『第12回日本病院前救急診療医学会』に参加しました。

小橋です。
128日に東京・品川で開催された「第12 日本病院前救急診療医学会」に参加しました。
「病院前救急診療医学の進歩を図り、病院前救急診療医学の普及に貢献することを目的とする」学会なのですが、ドクターヘリ運用については航空医療学会、ドクターカーの運用を討議するのが本学会、といった感じでしょうか。
 
今回は初めて看護師からの演題募集をかけたこともあり、看護師の参加者も例年に比べてとても多かった感じがします。看護師がシンポジストとして口演するセッションもあり、当院のドクターヘリリーダー看護師である城田看護師も参加していました。
また、今回は教育講演で工学系の先生による「オペレーションズ・リサーチによる医療資源の有効活用」という講演がありました。これは最大カバー問題(施設から一定距離以内に居住する利用者の総数を最大化する施設の配置方法を決める問題)を解くことによって、医療資源をどのように配置するのが適切なのか数理的に解決するというもので、数学好きな自分にとってはとても興味深い内容でした。


私はここ3年間口演をさせてもらっているのですが、今回はパネルディスカッション「ドクターヘリとドクターカーの使い分けはどうあるべきか~効果的な早期医療介入の実現に向けて~」という演題で口演を行いました。

当院はドクターヘリとドクターカー双方の基地病院ですが、ドクターヘリは基地病院から近距離の範囲ではかえって早期医療介入の妨げになる可能性があります(着陸する場所の安全確保に時間がかかる、救急隊がヘリの着陸点に到着するまでに時間がかかるため)。
その点、ドクターカーは場所を選ばずに傷病者に接触できるため、基地病院から近距離ではドクターヘリよりも早期医療介入に優れています。今回、自分の検討で前橋市では当院から8-9kmを境にヘリとカーを使い分けると効果的に早期医療介入ができることがデータで示されました。


ドクターカーの運用方法は地域や病院によって様々ですが、本格的にドクターカーを運用している病院は日本全国でもそれほど多くありません。また、ドクターカーを適切に運用していても、搬送先病院の医療体制が整っていなければ意味がありません。
ドクターカーを適切に運用し、搬送先病院で滞りのない医療が行われることで、傷病者にとって良い結果が生まれるのではないかと思います。

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