2016年1月31日日曜日

災害時ドクターヘリ運用調整するスタッフ育成中!~『平成27年度関東ブロックDMAT訓練』参加報告~

町田です。
1月30,31日に開催された『平成27年度関東ブロックDMAT訓練』に参加しました。
昨年度は群馬県で開催されましたが、今年度はなんと首都東京での開催でした!雪の予報もあり訓練中止も心配しましたが、東京都および関東6県より全122機関、655名が本訓練に集まり、群馬県からは6病院よりDMAT 9チームが参加しました。

前橋赤十字病院初動救護班(DMAT)は3チームで、ドクターヘリ運航調整に関わるミッションに従事しています。
・ドクターヘリ調整部(東京都庁内):町田(本部長)、稲益CS、田崎CS
・ドクターヘリ本部(立川基地隣):小林医師(本部長)、志水看護師長、石田看護師、木村看護師、内林業務調整員、立石CS、山本CS
・ドクターヘリ:藤塚医師、萩原看護師・・・雨天のため仮想搬送に変更

今回の訓練は「東京都多摩地区医療活動訓練」と合わせて行われ、「東京都災害時医療救護活動ガイドライン」に沿った災害時の指揮命令系統にDMAT活動がいかにリンクして協働できるかが大切なポイントとなっていました。
僕自身は千葉北総チームと合同で東京都庁内に設置された東京都DMAT調整本部に入り、東京都災害医療コーディネーター&東京都DMAT調整本部長である東京医科歯科大学 大友先生のもとで、ドクターヘリ調整部本部長として傷病者の航空搬送に関わる調整を行っていました。


僕の仕事はDMAT調整本部にあがってくる傷病者搬送ニーズで航空搬送が必要なものに対して、自衛隊リエゾン(実際に来ていただけました)、消防・警察・海上保安庁リエゾン(今回は訓練コントローラーが代理)の方々と相談して使用するヘリを決定し、そのフライトプランを作成し運航調整するミッションでした。もちろん航空搬送するために必要なヘリポートの確保、燃料の確保に関する調整も行います。また空路搬送のみならず調整本部の搬送担当者である東京医科歯科大学の世良先生(JATECで同じブースで顔見知り!)と何度も打ち合わせをして、陸路搬送もあわせて調整を行いました。
ドクターヘリ調整部の様子!
(Photo by Dr.Piyatida Kalayanamitra. Thanks!)

ドクターヘリでのミッションが決まった事案に関しては、ドクターヘリ調整部からドクターヘリ本部に指令をおろし、ドクターヘリ本部で実際にドクターヘリのフライトプランの作成および運航に関わる調整(搬送元・先病院と連絡など)を行います。
いままで災害訓練におけるドクターヘリ調整に関しては、中村センター長、宮崎部長、高橋副センター長、町田が行ってきましたが、ここ数回の訓練では藤塚先生に、そして今回は小林先生に担当してもらいました。
小林先生は現在フライトドクター独り立ちに向けて研修中ではありますが、普段からドクターヘリホットラインが鳴るとCS室に駆けつけて、「どのような事案?」「受け入れ可能か?」「重複要請時のセカンドドクターの確保は?」などMedical Controlを率先して行っており、その姿勢に期待しての今回の本部長の任命でした。

今回の訓練の詳細な結果は本ブログでは割愛させていただきますが、ドクターヘリ調整部からの指令に対してチームメンバー、CSと協力してドクターヘリのフライトプランを組んでいただいたようです。今回はあいにくの雨で実機搬送は行えず仮想搬送のみでしたが、実際に給油時間を計算したり、搬送元・先病院のヘリポートが1個しかない状況で複数機を安全に飛行させるための調整など、かなり本当に飛行できた場合を考えていました。

平時の救急医療からつねにこのような意識を持っていないと災害時に対応はできません。だからこそヘリ当番ではなくても普段からMedical Controlを意識してヘリ活動に関わってくれるスタッフには、このようなチャンスを優先して提供したいと思います。また今回のような訓練で得たことを平時の対応にも生かして、1日もはやいフライトドクターデビューにつなげていってほしいです。
小林先生、お疲れ様でした!(訓練終了後の懇親会にて)

ちなみに僕個人としてはDMAT訓練において5回目のドクターヘリ調整部/本部での参加でしたが、松山、宮崎、前橋、立川、新宿すべて雨にたたられています・・・(涙雨)
訓練企画・運営に携わった都庁関係者、都災害医療コーディネート関係者、DMATコントローラーの皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

2016年1月30日土曜日

群馬大学医学部生の実習が始まりました!

