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2月, 2018の投稿を表示しています

群馬県の「PSLSコース」受講数は全国1位です!

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小橋です。 2/6 に前橋市消防局で開催された「前橋 PSLS コース」の講師として参加してきました PSLS とは Prehospital Stroke Life Support (脳卒中病院前救護)の略で、救急隊員による脳卒中の観察・処置の標準化を学ぶコースです。 ISLS ( Immediate Stroke Life Support )の病院前版コースといった感じです。 脳卒中、特に脳梗塞の治療は時間との勝負です。以下に示すように、 ”8 D’s of stroke care” と呼ばれる一連に流れに乗ることが重要とされています。 1. Detection :脳卒中症状に対する早期の認知 2. Dispatch :救急車の早期出場、早期現場派遣 3. Delivery :迅速な現場対応と医療機関への搬送 4. Door :脳卒中センターにおける適切な重症度判定 5. Data :迅速な評価と初期治療 6. Decision :適切な治療の選択 7. Drug/Device :薬剤投与 / 血栓回収術 8. Disposition :脳卒中専門病床への迅速な入院 このうち、 2 ~ 3 が PSLS で学ぶ部分、 4 ~ 6 が ISLS で学ぶ部分となっています。 今回のコースでは、消防隊員、救命救急士、病院看護師に参加いただき、意識障害の評価方法について、脳卒中らしさを評価する CPSS について、脳卒中(特に脳梗塞)の重症度を評価する KPSS について学んでもらった後に、実際に模擬患者に対して評価をしてもらいました。最後にシナリオを通して脳卒中の発症から病院搬送までの流れを経験してもらいました。 群馬県の PSLS コースは 2017 年 3 月までに 1869 名の受講があり、全国 1 位となっています。このようなシミュレーション教育の機会を増やし、実際の診療・観察に役立ててもらえばと思います。

さまざまな「勉強会」をやっています!~“若手災害勉強会”~

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藤塚です 当科では色々勉強会をしています。今回はその一つを紹介します ・災害勉強会 今回は若手向きということで、リラックスし、意見も活発にできるよう食事を交えながら・・・ 藤塚が、『様々な救護班の仕組みと群馬県の対応』 について講義。 その後、内海先生に『災害通報があったら、どう動く?』というお題でシミュレーション。 いつもより真面目に聞いてもらっています! 当院は基幹災害病院です。群馬県において、災害対応に関しては中心に動かなくてはいけません。情報収集チームを立ち上げ、対策本部を立ち上げるか、救護班要請をするか、実際に検討します。そのような流れと対応を一緒にディスカッションし、学べたと思います。 「当院における災害情報入手からの流れ」 草津白根山噴火災害対応においては、 ・入手から1分で情報取集チーム立ち上げ ・入手から4分で院内災害対策本部設置 ・入手から24分で初動救護班(DMAT)出動 これからも色々な形で、様々なことを後輩たちに伝えていきたいと思います。  実際の対応をどうすればよいか真剣に考え中・・・

“災害時小児周産期リエゾン”を知っていますか?~「コウノドリ」にも登場!~

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町田です。 先週末に災害医療センターで開催された「平成29年度災害時小児周産期リエゾン養成研修」に、中村センター長とともに講師として参加させていただいました。   “災害時小児周産期リエゾン”という名称を聞いたことがあるでしょうか? 現在は大規模災害が発生した際に、被災県の都道府県庁では災害医療コーディネーターを中心に集まったDMAT、日赤など各医療チームが被災地の病院支援や医療搬送を展開しています。 今までも多くの災害対応を乗り越えてこのような仕組みはだいぶ整ってきていますが、どうしても小児や周産期についてはその専門性や特殊性により思うように支援が入れられないことがありました。   その際に調整役として都道府県庁に設置された医療対策本部に、小児周産期に関わる相談に乗って調整をしていただけるコーディネーターがいるととても心強く感じますよね。 その役割を担っていただくのが“災害時小児周産期リエゾン”になります。 あの話題の「コウノドリ」にもすでに登場しているのですよ!! このリエゾンを養成するための研修が昨年度より開催されており、各都道府県で災害時にリーダーシップを発揮していただくべく小児科・産婦人科の先生方を中心に研修会に参加していただいています。 僕は小児科・産婦人科の専門ではありませんが、災害医療における基本的に仕組みや医療搬送などのことを伝えることにお手伝いする形で参加させていただきました。 研修プログラム 研修中には何回かテーブルディスカッションがありましたが、いつも災害研修とはまた違った小児周産期領域の特殊性を感じたり、実はこの領域に平時より存在している素晴らしいネットワークがあることを知りました。 平時に救急医療に関わっているDMAT隊員養成研修や日赤救護班研修の講師の皆様もぜひ知っておくべき話題があふれており、講師という立場で参加しましたが逆に僕自身も多くの学びを得ることができました。  センター長と僕は厚労科研費研究の中の小児周産期リエゾンに関わる研究班のメンバーにも入らせていただいており、災害時にさらにおりよい活動ができるように平時の救急医療から小児周産期領域との連携を強化していきたいと考えています。

