三陸訪問記①~気仙沼~

町田です。
ゴールデンウィークも当科スタッフ23人は、ドクターヘリ、救急外来、集中治療室、病棟当番、そして夜勤など、全員でローテーションを組んで切れ目ない救急・集中治療を提供できるように配置しています。僕自身も院内にずっといるのですがブログまで院内のことだと気が滅入りそうなので、今日から数日間はちょっと旅行気分を味わっていただこうと思います。


なかなか東北復興の支援に自分の時間を割くことができませんが、それでも毎年3月にお休みをいただき石巻に足を運んでいました。今年は3月14,15日に初めて石巻以外のところにも足を運びましたので、その報告をさせていただきます。

北陸新幹線開業の日に高崎駅から新幹線と在来線を乗り継ぎ、人生で初めて宮城県の気仙沼市にお邪魔しました。今回はご縁があったNPO法人All Round Helicopter(ARH)の事務局長の渡部さんのご案内のもと、2日間かけて気仙沼から南三陸を経て石巻までの復興祈願の旅を行いました。
ARHの渡部さん

気仙沼についてまず目に入ったのは、津波で流された線路の跡を用いたBRTというバスの高速輸送システムでした。もともとそんなに本数や利用者が多い方ではないローカル線の復興になかなかお金をかけるのは大変だという現実と、それでも跡地をうまく利用したアイデアへの感心と、なんだか複雑な気分でした。
☆BRTについて → http://www.jreast.co.jp/railway/train/brt/

そんな気分で駅前をうろうろしていたら、今回の旅の案内人、渡部さんの登場です。
まずは腹ごしらえということで三陸グルメ第1弾「牡蛎の天ぷら」をいただきました。気仙沼市内には『海とともに生きる!』という文字がたくさん見られました。津波の大きな被害がありながら、今まで海の恵みではぐくまれたこともあり、やはり海とのかかわりを大切にしていることを感じました。
「牡蛎の天ぷら」です!
腹ごしらえの後は、ARHのヘリポート見学や活動についてお話をいただいたり、実際にARHが整備した臨時ヘリポートを見せていただきました。このことに関してはまた後日詳しく報告します。
☆ARHについて → http://arh.or.jp/


夕方はリアス・アーク美術館で開催されている『東日本大震災の記録と津波の災害史』を観覧したり、気仙沼プラザホテルで開催されている『東日本大震災を風化させない!語り部』を拝聴しました。
実際の映像と体験談は何よりも心に強く訴えられるものがありました。「自然の驚異の前に人間というものはちっぽけというもの」、「人間同士の本当の助け合う気持ちと行動」、そして「それでも故郷を愛する気持ち」に本当に胸が震え涙が出ました。「忘れないでほしい。」という切実な思いが、今の現実なのだと感じました。
☆リアス・アーク美術館「東日本大震災の記録」 → http://rias-ark.sakura.ne.jp/2/sinsai/
☆気仙沼プラザホテル「語り部」 → http://www.pkanyo.jp/
語り部の方からの実体験談に言葉を失いました。

夜は復興市場の福幸小町のお店で再び三陸グルメ第2弾・・・気仙沼と言えば「ふかひれ」ですが、実はさめのひれ以外の部分を頂きました。心臓・・・意外とおいしい!それ以外にもカジキのしゃぶしゃぶも絶品でした。海なし県の群馬に住んでいるものにとって、本当に久しぶりにおいしい魚介類を堪能しました。
何よりもうれしかったのが、僕よりも若いお店の方々が口々に「群馬からわざわざ来ていただいてありがとうございます!」とこえをかけていただいたことです。逆に今迄一度も来られなくて申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
サメの心臓・・・

気仙沼は震災による津波で港の入口にある石油タンクが倒れて引火し、津波とともに焼け野原となり大きな被害が出ました。
翌日に最も大きな被害があった地域の一つである鹿折地区を訪れましたが、まだまだ新しい住宅が建っているわけでもなく4年もたってまだまだ進んでいない現状に愕然としました。
群馬にいると東京オリンピックの建築に関わるニュースをよく耳にしますが、何か順番が間違っている気がしました。いまだに仮設住宅に入居した8割の方がまだそのまま仮設住宅に残っていることを、今一度みんなが知っていないといけない事実だと思いました。
途切れた鉄路・・・
このような景色が広がっています・・・

気仙沼での24時間の滞在を終え、次に南三陸、石巻に向けて出発です。つづく・・・




コメント

  1. 町田先生、東北に足を運んで下さりありがとうございます。
    あの時の出来事を忘れずに居て下さり。
    素直に東京オリンピックを喜べない私・・・。
    復興はどこに…。
    あっ気仙沼のゆるキャラ?ホヤ坊やですね。

    返信削除
    返信
    1. その時その場所にいらっしゃった方々の気持ちと100%同じになることはできませんが、少しでも寄り添って応援したい気持ちはずっと変わりません。
      当院も新病院建築に当たって予算の問題が勃発しましたが、東北の沿岸部の景色を見るとそんなことはどうでもよくなってしまうほど何か順番を間違っている気がしています。
      ホヤ坊や、かわいいですね!

      削除

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