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新病院での体制vol.4 「集中治療室(Intensive Care Unit:ICU)」

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集中治療科部長の宮崎です。 新病院開院から 1 ヶ月が過ぎようとしております。   旧病院では 12 床で運営をしておりましたが、新病院では集中治療室 (ICU : Intensive Care Unit )は 2 病棟合わせて 24 床 (1 病棟あたり 12 床ずつ ) 構成となっております。現在はまずは 18 床で運営しております。     新病院 ICU の特徴をいくつか紹介します。   まずは全室個室での設計とし、ベッドの頭側にコード、配管が行かないように、シーリングペンダントを設営しました。   またER が1階、 ICU は 3 階と旧病院に比べ階層が離れましたが、 ER と ICU のドアの前のエレベーターでほぼ直通に近い設計になっておりますので、患者様の移動には大きな支障になりません。   さらに手術室は ICU と直通の廊下があり、手術室からの帰室もすぐに行えます。 ICU の前には血管造影室、 CT 室がありますので、血管造影、心カテーテル、画像検査にも移動距離が少ない設計になっております。     今後も倍増した ICU 、県内の他施設と共に、前橋市民・群馬県民の皆様の生命を守るべく、皆で今後とも精進して参ります。     ☆「新病院での体制」バックナンバー(全4回) vol.1 前橋ドクターカー日赤   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol1.html vol.2 群馬県ドクターヘリ   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol2.html vol.3 救急外来   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol3-emergency-roomer.html vol.4 集中治療室

新病院での体制vol.3 「救急外来(Emergency Room:ER)」

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町田です。 われわれ前橋赤十字病院 集中治療科・救急科は、主に救急外来(ER)での診療、集中治療室(ICU)での診療、ドクターヘリ・カーによる病院前診療、当科入院患者の病棟管理を行っています。 中村センター長・部長を筆頭に、集中治療室は宮崎部長、病院前診療・救急外来は町田、病棟管理は藤塚先生をリーダーとして、スタッフ一同で病院前から病棟までシームレスな診療を意識して活動しています。 新病院になっても旧病院の時と行うべき活動はまったくかわりませんが、とにかく施設が広く新しくなりました。逆に言うと今までの狭い環境の中で「よくここまでやっていたな!」と思ってしまいます。もちろん旧病院の救急外来に思い入れがあり「あのコンパクトさが懐かしい!」と懐かしく思うこともありますが、処置室が広くなったり診察室が増えたことでよりスムーズな活動ができたり患者さんを待たせる時間が以前より少なくなったことを感じます。 救急外来で行うことはほとんど変わっていないため、大きく変化した救急外来の様子を少しだけ画像で紹介させていただきます。 救急外来救急車搬入口です(冬の強風対策でシャッター付き)。 この周囲は救急車専用道路となっています。   救急車から昇降する部分が屋根に覆われているので 雨に濡れずプライバシーも保護されます。 救急外来に入るとすぐに重症対応の2部屋の処置室 (ともに陰圧室)が控えています。 重症患者の対応するスペースが1ベッドあたり 旧病院の4倍近くあります。   スタッフステーション(ナースステーションのこと)を囲んで さらに4つの処置用ベッド、12のリカバリーベッドがあります。   処置室に加えて診察室は7部屋(うち2部屋は感染症対応)に 増えて、さらに説明室が2部屋ついています。 さらに救急車搬入口に救急ワークステーションが設置され、 前橋市消防局の職員が平日日中ここに常駐しています。 ドクターヘリ通信センターは救急外来に設置され、 出動時は当科医師のMedical controlもしやすくなりました。 救急外来から地上ヘリポートへのアクセスは走って1分以内! まだまだいろいろありますが、この続きは何かの話題に合わせて少しずつ

今年も“ぐんまちゃんバナナ”からご支援を頂きました。

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すでに群馬県内のスーパーで販売を始めて3年目になった“ぐんまちゃんバナナ”は、㈱ドールとぐんまちゃんがコラボした商品で、「ドクターヘリ事業の推進に寄与する目的」で売り上げの一部がドクターヘリ活動に寄附されています。 群馬県高崎市(旧吉井町)には輸入したバナナを完熟させる加工場があり、その縁で群馬県ドクターヘリを支えていただいています。 今年も6月25日に群馬県庁で寄附金受納式が行われ、㈱ドールから659,571円の寄附を頂きました。この受納式には群馬県健康福祉部長、医務課長とともに当院フライトドクター・ナースを代表して小橋医師、萩原看護師が参加しました。 受納式にはぐんまちゃんとともにドールのキャラクターであるスウィーティオも登場し、終始和やかな雰囲気で会が進んだようでした。 この日はとても暑く午前中の出動でバテバテだったフライトドクターが、お土産に頂いたバナナで元気回復・・・午後も気合満タンで要請に応えていました! 改めて多くの方々に支えられていることを心に刻んで、感謝の気持ちを忘れずに1件1件しっかりと活動していきます。これからもご支援のほどよろしくおねがいします。 ☆ぐんまちゃんバナナ販売開始の様子・・・(2016年1月) http://drheli-gunma.blogspot.com/2016/01/blog-post_7.html ☆昨年度の寄附金受納式(2017年5月) http://drheli-gunma.blogspot.com/2017/05/blog-post_26.html

