“ヘリで近くて車で遠い最後の観光スポット”~榛名湖周囲での早期医療介入に向けて~

町田です。
群馬県は海なし県ですが、群馬県の中心都市である前橋、高崎はそれぞれ赤城大沼・小沼、榛名湖という湖沼の観光地を抱えています。ともに赤城山、榛名山といういくつかの山々が集まった山頂付近にあり、周遊道路や温泉などがある観光スポットになっています。

観光スポットであるからこそある一定の割合で事故や急病人が発生し、救急車が出動しなくてはいけない状況が起こります。
この2ヶ所ともにドクターヘリでは10分弱で湖沼上空へ到達することができますが、群馬県ドクターヘリ運航要領ではドクターヘリ着陸のためには消防職員による安全確保が条件となっており、この2ヶ所ともにふもとの消防署から安全確保に向かっても30分以上かかる場所のため運航開始当時から早期医療接触ができない状況が続いていました。
群馬には“ヘリで近くて車で遠い観光スポット”がたくさんありました・・・

その悔しい思いは2年にもブログ(http://drheli-gunma.blogspot.jp/2015/11/blog-post_26.html)で書かせていただきましたが、そこはじっと黙っている群馬県ではありません!
群馬県では、県が定めた「消防職員以外の者によるランデブーポイントの安全確保講習会」を受講した方々の安全確保でランデブーポイントにドクターヘリが着陸できる制度があります。
いままでに県内各地で多くの方に受講していただき、消防によるランデブーポイントの安全確保に時間がかかる地域でもドクターヘリが着陸し傷病者への医療介入が早まる可能性が高くなってきました。
消防職員以外の者によるランデブーポイント安全確保が可能な主な地域

そして運航当初からずっと願い続けてきた赤城山、榛名湖周囲については、まず2年前に赤城山大洞地区住民の皆様、前橋市役所の関係者のご協力を頂き赤城山周囲はクリアしました。そして先日、救急医療の早期提供ができなかった最後の観光地ともいえる榛名湖周囲でこの講習会を開催することができました。
新緑・紅葉、冬のワカサギ釣りと
榛名湖は風光明媚の観光地です。
榛名湖近くの旅館ロビーを使わせていただき、
講習会の座学を行いました。
座学の後は実技訓練を実際に使用する
ランデブーポイントで行いました。

この講習会を開催するにあたっては、榛名湖地域の地区会長様・住民の皆様、高崎市役所の関係者の方々の多大なるご理解とご協力を頂き心より感謝いたします。
この地域がこの講習会により最速で30分以上の救急医による早期医療介入が短縮されます。もちろんこのことは安全な観光地としての観光客の安全と安心のアピールとなるとともに、それ以上にこの地域の方々のいのちを守るためにお役にたてれば幸いだと感じています。


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