「JTASプロバイダーコース」に参加しました。

集中治療科・救急科の丸山です。
平成30年3月11日に開催されました「JTASプロバイダーコース」に参加しました。
 
JTASとは緊急度判定支援システムと呼ばれ、様々な緊急度の患者さんがいる現場において緊急度によって優先順位を決める「トリアージ」を支援するシステムです。
例えば当院の救急外来では風邪を引いた若い方から心筋梗塞で胸痛が出現した高齢の方まで様々な方々が複数同時に受診されます。そんなときこのトリアージで胸痛の患者さんを先に診察することでより緊急である患者さんを助けることができます。
 
当院ではトリアージナースと呼ばれる資格を持った看護師がこの役を担ってくださっています。本来このコースはトリアージナースを目指す看護師の方のためのものですが、トリアージされた患者さんを診察する救急医としてその仕組みと役割を正しく理解したいと思い参加を決意しました。
 
 
まず印象的だったのは開会の挨拶での中村センター長のお話で「トリアージを行う現場は実は4つあります」というものでした。
今回の舞台である病院はもちろん、救急車で運ばれるまでにまず「家族」が救急車を呼ぶほどの重大かをトリアージして、次に119で電話が繋がった電話口の「消防」の方がそれが救急車を出動させるのか、はたまたドクターヘリなどより迅速な医療介入をようするものなのかトリアージして、そして迎えに来た「救急隊」がそれをどの病院に運べばこの患者さんを助けることができるか重症度や緊急度をトリアージして、最後に「病院」で私たちがトリアージをして診察に移るというのです。
 
そう考えると、今回のJTASプロバイダーコースはトリアージナースの勉強であると同時に、特に医療現場においては目の前の患者さんがどれほど危ない状態にあるのか、どのくらい素早く対処しなくてはならないのか知り、そして感じるための良い訓練であったと思います。実際に数人のグループで全60症例をトリアージしてみてこのことを実感しました。
 
 
本コースで得た感覚・知識はまさに救急・災害現場での初療において大変有意義なものであり明日からの臨床に生かしていきたいと感じております。
また、医療関係者の方は救急外来に携わらない方でもこの考え方は大変役立つものと思いますので、是非参加をご検討いただければと思います。

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