「県央外傷セミナー(JPTECコース)」を受講しました。

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藤井です。今年度より入職し、初投稿となります。 6 月 23 日土曜日、当前橋赤十字病院にて県央外傷セミナー (JPTEC) を受講しましたので報告します。なお、受講前日に丸一日外出して休日を満喫した結果、露骨に日焼けして眠そうに登場してすみませんでした。 外傷といえば、 JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care) が日常の外傷診療としてなじみが深く、コースを受講したことのある救急医や研修医も多いのではないでしょうか。 JPTEC は Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care の略で、普段救急隊が行っている病院前救護に関するセミナーです。そのため受講者は救急隊の方が多めでしたが、医師も数名おりました。 やはり普段現場で活躍されている方は知識も多く、動きもテキパキとしていて、同じ班の救急隊の方からも多くを学ばせていただきました。 JPTEC では、 preventable trauma death を防ぐべく、いかに短時間で必要な評価と処置を行い、決定的な治療を行うことができる病院に搬送するかということを目的としています。救命センターではある程度情報が集まった中で、超音波、画像診断、検体検査、高度な処置等を安全に行うことができますが、病院前では通報者による曖昧な情報しかなく、現場の安全も保障されていません。必要な人材や資源の程度や、安全確認等、傷病者に接触する前の状況評価から必要となります。 また、現場で行える処置は限られていますし、傷病者の初期評価次第で観察項目や手順も臨機応変に変えていかなければなりません。改めて、医師が病院で医療行為に集中することができるのは、救急隊の方が患者を安全に、適切に搬送してくださっているからなのだと実感できました。 また、ドクターヘリ・ドクターカーを行っている施設では救急隊の方同様、医師や看護師も現場活動を行います。当前橋赤十字病院ではそれらを活発に行っており、毎日出動指令が出ています。 現場活動を行うためには、消防の方々との連携や、地域の医療体制の理解も必要となります。 JPTEC ではそれら内容もガイドブックに記載されており、現場活動に対する理解が深まると思います。 病院前救護活動に興味のある方は

新病院にドクターヘリが2機スタンバイ!?

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町田です。 今朝は新病院のヘリポートにドクターヘリが2機とまっていました。 いよいよ群馬県もドクターヘリ2機体制か・・・いいえ、違いますよ~。 ドクターヘリの機体も車と同様に定期的に検査があったり、他基地とのバランスをとったりするために機体入替を時々行います。ちなみに今回は群馬県ドクターヘリ初代機の“ひとまるちゃん(JA6910)”が8ヶ月ぶりに戻ってきました。最近なんとなく群馬の主戦機っぽい“じろうさん(JA6926)”からの引継ぎです。 今までは群馬ヘリポートで行っていたため、ヘリ当番スタッフ以外はなかなかドクターヘリが2機ならんでいるシーンを見る機会がなかったのですが、新病院ではそのようなシーンを多くのスタッフにも見ていただくことができます。 今日は看護学生さんの見学があり、案内していた看護副部長に「なんで2機もあったの?」と聞かれたときに、新病院になってあらためて多くの病院スタッフの方々にもドクターヘリに接する機会がふえることをうれしく感じました。 ちなみに看護学生さんの見学時間前に出動がありましたが、ミッションを完遂し見学時間までに戻れたよかったです。この中から将来のフライトナースが誕生するかもしれませんね。

『第91回日本整形外科学会学術集会』に参加しました。

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佐々木です。 5 月 24 ~ 27 日、神戸で開催された、第 91 回日本整形外科学会学術総会に参加してまいりました。 私は 24 日の日勤後 18 時に出たものの、新幹線の電気系統のトラブルで、神戸のホテルに着いたのは翌朝 6 時でした。さすがに午前の講演には参加できず、午後から参加することとしました。 講演は外傷、脊椎、股関節、膝、腫瘍、骨粗鬆症などそれぞれのテーマごとに会場がわかれていたため、私は外傷の会場で講演をきくことにしました。 外傷については救急科の先生も講演されていました。外傷の各論的な話も大変勉強にはなりましたが、より多く興味をもたれていたのは、整形外科と救急科がどう連携しているか、良い関係ができている病院ではどんなことに気を付けているのか、といったことでした。 連携がうまくいっている病院では、毎日、整形外科、救急科、集中治療科でカンファレンスを開いたり、整形外科医も蘇生処置の一員として率先して関わっている、といったご意見をうかがいました。救急科としては、どの科に対しても言えることですが、相手を尊重してコンサルトすることが強調されていました。 今回の学会で、整形外科、救急科がどうやってより良く連携していくかという課題に対して、他の病院も強い興味を持っていることがわかりました。今後も当科としてもより一層努力していきたいと思います。