町田です。
毎年1月から約半年間、当院集中治療科・救急科では群馬大学医学部5年生(1-3月),6年生(4-7月)の病院実習を受け入れています。2週間で2名ずつ、最大13組26名(計26週間)の医学部生が、1名当たり2週間にわたって救急外来での初療、集中治療室での重症管理を、おもに当科ローテーション中の初期研修医や後期研修医とともに学んでいただいています。

せっかく当院に来ていただいているので、実習の2週間のうちにドクターヘリ見学や災害医療のレクチャーなども行っています。
当院での病院実習ならではのワンシーンです!
また2週間の実習中に救急外来と集中治療室で一緒に当直をしていただき、重症患者さんの初期診療がどのように行われ、その患者さんを集中治療室がどのように引き継いでいるかを実感していただき、ドクターヘリのレクチャーを含めて重症患者さんの診療が病院前から救急外来、集中治療室までシームレスにつながっていることを医学生の時から意識づけています。

やはり他病院の救命センターに出向いている学生さんだけあって、とうちょく実習中は我々と同様に朝まで一睡もすることなくひっきりなしに救急車で搬送されている患者さん、夜中にも集中治療室に入室する患者さん、そして24時間問わずに傷病者のために治療を行っているスタッフのとともに学生としてできることを考えながらがんばっていました!



将来医師として働くようになった時に、ここでの経験が何かに役立っていただくことを願うとともに、もし一緒に働く機会があればこんなにうれしいことはありません。

2016年1月28日木曜日

地域連携学術講演会の順延開催のお知らせ。~名古屋大学 松田先生ご講演~

1月20日に大雪の影響で中止となった当院で第85回地域連携学術講演会ですが、このたび順延開催が決定しました。

☆第85回地域連携学術講演会☆
・日時:平成28年2月17日(水) 19時受付、19時30分開会
・会場:前橋赤十字病院 博愛館
・特別講演
『救急領域における循環管理(仮)』
松田 直之 先生(名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野教授)

とてもご多忙な日々の中でこの講演会のために再度日程調整をしていただいた名古屋大学の松田先生に心より感謝いたします。


尚、2月25日の第89回地域連携学術講演会では、東京女子医科大学 麻酔科准教授の小谷 透 先生にご講演いただく予定となっております。
本学術講演会では様々な分野のエキスパートの先生をお招きして貴重なお話をいただいておりますが、救急・集中治療医療、災害医療、病院前医療の分野においても引き続き全国の先生方にお声がけさせて頂こうと考えております。

2016年1月26日火曜日

『JA6917』がやってきました!~今月3機目のBK117C-2~

町田です。
当直明けに屋上ヘリポートに上がってみると、空気はきりっと冷え切っていますがきれいな青空が広がっており、また遠くの山々が先日の雪の影響で白く染まっていました。目が覚めるような景色です!


消防無線が今年5月31日から完全デジタル化されます。このデジタル化は総務省からのお達しであり群馬県ではすでに平時の消防・救急事案に関してはデジタル無線で対応しています。
しかしながらドクターヘリに搭載されている無線はアナログ無線であり、この総務省によるデジタル化を追いかけるようにドクターヘリも機体の無線をデジタル仕様へ変更しなくてはいけません。

もちろん機体の無線の交換にはある程度の整備の日時が必要です。もちろん整備期間中にドクターヘリが運休にならないように運航会社の努力で何とか機体のやりくりをしていただいております。
ちなみにドクターヘリは厚労省の管轄であり、正直この無線変更に関してもう少し2つの省庁が連携して動いてほしいと感じました。


そんなこんなで1月8日から群馬県でドクターヘリデビューを果たしたJA6916ですが、1月25日で今回の群馬での活動を終了し茨城に移動となりました。
その代わりに1月26日から『JA6917』が群馬の空を飛んでいます。JA6916と同様に機種はBK117C-2で「お鼻」があります!

