リスクとの戦い!~第1回群馬県ドクターヘリ安全研修会~

町田です。
8月20日に開催された『平成27年度第2回群馬県ドクターヘリ症例検討会&第1回群馬県ドクターヘリ安全研修会』について、昨日の症例検討会の報告に引き続き今日は安全研修会の報告をします。

もともとHEM-Net(救急ヘリネットワーク)事務局より開催を推奨されていた「安全研修会」ですが、運航開始から5年以上たっているのに何かの理由をつけて今まで開催してきませんでした。しかし、昨今は空の事故が続いており安全なドクターヘリ運航の責任の一翼を背負っている立場としてこのままの状況では他道府県の関係者の方々に申し訳ないと感じ、ようやく今回安全研修会を開催する運びとなりました。



今回講師としてきていただいたのは日本ヒューマンファクター研究所の塚原利夫先生です。
ドクターヘリ運航は、航空と医療という全く異なる二つの分野の協働を必要とし他職種のスタッフが関与する活動であり、各種事故の多くはヒューマンファクターに起因することが事故の検証によって示されています。
元国際線機長であり、そして多くの事故の検証を行っている塚原先生のご講演はとても興味深く、そしてわかりやすく明日からでもすぐ実践できる内容がとても多く、あっという間の1時間半の講演でした。
塚原 利夫 先生
講演の内容については、ぜひ皆様も何かの機会で直接きいていただきたいと思います。

『安全』とは『リスクが制御された結果』であり、リスクと戦って安全を獲得する努力が必要だということが印象に残っています。
最近では病院のみならず様々な職場で安全にかかわる「安全管理者」という立場の方がいらっしゃると思いますが、英語では「Safety Manager」ではなく「Risk Manager」といいますよね!たしかに安全は管理できるものではなく、リスクと戦って安全はえられるものです。安全を獲得するためにリスクからさけるのではなく、時としてとリスクと戦う必要があるのです。そしてリスクと戦うときに他職種の方としっかり連携することが大切ですね。

塚原先生、本当に貴重なお話しを頂きありがとうございました。すぐにでも第2回を開催したいと思います。


塚原先生のご講演が終了後は、転院搬送の事案を用いてリスクマネージメントについてディスカッションしました。このディスカッションまで埼玉県ドクターヘリチームの皆様にはお付き合いいただき、フライトナースの内藤さんから貴重なアドバイスを頂きました。ありがとうございました。



症例検討会&安全研修会あわせて4時間の長丁場でしたが、症例検討会も安全研修会もとても濃密な会となりました。参加していただいた皆様のご協力に心より感謝いたします。

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