → http://www.sstt.rgmc.izumisano.osaka.jp/ (『外傷外科手術治療戦略(SSTT)コース公式ガイドブック』もあります。とてもわかりやすいです!) コースを受けるために外傷に対する初療と手術のある程度の知識と経験がチームとして求められており、今回は①元外科系で現在JATECインストラクターの救急科専門医、②救急科専門医をもっている呼吸器外科指導医、③元手術室配属で現在救命センター病棟看護師、④現役手術室所属の看護師の4名でチームを結成し参加しました。 (左から)上吉原先生、町田、齊藤君、今河君す。 OPE側とER側を抜群のチームワークで結んだ4名です! 重症外傷患者さんの救命のためには、初療の段階で系統だった評価と蘇生が必須であり、初療の段階で特に出血に対して早期の止血を行い患者さんの全身状態を悪化させないことが大切になります。 当院はER型救急で、重症外傷に対する初療を救急科医が行いながら、外科的に必要な蘇生については各専門科と協力しながら、病院全体でタッグを組んで行っています。 しかしながら、もし救急科医が必要な外科的治療に踏み込むことができず保存的治療で粘りすぎたり、逆にもし専門外科医がどんどん全身状態が悪化するなかで根治手術に固執することがあるようだと、うまく戦略を立てれば助けられるはずの重症患者さんをなくしてしまう可能性があります。 大切なことは、救急科医も外傷外科の知識を、専門外科医も外傷初療の知識を共有することです。 これらを“共有する”ために大切なキーワードが 『SSTT』です! コースでは1日目に座学やワークショップがあり、2日目は実際の手術実習で構成されていましたが、この2日間にインストラクターの方々が常に僕たちに教えてくださったことは以下の4つです。 ・S:Speedy & Suitability(迅速性と適確性) ・S:Strategy(戦略) ・T:Tactics(戦術) ・T:Team

周産期・小児医療とドクターヘリの連携。~HEM-Netシンポジウムに参加して~

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町田です。 9月26日に都内で開催されたHEM-Netシンポジウムも参加しました。 今年のテーマは『ドクターヘリ運用の多様性-周産期・小児医療との連携-』でした。 周産期救急に対して産科医や小児科医をデリバリーしたり、小児重症症例数は成人に比べて圧倒的に少なく、集約化した方が成績が格段に良いなど、とても参考になることばかりでした。 群馬県でも周産期救急や小児救急でのドクターヘリ出動があります。いままでに県内外の産婦人科や小児科の先生方のご尽力で様々な研修を受けさせていただき、自分たちも現場で周産期、小児の患者さんに対して初療を行うことが出来ています。しかし、搬送先については重症妊婦・小児外傷については当院で引き続き診療するものの、重症新生児を診ていただけるNICUが違う病院にあるために、時として母親と子供が別々の病院で入院することも起こりえます。 都内の小児医療センターの先生に「集約化した方が成績が良いということを考えると、群馬県からでもドクターヘリで30~40分でたどり着く都内の小児医療センターに運んだ方が、重症患者さんの社会復帰する可能性は高いということですか?」という質問を投げかけてみました。 答えは『Yes』でもあり『No』でもありました! 確かに小児の重症症例が少ない(もちろんこれは良いことです)現在において、経験が多い施設に集約化する発想は大切かもしれません。しかし“救急科医は大人であろうと小児であろうと関係なく、キチンと初療を行えなければならない!”という言葉をいただきました。そして“群馬県内に分散している周産期、小児重症患者を診療できるリソースを統合することがまず行うべきことで、そこをつなぐものの一つとしてドクターヘリを利用してはいかがでしょうか!”というアドバイスをいただきました。 最初にも書きましたが、いつも産婦人科医や小児科医の皆さんにはドクターヘリ、ER、ICUと様々な場面で本当に助けていただいています。われわれ救急医も重症患者の診療とともに、各科をつなぐ存在となってより群馬県の周産期、小児救急医療の発展に寄与しなくいてはいけないですね。 北海道から沖縄まで全国のお世話になっている先生方にお会いすることができました。 写真左は北総ドクターヘリ研修でお世話になった金丸先生(現宮崎大学)、 写真右は県立広

ひとまるちゃん(JA6910)が戻ってきました!