今月だけでJA6910→JA6916→JA6917と3機体目ですが、どの機体になってもかわらず「1秒でもはやく傷病者のもとに向かう姿勢」を貫いて、皆様の安全をこれからも守り続けて行きます!


2016年1月25日月曜日

今年も多くの皆様にお集まりいただきました。~第6回JATEC前橋コース開催報告~

強烈な寒気や冬型の気圧配置により全国で大荒れの天気が続いています。群馬は週末の雪は免れましたが、痛いくらいの北風が吹きつけています。皆様、安全第一で行動のほどよろしくお願いします。特に雪に慣れてない地方の夏タイヤでの車の運転は、大事故のもとや緊急車両の搬送の障害になるため絶対におやめ下さい。


1月23,24日の2日間にわたり前橋赤十字病院 博愛館&教育研修推進センター(旧・看護学校)で、『第6回JATEC前橋コース』が開催されました。全国からたくさんのインストラクターの先生方に集まっていただき、今年も盛況にコースを開催することができました。心より感謝いたします。

 ☆JATECコースの詳細は ⇒ http://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html


今回のコースでは、群馬県内から13名のインストラクター(CD,CMD含む)に参加していただきましたが、当科からも4人のインストラクターに加えて以前当科で一緒に働いた仲間であるは畠山先生(みなと赤十字)、戸田先生(日赤医療センター)も駆けつけてくれました。
毎回恒例で受講生へのデモンストレーションはチーム群馬で行いました。今回は藤塚先生をリーダー医師として当科OBである畠山先生(3年連続!)&戸田先生のサポート、そして群馬大学の青木先生にもご協力していただき、受講生にしっかりとした診療を魅せる見事なデモンストレーションを見せていただきました。

左から、青木先生、戸田先生、藤塚先生、畠山先生。
ありがとうございました!

また今回も県内各病院・消防よりタスクとして参加していただいた看護師、救急救命士の皆様にも、2日間朝早くからコース終了後の片づけまで、受講生がコースに集中して臨めるようにコース運営にたくさんのご協力を頂きました。また週末を本コースの運営のためにつぎ込んでいただいた当院社会課の今井さん、JTCR事務局の方々に感謝いたします。

受講生の中には、いつも外傷患者さんに対して専門医として対応していただいている各科の先生方が「初期対応の知識も習得して今後の治療により役立てたい」という思いで参加して下さっていらっしゃる方もおり、今後の外傷診療について救急科と各専門科の連携がより強まることを感じました。


そしてこれも毎回恒例である1日目終了後の懇親会にも多くの方々に集まっていただき、インストラクター、受講生、そしてタスクで参加していただいたスタッフと交流を深め、貴重な情報交換の時間となりました。


当科には中野院長を含めて現在JATECインストラクターが8人在籍しています(うちインストラクタートレーナー3人)。平時の診療からも当科で一緒に働いてくれる若い先生方、専門科の先生方にも多くのことを伝えていけるように、これからもインストラクター自身も全国の先生方を見習ってさらにスキルアップをして行こうと考えております。

2016年1月23日土曜日

ECMO研修 in Stockholm の報告・・・続き。

原澤です.
前回『Euro ELSO Adult ECMO for Respiratory Failure & Septic Shock”』 の参加報告をさせていただきました。

ちなみにECMOに関する当院の取り組みについては、鈴木先生が以前にブログでも紹介していますのでご参照ください。
☆ECMO治療の病院間連携
 ⇒ http://drheli-gunma.blogspot.jp/2014/03/ecmo.html
☆ECMO研修 in スウェーデン(vol.1~3)
 ⇒ http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol1.html
    http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol2.html (ECMOの解説あり)
    http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol3.html


