住民の力で早期医療開始が行えるようになります!~赤城山住民によるランデブーポイント安全確保講習~

町田です。
北海道ではこの時期にまた雪が降っているようです。また群馬では強い北風が吹きつけており、全国的に天候が大荒れのようです。熊本など九州地方も悪天候により救護活動が遅れないか心配です。また先ほど大分でも震度5強の地震があり、まだまだ予断を許さない日々が続いています。
それにしても気がつけば4月ももう終わりに近づきました。とにかく時間がたつのが早く感じる今日この頃です。


群馬県には上毛三山と呼ばれる有名な山々があります。赤城山、榛名山、妙義山の3つの山で、それぞれいくつかの山が集まってできています。群馬の小学校では運動会の時に紅組・白組ではなく『赤城団・榛名団・妙義団』と分けているところも多々あります。

この3つの山の一つである赤城山は、市町村合併により山頂付近まで前橋市となっています。山の上には湖(大沼、小沼)があり夏はドライブ・登山、冬はワカサギ釣りのメッカでにぎわっています。
しかしながらこの付近で救急事案が発生すると、直近の消防署から救急車が出動しても山道を上って到着まで30~40分程度かかります。ドクターヘリでは6分で到着することができますが、群馬県ドクターヘリ運航要領では【着陸には消防職員による安全確保】が必要であるため、支援隊が到着するまでの40分は着陸することができません。
前橋市内は大きな病院がたくさんありますが、この地域だけは救急医療の提供にとても時間がかかるところでした。


ドクターヘリ運航開始当初から「赤城山、榛名山の上を何とかしなければ・・・」とずっと悩み続けていましたが、このたび前橋市消防局のご尽力と前橋市長をはじめ市の関係各課の全面的協力を頂き、昨年末に赤城山住民の皆様にドクターヘリ活動の説明会を行ったところ、住民の皆様から「ランデブーポイント安全確保にぜひ協力したい!」という前向きなご回答を頂きました。
そして4月27日に『消防職員以外のものによるランデブーポイント安全確保講習』を開催しました。あいにくの天気で実機訓練はできませんでしたが、基地病院、運航会社、消防からの座学の後に、安全確保のシミュレーションを行いました。
山本龍前橋市長もわざわざ駆けつけてくださいました!
今回受講された住民の皆様にはこれから群馬県より講習修了証が発行され、これにより正式に住民による安全確保でドクターヘリが赤城山に着陸できるようになります。これにより医療開始時間が30分近く短縮され、さらにヘリ搬送で決定的治療開始が1時間近く早まることになります。
もちろん住民の皆様の負担にならないように、ドクターヘリは十分に安全を確認し、また消防も必ず支援隊を派遣することになっています。


群馬県北部は有名な温泉地やスキーリゾートが広がっており、いままでにすでに6団体8か所で消防職員以外のランデブーポイント安全確保を行うことができます。

今回ついに赤城山でしかも住民の力でこのようなことがかなったのは本当にうれしいことですね。さらにまだ医療接触に時間がかかる榛名山、片品・尾瀬方面について、消防、行政、そして住民の方々と協力して、県のどこでも早期に医療介入ができる救急医療体制を強化していきたいです!

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