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町田です。 今日は抜けるような青空です。まさに秋晴れです。しかし風も強く、昨日から群馬ヘリポートに待機中です。 一昨日の夕方に約1年ぶりにJA6910が群馬県に戻ってきました。通称『ひとまるちゃん』です。 お久しぶりです! JA6910は約4年半前に群馬県ドクターヘリが運航開始したときのメイン機体であるため、スタッフの思い入れは正直かなり強いです。運航開始当時の様々な難題をともにのりこえてきました。 先日まで群馬の空を飛んでいたJA117Rと機種は同じBK117C-2ですが、JA6910の方が先輩で若干違う部分があります。 違いが分かりますか?   同じ機種でも機内の収納の配置、緊急脱出時の方法など若干異なる部分もあります。朝一番にその部分をスタッフ全員でしっかり再確認しスタンバイに入りました!

消防も医療もレベルアップを図るべし!~患者さんにとってベストな医療を提供するために~

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  群馬県救急搬送支援システムをみると、搬送先となる病院の上に“ドクターヘリ、防災ヘリ(ドクターヘリ的運用)、ドクターカー高崎、ドクターカー前橋(試行事業)”が並んでいます。そうです、患者さんとより速く医療が接触するために医師、看護師を病院前に引っ張り出す、いわゆる『モバイルER』ともいえる手段が増えてきました。とある日の様子を見ると、このようにドクターヘリ、ドクターカー高崎、ドクターカー前橋が出動していました。 しかしながら気を付ければいけないことは、『量が増えると質が落ちる危険性がある』ということです。それを消防も医療も常に意識しながらの活動しなくてはいけません。 消防がドクターヘリやドクターカーに期待していることは、迅速でレベルの高い現場での評価と処置です。重症度が高くバイタルサインが不安定な患者への対応は当たり前として、まだバイタルサインが不安定でなくても今後間違いなく悪化すると予想さえる人に早期介入し、出来るだけ状態を悪化させずに根治治療ができる病院に搬送することが大切になります。 例えば気胸を合併した患者さんがいて、今はまだなんとか呼吸が保たれているけどいつでも悪化する可能性が高いときに、『現場滞在を延長して胸腔ドレーンを留置する決断と2分以内に実行できるスキル』が伴っていないといけません。現場滞在時間はできるだけ短くしながら、診察をしながらの様々な決断と必要時の迅速な高度の処置を行えることを当たり前であることが、病院前にでるスタッフが消防に求められることであり、さらに患者さんにとって当たり前であると感じています。 医療も消防に求めていることがあります。患者さんが発生して真っ先に対応するのは救急隊です。よっぽどの特例を除いてドクターヘリやドクターカーが先に接触することは群馬県では考えにくいです。医師が患者に接触するまでの数分の救急隊の評価とそれに対する処置で助かる命もたくさんあります。ドクターヘリやドクターカーが来るということで、決して現場での評価や処置をおろそかにしてはいけません。 消防と医療がランデブーポイントでお互いの活動をきちんと評価して、マイナス点に関しては建設的にフィードバックできる関係が必要です。 当院ではフライトドクターやフライトナースになるために数年かかります。それは現場に出た時に患者さんに常にベスト

そろいぶみ!

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皆様、お 久しぶりです。原澤&小倉です。   今月もすでに下旬。秋の風が吹く前橋高度救命の屋上ヘリポートです。 二人がちょうどヘリポートで行き会ったので、記念の一枚です。 (左)小倉医師、(右)原澤医師 同期の強い絆があります!   さて我々は、今月より、正規フライトドクターとしてデビューさせていただきました。 約2年半の下積みを重ね、ようやく独り立ちの夢が叶いました。 努力してきてよかった…。 現場の患者さんの元へは救急科医師として、災害の際には DMAT 隊員として、ヘリでかけつけ、持てるチカラを最大限に発揮しようと思います。 今後ともよろしくお願いいたします。 待機終了後の一コマ・・ 航空会社と基地病院のスタッフ間の絆も強いですよ!

