2015年5月20日水曜日

必要な場所にあることの大事さ!~三陸訪問記・番外編~

町田です。

一昨日にアップしたブログの記載に一部誤りがありました。栃木県ドクターヘリに引き続いて埼玉県ドクターヘリを要請したのは、救急隊長の判断だったとのことです。失礼しました。
いずれにしても先着した栃木県ドクターヘリスタッフが医療コマンダーとなって、そのあとの到着した埼玉県ドクターヘリスタッフと協力して傷病者の対応を行っていただきました。この事案のあとにすぐに両基地病院に連絡をして、現場と先着ヘリの県が異なっていても「まずは先着したヘリスタッフがコマンドとなって活動をする」という方針をあらためて確認しました!


今月の初めに本ブログのゴールデンウィーク特集として「三陸訪問記」を書かせていただいました。今回はその番外編をお送りします。番外編といってもある意味とても大事なお話です。

3月14,15日の2日間、気仙沼・南三陸・石巻を
案内していただいたARHの渡部さん。

東日本大震災の時に、津波で大きな被害を受けた三陸沿岸部から比較的機能が残っていた病院やSCUが設置された内陸部に患者さんを搬送するのに、ヘリコプターが大いに有用でした。
僕は石巻の沿岸部の病院から150名の患者さんを救出するために、ドクターヘリや自衛隊ヘリと協力しながら多くの患者さんを安全な場所へピストン搬送する活動に参加しました。他の場所では防災ヘリ、県警ヘリなどの公共ヘリだけではなく、民間ヘリも大いに活躍していました。

沿岸部、山間部、離島などでは総合病院へ搬送するまでに陸路(海路)ではとても時間がかかってしまい、緊急度や重症度が高い傷病者では搬送中に最悪な事態に陥る危険性がります。そのために昔から自衛隊ヘリや防災ヘリによる僻地からの搬送が行われており、最近ではその一翼をドクターヘリも担うようになりました。


ところでここで逆転の発想をしてみましょう。
もし最初からニーズの高い壁地にヘリが常駐していれば・・・実はとても効率が良いことがあります。
それは僻地まで迎えに行く時間を短縮することができ、より迅速に決定的治療が可能な病院まで到着することができます。実は海外ではあえてこのように郊外にヘリを配置して、より迅速に病院到着を目指しているところもあります。

日本でもこのような場所があります。
東日本大震災後に気仙沼に登場した『All Round Helicopter:ARH』です。
災害救護支援で三陸沿岸部を訪れ、被災された地元の方々の役に立ちたい・・・いえ、地元の人たちの熱い思いに感動してこの地に医療用ヘリコプターを誕生させました。

☆ARHの詳細はこちらをご覧ください ⇒ http://arh.or.jp/

ARH事務局のみなさん!
☆ブログも始めたそうです ⇒ http://arh-kesennuma.blogspot.jp/
石巻赤十字病院や日赤宮城県支部とも連携を強めているそうです。
日赤の人形とぐんまちゃんもARHの隊員となりました。

僕は正直民間ヘリのルールや仕組みなどはあまり詳しくありません。
税金などの補助金のもとで行っている公的ヘリと違い、民間ヘリは資金調達から何から何まで自分たちでやらばなくてはいけない大変さがあります。実際には多くの民間ヘリが資金不足で運休になるという話(http://arh.or.jp/support/)は残念ながら聞こえてきます。
しかし、医療過疎で困っている地域の住民のためにかける思いは、ある意味公的ヘリのスタッフより熱いものがあります。

見学に合わせてARHメディカルアドバイザーの
南三陸診療所 中村先生が駆けつけてくださいました。
中村先生も三陸沿岸部の医療に尽力されています。
ヘリが着陸できるランデブーポイントの確保も行っています。
今では公的ヘリも利用するようになったとのことです。
病院の駐車場に降りる際は、病院職員が誘導していただけるそうです。
いい意味で民間ヘリならではですね!

大きな医療圏の中心にある基地病院から縦横無尽に飛びたつドクターヘリと、僻地の患者を迅速に搬送できる民間ヘリが手を組んで、その大きな地域の空の医療を展開したらものすごく大きな夢が膨らみます。
宮城県はこれからドクターヘリが導入されるところであり、仙台を拠点としたドクターヘリと沿岸部を拠点としたARHがうまく連携できれば、多くの住民の命をより救うことができるでしょう。
群馬県も赤十字飛行隊のヘリが5機もあるにもかかわらず、まだドクターヘリとうまく連携を組むまでに至っていません。どちらかというと公的ヘリ側が足を踏み出せない感じでいます。

『住民の命のために活動したい!』という思いであれば、ヘリの形やカラーリングが違えども絶対にうまく連携ができ、そしてものすごくおおきな可能性がふくれるでしょう!
ARHの渡部さんとずっとこのような話をしながら過ごした2日間でした。そしてこの民間ヘリの活躍と可能性については、今年の秋に『空の連携』というテーマのもとで開催予定の日本航空医療学会学術集会でもとりあげさせていただきます。

2 件のコメント :

  1. 栃木を要請した後に、埼玉を要請する。傷病者のためなら、相互で協力するのが当然で問題ないですね。
    さすがに、関東圏内で他県の2ドクヘリが同一事案対応では初事例でしょうから、現場救急隊・消防本部は大混乱でしょうね。こればかりは、GJ&お疲れ様ですとしか言いようありません。

    エリア的に、ドクターヘリを受け入れられる病院(太田と足利が近位の3次?)が限られますので、先着隊が傷病者にとって良い環境と迅速搬送を整えられたのであれば良かったのではないですか?

    ただ、このレベルの事故?になっても、新聞などのメディアで報道されなくなりつつあるので、
    ドクヘリが身近になったのか、世間が関心事にないのかが気になります。

    ぜひ、検証会に出して頂き、群馬から関東に発信して欲しいです。

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    1. コメントいただきありがとうございます。群馬県を舞台に栃木・埼玉両県のドクターヘリのスムーズな活動、そしてその現場を指揮統制した消防関係者に心より感謝しております。
      ドクターヘリが身近になったことと信じていますが、まだまだ一般市民に活動内容までは伝わっていないところがありますので、これからも情報発信をつづけていきたいと思います。またこの症例の検討会も必ず行いたいと思います。(栃木県も埼玉県も本症例が対象となる検討会がないようなので、やはりここは舞台となった群馬で開催しようと考えています。)

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