今回はせっかくの海外なのでスウェーデンについての印象を書かせていただきます。

コース以外で驚いたというか実感したことは,スウェーデンの人たちがとても親切だったことですね!
カタコトの英語しか喋れない私たちに対しても嫌な顔ひとつせずに応対してくれたり,道を尋ねると通りすがりのひとがにこやかに教えてくれたり,ついでにこっち行ってみたらどうとかの観光アドバイスをしてくれたりと,ちょっとびっくりしました.
なんというか,皆さん心に余裕があるような印象を受けました.北欧諸国はみんなこんな感じなのでしょうか.物価はやや高いですが,とても良いところだと思いますので,是非遊びに行ってみてください!

私も時間をとって北欧巡りをしたいと思うくらいでした.時間(休み)がとれるかどうかとはまた別の話ですが
スウェーデン観光局ホームページ
http://www.visitsweden.com/sweden/

 
 
最後になりますが,現在は当科の小倉先生が海外へECMO関連の研修のための留学をしているところです.私が受けたよりもさらに大きなものを持って帰ってきてくれるものと期待しています.
小倉先生だけでなく,国内での研修に星野先生が参加してきてくれるなど,他のスタッフの経験値も着実に増えています.皆が様々な経験をし,それを持ち寄って束ねていくことで,施設のレベルが上がっていくよう,患者さんの治療がよりうまくいくよう,これからも尽力していきます.

2016年1月21日木曜日

Euro ELSO “Adult ECMO for Respiratory Failure & Septic Shock” (in Stockholm) 参加報告。

ご無沙汰しております.救急科 原澤 です.
だいぶ遅くなってしまいましたが,先日(105日〜8日),海外での研修(トレーニングコース)に参加して参りましたので,簡単ですがご報告いたします.
(写真の患者さんは実物の人間ではありません・・・ご安心を!)

ECMO; Extracorporeal Membrane Oxygenation(体外式膜型人工肺)とは?

すでに何度かブログにも登場しているかと思いますが,ざっくり解説すると,呼吸状態が非常に悪い患者さんに対して,通常の治療(呼吸不全であれば,人工呼吸器を用いた管理など)では対応しきれない,つまり生命の維持ができない,という状況に対して,大量の血液を体外の回路に取り出し,人工肺と呼ばれるものを通すことで酸素を血液中に供給し,それを体内に戻すことで,生命維持をしようという発想のものです.

この治療自体は比較的古く(1950年代)から行われてはいたのですが,様々な要因で,なかなか普及していませんでした.回路の構造の改善や,人工肺の性能向上などの要因もあり,徐々に管理の方法が確立されてきていたところで,2009年に生じたインフルエンザの爆発的流行が生じました.そこで生じた複数の重症患者さんの治療にこのECMOが用いられ,良好な治療成績となったため,それをきっかけとして,世界中に広がっていこうとしています.

ただし,かなり専門的な知識・技術を要する治療でもあるため,「どの病院でもどんどんやってね」という治療ではありません.設備・スタッフの充実し,管理に精通した施設でなければできない治療といえます.

当院はその管理を本格的に学び,治療を行っていくためにプロジェクトチームを立ち上げ,2013年より活動を開始しています.現在,治療成績としては海外に劣らない結果となっています.

私もそのプロジェクトチームの一員として関わらせていただいており,今回,ECMO管理の質のさらなる向上のため,また現時点での世界基準を学ぶため,海外で開催されるトレーニングコースに参加してきました.


Euro ELSOとは,ELSO (Extracorporeal Life Support Organization)という体外循環についての世界的学会の,ヨーロッパ支部のようなもので,そこの主催で今回のコースは行われました.

2015105日〜8日の4日間,北欧はスウェーデン,ストックホルムにあるカロリンスカ研究所で開催されました.参加者は25名,世界各国から参加者が来ていましたが,なんと日本人が10人も!日本からの参加者の皆さんもまた,全国各地,大学病院から市中病院,成人ICUの先生から小児科の先生まで,様々な方が参加されていました.