災害対応訓練の企画をすることの意義。

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町田です。 9月20,21日は神奈川県が主催でDMAT関東ブロック訓練が開催されました。神奈川県の皆さんの綿密な企画運営や他機関の協力(在日米軍も参加です!)で、本当に素晴らしい訓練内容が展開されていました。 群馬県からも当院を始め7チームのDMAT&ドクターヘリが神奈川県に参集し、各拠点病院やそこからさらに災害現場や広域医療搬送拠点に移動して、様々な災害救護活動を行いました。当院からはプレーヤー(いわゆる訓練を受ける立場)として医師2名、看護師4名、業務調整員2名が参加したのに加えて、コントローラー(いわゆる訓練を運営する立場)として医師は中野センター長を筆頭に3名、看護師は高寺救急外来師長を筆頭に3名、さらに業務調整員も3名が参加しました。さらに群馬県庁や日赤群馬県支部の関係者も神奈川県に集まってきました。 訓練とはいえかなり起こり得る想定で組まれているため、訓練中にはたくさん解決しなくてはいけない問題が勃発してきます。それをいかに解決するかも訓練の大切なポイントですが、訓練を通して今までの計画でできるそうなことや絶対うまくいかないということも見えていました。事前計画の重要性が身に染みて感じました。 今年の舞台は神奈川県です。 DMAT、日赤救護班、消防、自衛隊、そして在日米軍も参加していました。 実は来年のDMAT関東ブロック訓練の企画運営担当は群馬県にあたっています。群馬県では県防災訓練や日赤訓練などが毎年行われております。そのような中でいろいろなことが検証されてきていますが、この訓練に関しては関東の他県のDMATの応援が必要なほどの災害が群馬に起きたという想定が必要です。規模もかなり大きくなることもあり、企画担当係りの中野センター長と町田は必死に訓練の裏側をのぞいていました。 そのように覗き見ている中で感じたことは、『訓練の企画を立てる過程で様々な体制の不備が見えてくる』ということです。これは決して否定的な意見ではなく前向きな話です。 例えば、近年の広域災害においてドクターヘリ基地病院のDMATは真っ先にドクターヘリで被災県に参集しています。これは本当に機動性が高く素晴らしいことですが、では群馬県ではこの真っ先に駆けつけていただいた複数のドクターヘリをどこに参集させるかが決まっていません。 東日本大震災の場合、まず

澤田先生のドクターヘリ同乗研修!

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町田です。 今日は中野センター長とともに神奈川県庁に来庁しました。今日、明日で平成25年度DMAT関東ブロック訓練が行われていて、その本部機能や訓練をコントロールする裏方の皆さんの動きをずっとのぞいていました。訓練はまだ明日まで続くので内容はここでは明かしませんが、来年度は群馬県が担当でその企画運営を担当することになっています。 今日だけでも訓練の企画以前に実災害の対応で群馬県庁の関係機関と話し合わなくてはいけないことがたくさん出てきました。明日の訓練も当院スタッフが多く参加する予定です。 1日目訓練終了後、宿泊地に向かう写真から見えた富士山と夕陽。 そしてお疲れのセンター長・・・ 板橋中央総合病院麻酔科から当院当科への6ヵ月~1年の研修を受け入れてからすでに5年を越していて、今までに8名の先生方に来ていただきました。 今年度も4月から澤田先生が仲間として一緒に日々の診療を行ってきました。普段は手術室で仕事をしていた日々から急にER、ICUでの活動の日々となりました。しかしすぐに順応し、多くの緊急性の高い患者さんの初療や重症度の高い患者さんの管理に活躍していただきました。 今月は最後の1ヶ月です。救急車の同乗実習を行っていただいたのちにドクターヘリの同乗研修が始まりました。もちろんメインはフライトドクターが行いますが、現場の診療等には積極的に協力していただきました。特に現場での気道管理や複数傷病者の対応など、初回の同乗研修から患者さんのために大活躍していただきました。 とにかく安全第一です。まずは機長からの安全講習を受けて・・・ 群馬ヘリポートから基地病院まで戻ります。 出動コールでヘリまでダッシュ! 患者さんを無事に搬送終了後、群馬県消防学校で記念写真!  まだ数回の同乗研修が残っていますが、群馬の景色を目に焼き付けながら今まで通りの活躍のほどよろしくお願いします。

