強風との戦いの強力なサポーター!~前橋市消防局の迅速な対応に感謝~

町田です。

毎年冬になると「上州の空っ風」といわれる冷たい北風が吹きつける群馬ですが、今シーズンは例年に増して風の強さがものすごいことになっています。
今月も20日がたちましたが、屋上ヘリポートでドクターヘリが待機できている日はたった6日のみです。屋上ヘリポートは地上の2,3倍の風が吹き付けるため、北風が強い日の屋上ヘリポートは台風の時以上の風が吹き付けることもあります。あまりの風の強さにヘリが壊れるリスクがあるため、強風時は地上にある群馬ヘリポートに駐機して出動スタンバイをしています。



風が強くて屋上ヘリポートに駐機できないことは、実はそれほど大きな問題にはなりません。群馬ヘリポートの当院はヘリでは2,3分の距離のため、要請を受けてから現場に到着するまでの時間は群馬ヘリポートからの出動でもあまり変わらないからです。
屋上ヘリポートが使えないことで一番困ることは、病院の直接患者さんを搬送できないことです。特に前橋市内では3次救命を担っている基地病院、大学病院、そして県立の循環器専門病院が
すべて屋上ヘリポートであるため、強風時の重症患者の搬送は「一度病院の近くの地上のランデブーポイントに着陸して救急車に乗せ換える」という手間も時間ロスも生じてしまいます。
前橋市内における屋上ヘリポート設置病院と代替え地上ランデブーポイントの位置関係
(基地病院が最も地上ランデブーポイントが遠い・・・)

この時期はかなりの件数で代替え地上ランデブーポイントに着陸することが多いのですが、その時に活躍していただくのが地元の前橋市消防局です。出動先の消防本部から地上ランデブーポイントの安全確保&搬送救急車の準備を依頼された前橋消防局は、ヘリがたいてい15分以内に前橋に戻ってくるのでただちに支援隊と救急隊を派遣していただきます。
多いの時は1日に3回も地上ランデブーポイントの安全確保と救急車搬送をお願いする日もありましたが、いつも素早くかつ丁寧な対応に心より感謝しております。
病院近くのランデブーポイントに着陸し救急車で病院に搬送します。
病院搬送中の待ち時間に「ドクターヘリ見学会」が行われることがあります。

このような対応はヘリポートがない病院にヘリ搬送する際には必ず発生することであり、すべての消防本部・局に本当にいつもお世話になっています。そしてこの風の強い時期は、特に基地病院を抱えていることから前橋市消防局に負担をかけてしまうことが多いのですが、運休時のドクターカー対応も含めて強力なサポートをしていただいています。
強風でドクターヘリが一時運休中に群馬ヘリポートで医療スタッフが待機しているときに、前橋市内のドクターヘリ対応事案をすぐにドクターカー運用に切り替えて、群馬ヘリポートにちかい消防署の救急車で医療スタッフをピックアップしていただいたこともあります。このような臨機応変な対応をしていただけるのも本当にうれしく感じています。
前橋市消防局!

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