コースの内容は,基本的な講義が1日と少し,残り半日と少しがケーススタディ(どんなことがあった→どう対処しますか?というような,実例に基づいた議論)でした.残り2日間は,患者さんのモデル(人形)と実際の器械を使ったシミュレーションを1日,もう1日は実際に器械を組んで触っていじってみてというwet lab(ウェットラボ)を行いました.

講義はもちろん勉強になりましたが,豊富な症例の経験を活かしたケーススタディは非常に参考になる点が多かったです.シミュレーションとwet labは楽しい雰囲気の中で行われましたが,実際に管理をしていくために必要な要素がたくさん盛り込まれていて,また実際に手を動かしてみることで,まだまだトレーニングが必要な部分が多いことを改めて実感する機会となりました.


コースだけでなく,カロリンスカ研究所附属病院のECMO治療を行っている設備を見せていただいたり,見学の案内をしていただいたりと,貴重な経験をたくさんさせていただきました.
専門的な話は難しいと思いますので端折らせていただきますが,こういった貴重な海外でのコース参加の経験を活かすために,当院での治療内容やスタッフ教育に反映させていきたいと思っています.


次回へ続く・・・

2016年1月20日水曜日

またも雪・・・~地域連携学術講演会中止のご連絡~

朝起きたらまた雪が降っていました。予想していなかったのでちょっと焦ってしまいましたが、それよりも先日の大雪の影響でピカピカに凍った歩道の上にうっすらと白雪が積もっていて、スケートリンク化した歩道の状況に気がつかず転倒する人が相次いでいました。
前橋は結局昼近くまで雪が降っており、雪への対応が今日もおこなわれました。夕方には病院の救急外来ロータリーや屋上ヘリポートはすっかり雪がなくなっていました。
 
 
 
 
しかしながら強風がかなり吹きすさんでいて、1/18は運航再開できたドクターヘリも今日は風にはかないませんでした。
 
今回は東海地方の太平洋側にも積雪をもたらしており、その影響で交通機関もかなり乱れました。
そのあおりを受けて残念ながら本日当院で開催予定であった第85回地域連携学術講演会も中止となりました。今回は名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野教授 松田直之先生より『全身性炎症の病態と管理 2016』というとても興味深いお話し聞けるということで、病院スタッフおよび近隣医療機関のスタッフ一同とても楽しみにしていましたが、こればかりは仕方がありません。
またの次の機会でお話を伺える日が来るのを心待ちにしております。

2016年1月18日月曜日

2年前の教訓を生かして!~大雪に対する当院の対応~


町田です。
すでに数日前より群馬県全域に大雪の予報が出ていて、昨夕には大雪注意報から大雪警報に変わりました。
病院付近では0時過ぎよりみぞれから雪にかわり、あっという間にあたり一面が白くなり始めました。

 
当院では2年前の大雪の際に初動が遅れてしまったため、その後の対応が後手後手に回ってしまった苦い思い出があり、今回はその時の教訓から生まれた「雪害対応マニュアル」が作動されました。 
特に今日は平日のため一般外来なども通常通り行われるために、マニュアルに乗っ取り早朝より病院周囲の雪かきなど病院スタッフが動き始めました。

朝になっても雪は降り続き9階ラウンジの窓も雪に覆われ、赤城山も全く見られません。

もちろん救急外来も閉鎖するわけにはいかないので重機も登場して必死に救急車の受け入れ態勢を整えています。

ただし天候が悪くドクターヘリは運休です。その代わりにドクターカーが朝から出動しています。また天候回復してすぐにドクターヘリ運航が再開できるようにヘリポートの除雪も行っています。

最終的に昼の12時まで約半日間、ずっと雪が降り続けていました。
そして雪から雨にかわり、15時過ぎにはもう青空が広がり始めました。


今回は2年前の大雪による苦い思い出の教訓が生かされていました。
早朝からの雪かきなどによる患者さんの受け入れ準備、何よりもスタッフ一人一人が「雪だから遅れる」などの言い訳をしないできちんと時間通りに出勤し、平日の通常業務をおこなっていることです。
僕自身も2年前は大雪の中で3時間かけて歩いて(一部ヒッチハイクあり)通勤したつらい思い出があり、雪が降り始める前に病院に戻って待機していました。他にも病院近くで夜を明かした救急スタッフもいます。様々な状況への対応においてもちろん失敗はしたくありませんが、過去の失敗から学んだことを生かすことが大切ですね!

