2015年6月22日月曜日

第29回日本外傷学会総会・学術集会に参加しました。

皆様こんにちは。お久しぶりです。小倉です。久々の投稿ですね。
第29回日本外傷学会総会・学術集会へ参加のため、札幌に行ってきました。


 

当科からは以下の参加がありました。

中野院長
・一般口演:四肢外傷
座長
町田医師
・評議員会
・ポスター:病院前・初期診療
 座長
 『ドクターヘリによる早期医療介入が有効であった重症多発外傷の一症例』
藤塚医師
・一般口演:輸液・輸血
 『大量輸血療法による外傷患者の高カリウム血症は,低血圧がリスクとなる』
劉医師
・一般口演:輸液・輸血
 『外傷性心肺停止患者への赤血球濃厚液投与効果についての検討』
小倉
・パネルディスカッション:IABOを用いた治療戦略
 『Non-Operative Management with TAE & IABO for shock abdominal Trauma

 
今回は「Non Operative Management with Resuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aorta and Angioembolization for Shock Abdominal Trauma」という演題で、学会発表してきました。
小倉はいままで外傷における大量輸血療法の研究をしてきましたが、最近は、同じ外傷蘇生領域でありますResuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aortaについても、検討をはじめました。今回はこのResuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aortaを駆使し、従来では手術をしなければ救命できなかったショックの腹部外傷を、血管内治療で救命してみせる!といったチャレンジング極まりない治療方針について検討し、パネルディスカッションにて報告しました。


前橋日赤ではResuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aortaは古くから行われており、現在でも年間で30例ほどの施行実績があります。Resuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aortaとは、バルーンカテーテルを用いて大動脈を遮断する方法で、主に横隔膜以下の出血性病変を一時的にコントロールする目的で行われます。国内外の一般的な診療指針では、出血性ショックに陥った腹部実質臓器損傷(肝損傷や脾損傷、腎損傷など)は、早急に開腹止血術を行うべきであるとされています。しかし、開腹手術を受けた外傷患者の4割が、その後の合併症で入院を要しているとの報告もあり、なによりも手術は痛い!ということもあり、開腹手術は誰しもが避けたいと思うものです。そこで我々はResuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aortaによる一時的に大動脈のバルーン遮断にて出血をコントロールしながら、血管内治療にて止血をしてしまおう!と試みています。

今回の検討では、合計7人の患者様が当院でこのような治療を受け、6人が生存退院したということがわかりました。1人の患者様は残念ながら重症頭部外傷のために脳死となりお亡くなりになってしまいましたが、腹部臓器からの出血は全例でコントロールされていました。また、Resuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aortaによる合併症(バルーンによる大動脈の損傷や大動脈遮断による下肢の虚血など)は、認めませんでした。

我々は、これらの治療成績を世界に向けて発信しております。その最たるものが、こちらの論文です。
Clinical Series of Hemodynamically Unstable Abdominal Solid Organ Injury Managed by Angioembolization with Resuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aorta
Journal of Trauma Acute Care Surgery 2015;78:132-135
PMID25539214



Resuscitative Endovascular Balloon Occlusion of the Aortaを駆使し、従来では手術をしなければ救命できなかったショックの腹部外傷を、血管内治療で救命したという治療経験を世界で初めて報告しました。
我々はちょっとだけCrazyかもしれませんが、CreativeCleverに、従来の外傷診療を変えてゆこうと努力しています。
是非ともご一読いただければと思います。


ちなみに夜は本学会に参加していた当院整形外科の先生方と外傷プロジェクトチームのナースとともに、おいしい食事をしながら外傷談義で盛り上がりました。
当院整形外科の反町先生&久保井先生、城田看護師とともに!
ちなみに札幌出身の町田医師は地元の方々と・・・ 

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