新病院での体制vol.2 「群馬県ドクターヘリ」

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町田です。 小橋先生から新病院でのドクターカー体制を紹介してくれましたので、続いて僕からドクターヘリ体制の紹介をします。 まず一言・・・『ドクターヘリの運用は大きく変化なし!』です。 今まで通り119番を受けた消防の通信指令課員や現場に向かう救急隊の判断で、“救急隊現着前にドクターヘリ要請”が原則となっています。そして要請と同時に出動態勢に入り、現場到着とともに初期診療を始める・・・今までとまったく同じです。  大きく変わったことは、『地上ヘリポートでの運用』です。 旧病院の屋上ヘリポートは景色はとてもよかったのですが、夏の高温&冬の強風のために年の半分も屋上に待機できず、また強風の日は病院に直接患者搬送ができなかったデメリットがありました。 しかし新病院の地上ヘリポートは救急外来からとても近く、離陸までの時間短縮、速やかな患者の処置室への搬送につながっています。 また『格納庫&給油施設の整備』により、連続出動への迅速な対応や機体への負担軽減に大きく寄与しています。 そして一番の特徴は『とにかく大きいヘリポート!』です。 新病院の地上ヘリポートはドクターヘリ・防災ヘリが5機に加えて、大型の自衛隊ヘリ(CH-47)が着陸することができます。この大きさの理由は大規模災害が発生した時に、当院で被災地より重症患者を多数受け入れ、当院で治療を加えたうえで直接当院に入院したり、さらにヘリを使って県内各病院と連携していくことを考えています。 でかい!! さらに屋上にもヘリポートを準備してさらに多数のヘリを受入れられようにしています。 とにかく今までの運用よりとてもシンプルでやりやすくなったことは間違いありません。 しかしながら群馬ヘリポートにいく機会がすっかりなくなってしまいましたが、近日に県警ヘリ・防災ヘリ・ドクターヘリ連携ワーキンググループを開催したり、以前行っていた「群馬県ヘリコプター合同勉強会(警察航空隊、防災航空隊、陸上自衛隊、赤十字飛行隊、ドクターヘリおよび関係各消防が参加)」も再開しようと考えています。 群馬ヘリポートの夕日 旧病院屋上ヘリポート 新病院地上ヘリポート

大阪北部で“震度6弱”~2日連続の地震対応~

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町田です。 今朝に大阪北部を中心とした大きな地震により、3名の尊い命が犠牲となり300名を超えるけが人が発生しました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々の1日の早い回復を心から願っております。 昨日は群馬県を震源とする地震では観測史上最大の震度5弱を記録しましたが、被害がほとんどなかったためなのか朝の通勤風景はいつもと変わることはありませんでした。 週初めでいつもより早めに出勤しやや忙しい始業前の時間を送っていたところで、出勤したスタッフから「大阪で震度6弱」という情報が飛び込んでいました! 大阪で“震度6弱”・・・これは日本DMAT自動待機基準(いつでも出動できる準備をしておくこと)に当てはまります。 ただちに当直者とともに情報収集チームではなく「院内災害対策本部」を立ち上げて、情報収集、派遣医療チームの選出・準備を行いました。 地震を体感しなかったため情報入手がやや遅れ、 災害対策本部立ち上げは地震発生から9分後。 初動救護班(DMAT)2チームの決定は33分後。 もちろん群馬県では通常の救急医療が行われているため、日勤のメンバーで災害対策本部に入るメンバーを決定しそれに伴う通常業務の再配置を行いました。 今回は中村センター長が不在(DMAT事務局のある災害医療センターに研修参加中)、町田が院内にいたのでそのまま災害対策本部長となり、副本部長は午前中を小橋先生、午後からは休み返上で駆けつけてくれた中林先生に交代し(小橋先生は予定されていた県内高校教職員への講習会を実施)、看護副部長、災害救急事業課とともに本部運営を行っていました。 災害対応中にややメンバーが減った中で平時の業務を通常通りに行ってくれた当科スタッフ、救急外来スタッフをはじめ多くの院内の皆様に心より感謝いたします。 群馬県庁からのDMAT待機解除の連絡を受けて 17時40分に院内災害対策本部は解散。 まだ大阪府を中心としたDMAT、日赤などの救護班が活動中です。余震などに十分気を付けてけがなどなく安全に活動ができることを祈っています。 尚、当院も院内災害対策本部は解散しました、引き続き本日の当直者を中心に情報収集チームを 残して活動を行っています。 (2018年6月19日17時追記) 残念ながら亡