ただしすべてがうまくいっているわけではありません。
群馬県は“超”車社会です。病院から自宅退院される患者さんはほとんどが自家用車で、さらに普段から公共交通機関を利用する文化がほとんどありません(全国一公共交通機関の利用率が低い県です・・・)。つまり雪を理由に退院延期が続出し、入院ベッドが空かない状況になっています。予定入院の患者さんのベッドがない、重症病棟から一般病棟に患者さんが移れず新たな重症患者の受け入れベッドがないなど、ベッドコントロールがかなり危うくなっています。たしかに2年前も救急車で来院された軽症患者さん(車がつかえず軽症でも救急車利用が多かった!)が結局帰宅できずに入院となってしまったことがありました。
次に考えないといけないのは雪の時の帰宅支援のようです。僕の地元の北海道では考えられませんが、普段ほとんど雪が積もらない車社会の前橋市では病院の運営に関わるかなり困った問題になっています。

ちなみに市民生活に目を向けても、相変わらず雪道でのスリップ、横転事故が多発しています。雪道での夏タイヤでの走行は最低の行為です。これで人身事故が起こった場合は、いつもより重い罰則が与えられることがあります。
まだまだ雪も残っており今宵は道路の凍結も予想されます。皆様、十分お気を付け下さい。


2年前の大雪対応の苦い思い出はこちら・・・
http://drheli-gunma.blogspot.jp/2014/02/blog-post_15.html
http://drheli-gunma.blogspot.jp/2014/02/blog-post_16.html
http://drheli-gunma.blogspot.jp/2014/02/blog-post_6858.html

2016年1月17日日曜日

語り引き継いでいかなければいけません。~阪神・淡路大震災から21年~

1月17日は何年たっても忘れてはいけない日です。
21年前のこの日の朝方に阪神・淡路大震災が発生し、6,434名の尊い命が失われました。震災で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。


いま当科を回っている初期研修医に話を聞くと、「5歳のときでなんとなくテレビのニュースを覚えている」と言っていました。さらに今年の新成人の方々は震災後の生まれたことになるのですね。

いま災害医療に関わっている私たちですが、この時の多くの経験がいまでも引き継がれて私たちの活動を支えています。今年の3月には東日本大震災から5年になります。スタッフの多くがこの震災では実際に災害救護活動に携わりました。次の世代にこの経験で得られた教訓をきちんと伝えて、もし大きな震災が起こってしまった時に一人でも多くの方の生命を守れるようにしていかないといけません。

そして何よりも一人一人が命の大切さを受け止めながらしっかり生きていくことが大切です。

2016年1月15日金曜日

また大型バスの悲しい事故が起きてしまいました。~碓氷バイパス大型バス事故~

本日午前2時頃、軽井沢町の国道18号の碓氷バイパスで、スキーバスが崖下に転落し14人が死亡、27人が重軽傷を負っている大きな事故が起きました。
この事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々の1日も早い回復を心より願っております。

この事故においては夜中にもかかわらず長野県内各消防、警察、病院が県を挙げて災害救護活動を行うとともに、隣県である群馬県の消防、警察、病院も活動に協力させていただきました。そしていまも搬送先で懸命な治療が継続されています。


この碓氷峠は国道、高速道路、新幹線など関東と信州をつなぐ大動脈が通っていますが、厳しい勾配やカーブが続きと残念ながら大きな事故が発生するところでもあります。
いままでもこの場所での事故には長野県と群馬県が協力して対応することが多くありました。今後ももっとスムーズに連携がとれるように、消防の応援協定だけに頼らずドクターヘリなどを含めて局地災害時の医療における行政の枠を超えた正式な連携を1日も早く達成させなくてはいけないことを改めて感じました。


