地域の境と機関の壁を取っ払え!~ヘリとカーの共存時代へ~

町田です。
桜が一気に咲いたと思ったら、今日の強風でだいぶ花弁が舞っていました。先日の空からはきれいな桜並木が見えましたが、明日空から見た景色はどうなっているでしょうか?もう少し桜を楽しませてほしいですね!
前橋市内の桃の木川沿いの桜並木(4/12撮影)
 
一昨日、昨日と前橋ドクターカー、群馬県ドクターヘリの活動実績を報告しました。
ドクターヘリは要請数・出動数ともに減少傾向にありますが、その背景には群馬県内のドクターカー活動の活性化があげられます。以前より前橋市内はドクターヘリ出動が多かったのですが、ドクターカーがヘリと同時待機体制ができるようになり、カーで出動する割合が増えていることが大きな影響があります。また高崎総合医療センターが保有する高崎ドクターカーの出動数も年々増加傾向にあり、2016年度においては「ドクターヘリ+防災ヘリドクターヘリ的運用:801件、「前橋ドクターカー+高崎ドクターカー:799件」と、ヘリとカーがほぼ同数で合わせて1600件の出動がありました。
以前の群馬県の病院前診療はヘリが独占していました。しかしドクターカーとの併存がはじまり、そして今はヘリとカーの共存時代になっています。
患者さんにとっては医療チームがヘリで来ようとカーで来ようと関係ありません。大切なことはどの機関が出動しても病院前で高いレベルの初期診療を提供できることです。
群馬県では群馬県ドクターヘリ、群馬県防災ヘリドクターヘリ的運用、前橋ドクターカー、高崎ドクターカーが協力して分け隔てない活動ができるように、これからもさらに連携を深めていきます。


ランデブーポイントで活動中のドクターヘリを横目に
防災ヘリドクターヘリ的運用で重複要請に対応。
防災航空隊との連携はばっちりです!

 また隣県とも協力体制を構築してきており、現時点で群馬県内消防からは、上記の4つのドクターヘリ、防災ヘリ(ドクターヘリ的運用)、ドクターカーに加えて、栃木県ドクターヘリ、埼玉県ドクターヘリ、信州ドクターヘリ佐久、足利ドクターカーが広域連携や各運行要領に則って要請することができます。
群馬県ドクターヘリも栃木県、埼玉県の一部に広域連携で出動可能であり、長野県、新潟県にも運航要領上では条件が合えば出動可能です。

実際に重複要請や天候不良などで群馬県ドクターヘリ未出動時に補完していていただいております。
今年度もすでに10件の未出動に対して6件補完(防災ヘリドクターヘリ的運用4件、埼玉県ドクターヘリ1件、前橋ドクターカー1件)しており、さらに群馬県ドクターヘリも埼玉県に3件出動しています。
 
医療には地図上に描かれている境界はありません。その時その患者さんにとって最も最速で医療を提供できる手段がもっともっと増えるよう、さらに周辺県との連携も深めていきたいと考えています。
新潟県は2機目のドクターヘリ導入に伴い、広域連携の話し合いを加速していくことになっています。長野県とは県境で何度も大きな事故が起こっていることもあり、そろそろ県同士の連携に関して動いてもらわないと困ります。さっそく2月につづいて今月の信州ドクターヘリ事後検証会議にも参加する予定です!



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