緊急速報・・・再放送のご案内!

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本日午後に昨年放送された『The 命のヒーローズ 緊急出動!ドクターヘリ 命との闘い』が再放送されるそうです。。 日本テレビ系列で15時55分からです。(関東ローカルだと思われます。) お見逃した方はぜひご覧ください。 http://www.ntv.co.jp/program/detail/21824140.html  

医療スタッフ送り込み!~日没時間の短縮とともに・・・~

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町田です。 昨日は全国的に快晴だったようです。群馬も雲一つない青空が広がっていました。 しかし、利根川をはじめ群馬を源流とする様々な河川は、流量は減ったとはいえまだまだ濁流が続いていました。河川敷もまだまだ水浸し状態にため、しばらく河川に近づくのは避けた方がよさそうです。 日没が早くなってきています。すでに18時を切っていて、今日は17時47分です。群馬県ではドクターヘリは日没までに当院または群馬ヘリポートに帰還しなくてはいけないため、要請受付最終時刻は日没30分前となっています。(*ただし最長でも17時45分までです。) この時期は夕方の要請は時間との戦いでもあります。昨日の日没31分前(要請受付終了1分前)に要請がありました。そしてランデブーポイントから現場までは距離がある山間部であったため、離陸した時点でヘリでの患者搬送は不可能と判断しました。そうなると『医療スタッフ送り込み』という作戦です。ランデブーポイントに医療スタッフを送り込みヘリは先に基地に帰還。そして傷病者に初療を行い救急車に同乗しながら病院まで搬送となります。 でもこれでいいのです。ドクターヘリの最大の目的は早期医療介入です。まだランデブーポイントに傷病者が到達していない場合は、さらにそこから現場に向けて支援車に乗り込んで向かいます。すべては1分1秒でも早い傷病者接触のためです。 しかしこの作戦の最大の難点は、病院搬送に時間を要するために根治治療開始時間の短縮が図れないことにあります。そのために現場での活動時間をより短く(場合によっては救急車を動かしながら)してタイムロスをできるだけ少なくし、さらに病院に出来るだけ良い状態でたどり着くように救急車内から積極的な治療を施していきます。病院についたらすぐに根治治療が始めるような気持ちで救急車に同乗することが大切です。 日没時間を計算しながら出動です。 ランデブーポイントでヘリを見送りながら・・・ 支援車に乗り込んで現場に向けて出発です。 救急車に同乗して傷病者搬送中にはすでに真っ暗。 搬送先の町から電車で帰還です。 (この電車を逃したら次は1時間半後でした・・・) これから先どんどん日没が短くなりますが、ヘリの安全を最優勢にしながら時間ぎりぎりまで出動する気持ちでスタンバイしています