最後にこのような悲しい事故がもう二度と起こらないことを強く願うばかりです。

2016年1月14日木曜日

“群馬県ドクターヘリ基地病院スタッフ会議”~2か月に1度の大切な話し合いの場~

町田です。
昨晩BS日テレで放映された「緊急出動!ドクターヘリ」について、多くの方々から激励のメッセージを頂きました。皆様からのご理解ご協力があることを忘れずに、1人でも多くの傷病者の救命・社会復帰を目指して、ますます頑張っていきますのでこれからもよろしくお願いします。



数年前に中野院長と青森県南部ドクターヘリ基地病院である八戸市立市民病院を視察した際に、「毎月必ずドクターヘリスタッフで定期的に安全勉強会を行っている」というお話を伺いました。その当時の群馬県ドクターヘリではメーリングリストを用いて周知事例の共有を行っていましたが、運航クルー、救急医療スタッフ、担当事務官がそろって話し合いをする機会がありませんでした。
様々な機関が同じ目的のために活動するにあたってしっかり意見交換をしてより良い活動を目指すためには 、ネット上ではなく直接顔を見合わせて話し合うことの大切を教えていただき、それから2か月に1回のペースで『群馬県ドクターヘリ基地病院スタッフ会議』を行っています。

参加メンバーは朝日航洋運航スタッフ、フライトナース、集中治療科・救急科医師、社会課で、報告事項、検討事項、そして毎回必ず「安全勉強会」を行っています。
今日はちょうど群馬県ドクターヘリ主担当の機長、整備士、CS、ドクター、ナース、事務官、そしてセンター長が久しぶりに全員そろっていました。
この数か月の活動中に起こった疑問点や懸案事項について時には熱いディスカッションをしながら、すべてのスタッフが共通認識を持てるようにしています。
また以前に決まった周知事項、マニュアル、ルールなどがきちんと現状にそくしているか、必要であればブラッシュアップも行います。

ちなみに今日の内容は以下の通りです。
======================
 1、報告事項
 ・ドクターヘリレジストリの進捗状況
 ・D-Call Netについて
 ・消防無線のデジタル化について
 2、検討事項
 ・資器材確認・見直し(毎回恒例)
 *ヘリ内棚、ヘリ用バッグの資器材整理
 *ヘリ無線による医療資器材への干渉について
 ・周知事例、マニュアル。ルールの見直し
 *傷病者出し入れに関するエンジンカットについて
 *病院への医療スタッフピックアップについて
 *重複要請時のMC優先権について
 *県外搬送時の注意点
 3、安全勉強会
 『現場での臨機応変の対応について』
======================

1時間30分の予定が2時間を超す長い話し合いとなりましたが、しっかり意見を言い合って各機関の距離をぐっと近づけることが大切です。
安全が最優先の中でさらに傷病者のためにできることをしっかり提供するために、その時できる最も良い方法をスタッフが考えられる環境作りの少しでも役に立つような会議になってほしいと願うばかりです。

2016年1月12日火曜日

初心を忘れない!~新たに女性フライトドクターが誕生しました。~

当科3年目後期研修医(医師としては5年目)の星野江里加先生のフライトドクター独り立ちの最終試験が1/8に行われ、センター長の中村先生の厳しい目のもとで合格の判定をもらいました。そして研修中に同乗していたフライトナースからもお墨付きをいただき、1/11にフライトドクターとしてデビューしました。
群馬県19番目のフライトドクター、星野江里加先生です!
群馬県ドクターヘリにおいては中野前センター長(現院長)から数えて19番目のフライトドクターで、そして当県初の女性フライトドクターの誕生です。これでフライトドクターは11人体制となります。
 
初期研修の面接のときから「目の前で困っている人を助けたい!」という強い気持ちを持っていて、その気持ちを忘れず初期研修終了後も当科で一生懸命患者さんと向き合ってきました。研修中は困難に直面したり指導医に怒られたりいろいろつらいこともあったと思いますが、同性の先輩で産休・育休から復帰した大瀧先生からも心身両面でのアドバイスを受けつつ、自分自身でも次につなげるための努力をする強い気持ちをもちつづけた結果、ようやくこの日がやってきました。
初出動は地元の消防本部管轄のエリアから・・・
研修中と違って力強い目つきをしています!