“震度5弱”~群馬県内震源では最大規模の地震~

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本日午後3時27分頃、群馬県南部(群馬県の住んでいると中東部という感覚ですが)を震源とした地震が発生しました。渋川市で最大震度5弱を記録しましたが、この“震度5弱”という震度は群馬県内を震源とする地震では、大正12年の観測以降最大とのことです。 地震発生直後より群馬県庁には災害対策本部が立ち上がり、当院でも情報収集チームを立ち上げて情報収集などを行いました。 ガラスや瓦屋根の破損の被害報告はあるようですが、21時の時点でこの地震に伴う傷病者は発生していないとのことです。大きな被害が出ていなくて一安心です。 全国の皆様から心配のメールをたくさんいただきありがとうございました。 今回は大きな被害がなかったこともあり、夕方の時点で情報収集チームは解散し通常の救急体制で運用しています。 ちなみに町田はちょうど館林厚生病院で開催中のICLSコースに参加していましたが、短時間の突き上げるような揺れとともに緊急地震速報が鳴り響いたためコース会場が一気に青ざめました。幸い新しい建物の病院であったため特に大きな問題が起こりませんでしたが、会場にいたDMAT隊員何人かで情報収集活動をコースと並行して行っていました。  東毛ICLSコースに参加させていただいていました。 施設に全くのトラブルなく、コースは無事終了しています。 テレビを横目に県の局地災害情報を確認。 EMISから各病院の被害状況を確認。 東日本大震災前まではほとんど地震保険に入る人がいないほど「群馬県は地震がほとんど起こらない」という神話がありましたが、やはりいつどこで地震が起こるかわからないことを痛感し、あらためて様々な災害に対応できるように心構えが必要だと感じました。 帰りに道に「地震の影響による道路の状態にお気を付け下さい」と カーナビからアナウンスがありました。(地図の黄色部分が注意エリア。)

朝倉町に救急病院がやって来た~! (群馬県ドクターヘリ5月度活動実績を更新しました。)

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Web担当の伊藤です。 これまで6月1日前橋赤十字病院移転のお話を医師の視点でしてきましたが、今回は記録係の視点でお話しさせていただきます。 6月1日移転当日まで計2回の大規模な移転リハーサルを行ってきました。 いよいよ本番の6月1日、近隣の方ならお気づきだったと思いますが、移転で使用する旧病院から新病院までの移転ルートには、移転お知らせの看板が立てられていました。 患者さんを乗せる搬送車の前には、白バイやパトカーが先導して旧病院と新病院の間を何往復もしました。当然、普段はあまり見られない光景ですね。 群馬県内の看護学生さんがたくさんお手伝いに 来てくださいました。本当にありがたいことです。 搬送に関わるスタッフは、朝7時の集合でした。当日は看護学校の学生さんがたくさんお手伝いに来てくださったので、筆者はその受付のために、6時45分の出勤でした(^.^;;) 集合が早い当院のスタッフたち。 日頃のチーム医療の賜物です。 搬送スタッフはチーム毎に分かれていました。主に移送本部、搬送担当、受入口担当などです。それぞれがゼッケンをつけて、役割がわかるようになっていました。  旧病院と新病院の移送本部スタッフの話し合いはテレビカメラで行っていました。 カメラの前にいると誰でも写り込んでしまうので、ぼんやりした顔をしているのがすぐにバレてしまいます。 新病院本部統括担当の藤塚副部長です。前回の記事の写真はご本人が撮影されていたので、その活躍するお姿は写っていませんでしたが、筆者は、きちんと撮影しました。何があっても慌てることなく、しっかりと大事業をやり遂げていました。 患者さんの到着を待ちわびる搬送担当の 初期研修医たち。 特別な経験ができたと 笑顔で答える姿に 頼もしさを感じました。 今回の搬送を成功に導いたのは何より搬送現場のスタッフだったのではないかと思います。患者さんが運ばれるたびに受入口から病棟まで何往復もしていた搬送スタッフの方々。きっと最後は足が棒になっていたに違いありません。 受入担当の脳外科藤巻部長と呼内土屋副部長。 真剣な表情が印象的です。 また、普段は診療に専