まだ油断してはいけません。~台風18号のつめ跡~

本日台風18号が日本に上陸し、あっという間に東日本~北日本を駆け抜けていきました。 2009年の台風18号も群馬県を縦断しましたが、今回の台風18号も群馬県上空を通過したようです。昨晩から風が強く吹き付け、今日の昼前より前が見えなくなるほど土砂降りとなりました。しかし夕方には青空が広がり、まさに台風一過とはこのことだなぁと実感しました。 テレビでは京都を始め全国の被害状況が報告されています。残念ながら3名の尊い命が奪われ、行方不明の方もいるようです。台風はオホーツク海で温帯低気圧に変わりましたが、まだ北海道は大雨が続いているようです。 今日は夕方に所用で利根川に架かる橋を渡りましたが、恐ろしほどの濁流が目に飛び込んできました。今回の台風の影響で河川の水位はいつもと比較できないほど上がっており、また地盤が緩んでいるところも多くあると思います。 明日からしばらく秋晴れの日々が続くようですが、台風のつめ跡がたくさん残っており、特に危険と思われる河川や場所には近づかないようにお気を付けください。また片付けの際のけがなどに十分お気を付けください。

これからも皆さんとともに!~『空の日フェスタ(群馬ヘリポート)』への参加~

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町田です。 15年以上前、クリスマスに遊覧飛行と考えてその値段に断念した学生時代・・・そして空を飛ぶことを全く考える暇もなかった研修医時代から気が付くと14年目・・・医師になってヘリコプターに乗るということは想像もしていませんでした。 皆さん、「空の日」を知っていますか?毎年9月20日がその日にあたります。 明治43年にその当時の陸軍大尉が日本初の動力飛行に成功して30周年の昭和15年に制定された「航空日」が起源で、平成4年から「空の日」と改称されたそうです。 この「空の日」にちなんで、全国各地で9月に空の日を祝うイベントが行われています。 群馬県でも群馬ヘリポートにおいて『空の日フェスタ』が毎年9,10月に行われています。 群馬県ドクターヘリも運航開始1年目からこのイベントに参加させていただき、今年で5回目の参加でした。ドクターヘリは朝からその日のスタッフとともにイベントに参加し、消防本部から当院CS室に要請が入ればそこから機長の携帯で出動指令が入り、会場内に散っているスタッフのトランシーバーにヘリまで集合の連絡がはいり、イベント中でも要請から4分以内に出動できる態勢を整えています。 今回はフェスタ中に群馬ヘリポートから2回離陸しました! もちろんこのイベントにただ参加するだけではなく、参加する目的がきちんとあります。 1つは、『空の安全についてあらためて認識する!』 各機関のヘリコプターが集結していますが、ちょっとしたことが大きな危険が原因になりえることがあります。イベント中に群馬ヘリポートのフライトサービスの方を中心とした各ヘリ間のコミュニケーションの強化、そしてお互い安全についての学ぶことが大切になってきます。普段のわれわれの行動が誤っていないか、思い込みになっていないかということをあらためて意識することで、これから先も空の安全を守る一員として活動することができます。   左が群馬県消防防災ヘリ『はるな』、右が群馬県警察ヘリ『あかぎ』 もう1つは、『皆さんとのかかわりを強化する!』 県の3機のヘリである県警ヘリ、防災ヘリ、ドクターヘリにはそれぞれのミッションがありますが、最優先されることは共通で「命を守る」ことです。お互い機関は違っても同じ思いをもって活動するために、このようなイベントでそろい踏みすることはと

御礼!

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町田です。 9月14日の『空の日フェスタ』は天気に恵まれてドクターヘリも参加することができました。 実際にはフェスタ開始前に2件出動、フェスタ中に4件出動があり(フェスタ後にも1件、しかも防災ヘリも出動!)、予定していた3回の内覧会が1回しかできず楽しみにされていた皆様には大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかしながら、出動した事案はすべてドクターヘリによる早期医療介入が有効でありました。 そして出動から戻ってきたときに皆様から多くの激励のお声をかけていただきました。本当にありがとうございました。 詳細はまたあらためてご報告いたします。 多くのご声援をいただきありがとうございました。