草津白根山(本白根山)噴火から1か月が過ぎました。

今年1月23日に発生した草津白根山(本白根山)の噴火災害から昨日で約1か月がたちました。 12名の負傷者が発生し、うち1名の尊い命が失われました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々の1日も早い回復を願っております。 群馬県は温泉天国と言われるほど良質な温泉地がたくさんありますが、まさにそれは自然からの贈り物であり、このような火山と隣り合わせに生きていることをあらためて感じさせることでした。 尚、本白根山と草津温泉街は5キロメートル以上、万座温泉地区は3.2キロメートル離れており、現在のところ被害やその他の影響はございません。入浴、宿泊、食事などの各施設は通常通り営業しております。尚、周辺の観光情報の詳細については、各ホームページでご確認いただくか、直接お問い合わせください。 (群馬県ホームページより引用 http://www.pref.gunma.jp/01/g35g_00027.html ) 本災害対応では、群馬県からの自衛隊派遣要請、消防・警察・医療の協働、そしてスキーパトロールの皆様の現場での活躍がありました。やはり自然災害には他機関の連携が必須です。 今週群馬県庁で行われた図上訓練でも他職種間の連携を意識した活動が行われ、明日も局地災害対応をメインとした災害研修会が開催されます。また来週の信州ドクターヘリ事後検証会議、群馬県ドクターヘリ症例検討会でも活動報告をさせていただく予定です。 今回の災害対応を経験して、やはり噴火災害に対する訓練や準備が足りなかったことを痛感しました。群馬県にはいまも山頂から噴煙をあげている浅間山もあり、ほかにもいくつも火山があります。噴火の怖さを知りつつ火山の恵みに潤わされている当県にとって、やはり大規模な噴火災害対応訓練を早急に考えないといけません。

「平成29年度群馬県国民保護共同図上訓練(@群馬県庁)」に参加しました。

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小橋です。 2/15 に群馬県庁で行われた「平成 29 年度群馬県国民保護共同図上訓練」に参加してきたので報告いたします。 本訓練は「国民保護法に定める緊急対処事態が発生もしくは発生する危険が切迫していると認められる事態を想定し、『国民の保護に関する群馬県計画』に基づいた緊急対処事態本部などの設置、関係機関からの情報収集及び警報の発令や避難の指示などの国民保護の手順の確認・検証を行い、県をはじめとする各機関の国民保護事案への対処能力の向上を図る」目的で行われました。要は爆弾テロ、化学剤テロが発生したときに県として国、それぞれの市町村とどのように連携をとって活動していくかを訓練で確認しましょう、といった感じです。 この訓練、内閣官房、総務省消防庁、陸上自衛隊第 12 旅団、自衛隊群馬地方協力支部、県警察本部、前橋市消防局、日本赤十字社群馬県支部、群馬 DMAT 、前橋市県庁職員が参加するというかなり大きいスケールの訓練で、プレイヤー(訓練を実際に行う人) 150 人、コントローラー(訓練の進行を調整する人) 50 人くらいが参加しました。 * ちなみに、国民保護法とは何かを知らない方のために… →国民保護法は、正式には「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」といい、武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等に及ぼす影響を最小にするための、国・地方公共団体等の責務、避難・救援・武力攻撃災害への対処等の措置が規定されています。 (内閣官房ホームページより) 今回は群馬県内の某イベント会場で何らかの薬品?毒物?が散布されて多数の死傷者が発生、その後、現場付近から爆発物が発見され、国民保護における緊急対処事態の認定を受け、周辺地域の住民などの避難措置をとる、といったシナリオで訓練を行いました。 その中で私たち医療班は「群馬県災害医療コーディネーター」 兼 「日本赤十字社群馬県支部」 兼 「群馬 DMAT 」 として県庁健康福祉部、群馬県消防長会と連携しながら医療活動を行いました。 訓練の詳細は割愛しますが、このようなテロ災害において、医療班の役割はとても重要です。化学剤によるテロでは除染を行う必要がありますが、除染可能な病院は限られており、その中でどの病院がどれだけの収容能力があるか