より“ボーダーレス”な要請対応を目指して!

町田です。
東京の調布で痛ましい航空事故が起きてしまいました。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、これから先の空の安全のために原因がしっかり究明されることを心から願っております。
また多くの皆様から群馬県の猛暑に関してご心配の声を頂いております。特にドクターヘリに関しては機体への暑さ対策やクルーの体調管理など、常にお互い声を掛け合いながらこまめにチェックして活動しております。いつも応援ありがとうございます。



7月は梅雨や台風の影響で天候が不順な日が多く、10日ほどはドクターヘリが運休(一時運休も含む)の日がありました。それでも今日までに107件の要請を頂き75件に出動しています。今回は107とか75という数字ではなく、その中に隠されていることに注目していただこうと思います。

<7月1-27日までのドクターヘリ活動実績>
 ・平日(18日間) 要請53件・出動37件
 ・休日( 9日間 ) 要請54件・出動38件

なんと休日に要請や出動が倍増しています!悪天候で終日運休を除いた休日7日間の平均要請件数は7.4件/日、出動件数は5.4件/日となっています。
学校が休みに入ったためか、小児の交通事故やお孫さんが帰省した祖父母のケガが増えています。また、平日より休日の方が暑くても外での行事が多いためか、熱中症や脱水からくる血管疾患が増えているのが休日に要請が激増している一因のようです。
この現象はドクターヘリだけではなく、休日の救急外来のものすごい混雑の様子がそれを証明しています。入院患者さんは実はそこまで増えていませんが、やはり暑さによる体調不良者の受診が増えており、今月になって受診者が100名を超える日が週末に立てつづいています。


ところで相変わらずの未出動数の多さと思われる方もいるかもしれません。その事実は否定できません・・・
しかしながらヘリ運航可能であった休日7日間で発生した未出動14件のうち8件には、群馬県ドクターヘリではないヘリコプターで対応しています。要請する消防本部が驚くくらいものすごい速さで出動する群馬県防災ヘリドクターヘリ的運用で2件、ドクターヘリ広域連携のおかげで遅滞なくすぐに要請可能な栃木県ドクターヘリで2件、埼玉県ドクターヘリで4件も群馬県ドクターヘリ要請事案に出動し傷病者に病院前医療を提供していただきました。
休日以外でも重複要請に対して前橋ドクターカーのみならず高崎ドクターカーや隣県の足利ドクターカーに出動していただきました。もちろん群馬県ドクターヘリも栃木県・埼玉県ドクターヘリの重複要請に対して応援出動しています。

いままでずっと他機関との連携を基地病院から発信してきましたが、いまでは要請する消防本部がすでに2番手、3番手のことを考えてくれています。そして周辺各機関との協力関係に心から感謝しています。



今の群馬県はすでにドクターヘリ1機体制の限界を感じています。でもすぐにドクターヘリ2機目が入るわけではありませんし、基地病院をはじめまだまだ群馬県の各病院の底力を出し切っていないように感じます。
でも協力体制はお互いの気持ち次第ですぐにできるものです。空には目に見える境界はありません。空から地上を見ても境界線は書いてありません。さらにもっと県や機関の壁を超えて、傷病者のもとに最も早く救急医療が提供できる仕組みになっていくことを強く願いながら、本当のボーダーレスに時代を目指して取り組んでいきます!

コメント

このブログの人気の投稿

新年度集合写真

先日ブログでご紹介した新型コロナワクチン筋注方法について訂正があります

タカラトミーさんが当院を取材