「敗血症セミナー in 名古屋 2018」に参加しました。

後期研修医の土手です。
皆様、新年明けましておめでとうございます。


去る2018121日に名古屋市立大学病院で開催されました、「敗血症セミナー in 名古屋 2018」に参加させて頂きましたのでご報告致します。

セミナーの内容としましては、名古屋大学 救急・集中治療分野 松田 直之 教授の「敗血症の最新エビデンス 2018」と銘打った、敗血症診療における、呼吸・循環・腎・血液(DIC)・脳神経系(ICU-AW:ICU-acquired weakness,PICS:post intensive care syndrome)の全身管理におけるこれまでの知見のふりかえり、最新の知見の紹介の講演に始まり、各病院における敗血症診療における取組みの紹介など多岐に渡りました。
会場では「日本版 敗血症診療ガイドライン 2018」の
販売もしていました。
これまでの敗血症診療における基本的な知識、背景の整理、モチベーションのupにつながる内容でした。



最も印象に残ったのは実際に皮膚軟部組織感染から敗血症になり集中治療管理をされていた患者さんの「私が敗血症になって感じたこと」という講演でした。

移動中も酸素マスクをつけモニタリングをされる苛立ち、入院中にやせ細った自分の四肢を見るたびに感じる無力感、焦燥感、植皮術後の背部の不快感、そこからくる不眠、退院後に趣味(この方はサーフィンでした・・)が思うようにできないことに対するストレスなど、実際の敗血症体験における苦痛・ストレスをあますことなく伝える内容でした。

このような集中治療管理下に状況に置かれる患者さんに対して、全身状態が落ち着いてきているなら、sedation vacationをしっかりする、awakeな患者さんの話を良く聞く、話かける、移動中に不要なモニタリングはなるべく外す、日々のリハビリの進展に対する喜びを共有する、置かれている状況を繰り返し説明する、退院後に望まれる生活をイメージして治療に当たるなど、当たり前のことかもしれませんが、明日からでも実践できることは無数にあると感じました。

些細に感じられることが患者さんの苦痛・ストレスを劇的に改善することもあると感じています。


セミナー自体は午後1時から午後5時までの短いものでしたが、日々の診療において活かせる内容でした。
今後に繋げたいと思います。

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