星野先生の研修中におきましては、朝日航洋の皆様、消防関係の皆様、そして多くの方々からたくさんのご指導を頂き本当にありがとうございました。
しかしながらまだプレホスピタル診療のスタートラインに立っただけです。これからです!関係者の皆様におかれましては引き続き叱咤激励のほどよろしくお願いします。
ともありますが、これからもご指導のほどよろしくお願いします。


独り立ちの初フライト終了後、一緒に出動した木村看護師とともに。
 
 
☆おまけ☆
 
星野先生の研修のころにちょうど取材があった番組の放送日がいよいよ明日に迫りました。星野先生の奮闘と周囲を支える優しい(?)先輩たちの様子をぜひご覧ください。
また島根県や茨城県でご活躍されているフライトドクターの様子や、カンニング竹山さんに群馬県ドクターヘリや当院での取材を通してドクターヘリの活動のことを詳しく説明していただきます。
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日 時 2016年1月13日(水) 19:00~20:54
放 映 BS日テレ
題 名 「空飛ぶ救命救急最前線 緊急出動!ドクターヘリ」
内 容 1.ドクターヘリの最先端医療の紹介
     2.島根県ドクターヘリ(ママさんフライトドクター 家庭と職場の両立)
     3.群馬県ドクターヘリ(新人女医フライトドクターの奮闘記)
     4.茨城県ドクターヘリ(日本最高齢現役フライドクター)
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2016年1月10日日曜日

“JA6916”のドクターヘリデビュー!



町田です。
2回連続で『ドクターヘリデビュー』に関する話題を提供します。
今回は「ドクターヘリ機体」編!
 
1月7日のドクターヘリ待機終了後に機体交換を行いました。ちなみに機体交換についてですが、ドクターヘリの機体も車の車検にように定期点検があったり、また飛行時間に応じての点検があります。また機体の負担の平均化やデジタル無線への移行に関わってめローテーションが行われています。
群馬県ドクターヘリの主力機種であるBK117C-2はそのままですが、JA6910から“JA6916”という機体に交換しました。
JA6916です!
このJA6916はこの前まで新潟県でドクターヘリとは異なるミッションで活躍していましたが、今回いよいよドクターヘリ仕様となり、そのデビューを北風吹きすさぶ群馬県で飾ることとなりました。
さっそくこの3日間連日で北風に立ち向かいながら東西南北を力強く飛び回っています。

ちなみに時々群馬県にもやってくるJA6917と同じように機首にまん丸のお鼻がついています(以前は様々な観測レーダーが入っていたようです)。ちょっと愛らし雰囲気がある『JA6916(“イチローさん”)』をよろしくお願いします。

そしてドクターヘリの立ち上げから活躍している“ひとまるちゃん”とはしばしのお別れです。その間はイチローさんとともに引き続き群馬県の救急の一翼を担っていきます!



さすがに冬なので群馬県も朝晩は冷え込みます。
朝の出動では遠くの山々が見渡せ眼下には朝靄が広がる幻想的な景色が見られることがあります。今日も前橋上空からは南アルプス、佐久付近では北アルプスの遠くに見ることができました。

 
しかしながら今シーズンの暖冬もとても心配です。
この時期は県北部はスキーリゾートとして雪景色が広がっていますが、今シーズンは一部のスキー場しか空いていません。おそらく人工降雪機で何とかしているところもある感じです。
浅間山も群馬側の北面は雪がかぶっていますが、長野側の南面はほとんど雪がありません。その反動で数年前のようなドカ雪が来ることをとても心配しているとともに、やはり異常気象による地球の自然環境への影響や私たちの生活の変化がとても心配です。
浅間山北面(群馬県側)
浅間山南面(長野県側)

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