あれから2年半・・・~まだまだ被災地での活動は続いています~

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町田です。   一昨日はニューヨークテロから 12 年であったとともに、東日本大震災から 2 年半でした。 今日は個人的な話で失礼します。 昨日まで 6 日間続けて災害医療に関する研修に参加していました。東北地方や茨城、千葉の病院から来られた受講生の中には患者さんを守るために病院のスタッフとして震災時に対応された方が、インストラクターの中には DMAT や救護班としてそのような病院に支援に入ったりした方もいて、研修でのディスカッションや懇親会などを通じて様々な交流が行われていました。 そしてまだまだ被災地での活動は終わっていないことに気が付きました。 避難されている方への心のケア、医療者が不足した地域での医療の継続などまだまだたくさんのことが残っています。 このような研修で災害対応の知識を学ぶとともに、全国から参加した方々同士が顔の見える関係が築かれ、これからも継続して活動する大切さを確認することができました。     2 年半前の東日本大震災の発災日は、強風で屋上ヘリポートが使用できなかったためにドクターヘリとともに群馬ヘリポートで待機していました。格納庫内で体験した地震の揺れは本当に『怖い』という以外なにも思えませんでした。その後全く電話が通じなくなり、病院に戻る足もなかったため、ある意味群馬県内で孤立してしまいました。 しかし群馬ヘリポートは群馬県防災ヘリ、群馬県警察ヘリの基地であり、お互い連携しながら孤立したスタッフでできる限りの準備をした記憶があります。 この日の経験があるので毎回群馬ヘリポートに来るたびに、防災航空隊や県警航空隊の皆さんと話をしながらより強い連携を作り上げようとしています。   そんな群馬ヘリポートで明日いよいよ『空の日フェスタ』が開催されます。 昨年度の様子 これらのヘリの内覧会も行われます。 10 時~ 10 時半、 13 時~ 13 時半、 15 時 15 分~ 45 分の 3 回を予定しています。出動中で不在の場合もありますが、ヘリポート駐機中であれば皆さんのいろいろなご質問にお答えしようと思いますので、スタッフにお気軽にお声かけください。

群馬県ドクターヘリ症例における2012年度整形外科的緊急手術統計

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Web担当の伊藤です。 筆者は主に整形外科的な外傷・疾病に携わっています。 ドクターヘリの出動統計の中に、傷病者疾患分類というグラフがあるのをご存知でしょうか。 2012年度においての傷病者疾患分類は以下のようになっています。 '12年4〜'12年9月 外傷 熱傷 心大血管疾患 脳血管疾患 中毒 その他 うちCPA 現場出動 333 12 81 102 9 105 63 施設間搬送 11 2 35 8 2 11 0 合計 344 14 116 110 11 116 63 この中の「外傷」という項目に、今回は着目しました。 この「外傷」の中で、整形外科的な緊急手術をしている症例が何件あるのだろうと疑問を持ったからです。 まず、昨年度(2012年4月1日〜2013年3月31日)に、当院整形外科が来院当日緊急手術を行った症例数は全部で115件でした。その症例での、患者さんの緊急手術当日の来院手段です。 このように、救急車が半数を占めています。ウォークインがヘリ搬送より多かったのは意外でした。 次に、2012年度に緊急手術を行ったヘリ搬送症例は、19件でした。この症例の中には多発外傷の患者さんも含まれています。次のグラフは、2012年度にヘリ搬送後整形外科的緊急手術症例に関わった消防本部の症例数です。 では、この症例がどのような内容だったのか見て行きましょう。 この他に、整形外科が緊急手術をしない症例でもヘリ搬送となる場合もあります。 その場合、四肢骨折の他に、頭部・胸部・腹部を怪我していたりすると、重篤な生命の危機を脅かされる状態が予想されるので、まずは全身状態を安定させてからの整形外科での待機的手術となるケースが多いです。 ですので、2012年度の「外傷344件」の中に、待機的な整形外科的手術を行っている患者さんも多く含まれていると思われます。 今回、少し違った視点でドクターヘリを見つめてみました。 整形外科に見学を希望する医学生さん達は、皆、「外傷に興味がある」とおっしゃいます。今後当院に見学を検討されている学生さん達の参考になれば幸いです。 今日9