“うまい飯”と“適度の運動”!~「TNT-C勉強会」を開催しています。~

1か月ぶりの小橋です。
今回は、私が院内で講師を務めさせていただいている、TNT-C勉強会について、お伝えしようと思います。


このブログを読んでいる方々は、「TNT」と聞くと爆薬であるトリニトロトルエン(trinitrotoluene)を思い浮かべる方が99.9%だと思いますが違います。
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TNT(Total nutrition therapy)は、臨床栄養法を普及させるための独創的な教育プログラムとして開発されました。 Global standardとして、世界各国の医師を対象としたプログラムであり、国内でも日本静脈経腸栄養学会の主催で展開されています。 TNTは、19966月にシカゴにおいてTNTの全世界への展開が開始され、日本もこのプロジェクトに参加しました。 TNTは、日本静脈経腸栄養学会認定資格である「NST稼働施設」における教育施設の認定を受けるための必須項目の一つとなっています。
TNTの目的は、臨床栄養学の知識・技能を卒後教育として実施し、高水準の栄養サポートを患者個々の病態に則して行うことにより、わが国における医療の質の向上に寄与することです。
また、メディカルスタッフと共に、実際の栄養管理を行う際に、中心的役割を果たす事ができる臨床栄養の基礎を習得した医師を養成することが目的となっています。
 (日本静脈経腸栄養学会ホームページより)
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前置きが長くなりましたが、TNT-Cは、Total Nutrition Therapy-Clinical case supportTNT修了医師によるコメディカル向け臨床栄養教育プログラム)のことで、簡単に言えば、メディカルスタッフ向けの栄養療法の勉強会です。



当院は、NST(Nutrition support team)の活動がとても盛んです。
入院患者さんの栄養状態を評価し、多職種で最適な栄養管理を提供できるよう努めていますが、そのほかにもNST会議やランチカンファレンスなどを定期的に行っています。

NST活動の一環として、当院では年に4回、若手向けの栄養療法の勉強会としてTNT-Cが開催されていますが、30人近くのメディカルスタッフの方々に参加いただき、「脳血管疾患のある患者さんの栄養療法」「褥瘡患者の栄養療法」「慢性呼吸器疾患を持つ方の栄養療法」など、様々なテーマについて、それぞれの病態から、それにあわせた栄養療法の注意点などについて話をさせてもらっています。


人間は食べたもので作られています。
私が関わっている集中治療領域ではもともと栄養状態の悪い患者さんや、治療の過程でどんどん栄養状態が悪化していく患者さんが多いため、そのような方々に対してどのようにアプローチするかを検討していく必要があります。

病院というと、とかく「治療」が表に出てきますが、それと同じくらい重要なのが「うまい飯と適度な運動」ではないでしょうか。
疾患が治癒しても栄養状態が悪く、筋肉が衰えた状態で退院するよりも、疾患の治療と同時に、適切な運動(リハビリ)、適切な食事療法を行うことで、退院後の生活が少しでも良い状態になるようにしたいものです。

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