高崎ドクターカーと群馬県ドクターヘリの連携!

町田です。
みなさんは『命に国境はない!』という言葉をよく聞くかもしれませんが、この言葉はまさにその通りだと思っています。たまたま見ていたテレビ番組で、1990年にサハリン(当時ソ連)から全身熱傷の小児を受け入れるた時の話題が取り上げられていました。その当時北海道で中学生をしていた僕も、サハリンから札幌医大に国境を越えた搬送が行われて治療を続けている報道を連日見ていたので、とても印象深い思い出として残っています。

国境までとは言いませんが、群馬県のプレホスピタルの現場でもここ数日のあいだで立て続けに『組織をこえた連携』がつづきました。今回は「高崎ドクターカー」と「群馬県ドクターヘリ」の連携の話題です。


当科から毎週月曜日に「高崎ドクターカー」のカードクターとしてスタッフ派遣をしています。ちなみに高崎ドクターカーは高崎総合医療センター所属で、高崎市等広域消防局&多野藤岡広域消防本部の一部の要請で高崎市内に出動しています。基本的に出動先で初療を行った後に高崎総合医療センターに患者搬送するのですが、特殊な疾患など治療できる医療機関が限定されるような症例の場合もあります。
そのような時に搬送先が遠く患者さんの重症度が高い時は、より迅速で安全な搬送手段が必要です。そのような時にドクターヘリも同時に要請することで、ドクターカーで初療を行った後にランデブーポイントでドクターヘリにリレーし、より早く根治的治療ができる病院に搬送してもらうことができます。
高崎ドクターから群馬県ドクターヘリへのリレー!
この連携はけっして僕たちが高崎ドクターカーに乗っている日だけではなく、それ以外の日でもこのような連携がスムーズにできるような環境作りをすることも、僕たちが週1回だけですが高崎ドクターカーに乗る大きな意味があると感じています。他機関のドクターカーといっても、当科のフライトドクターには群馬県と近隣医療圏の医療事情を常にモニターすることを義務づけているので、当然のことながら高崎市内の医療状況も把握しています。
一緒に乗ったカーナースもとても熱心で、僕たちの活動から多くのことを学ぼうとする姿勢が感じられます。僕たち自身も他機関の中に入って活動することでとても刺激を頂くことができます。

今回の運用パターンからさらに多くのことを
学んでいる熱心なカーナースです!

数か月前にも、高崎ドクターカーと群馬県ドクターヘリが同時に出動し、先着したドクターカーの活動をドクターヘリクルーが支援した事案がありました。ドクターカーとドクターヘリが同じ基地病院であれば、カーとヘリのどちらを出動させるか、もしくは同時に出動させるかを判断しやすいのですが、基地病院が異なるドクターカーとドクターヘリをコラボするのは正直かなり苦労します。
しかし『命に組織の境はない』と言う共通認識があれば、実はいがいとスムーズにできちゃうものです。高崎ドクターカースタッフ、高崎市等広域消防局、前橋市消防局、群馬県ドクターヘリスタッフ、そして受入先病院の多くの組織がかかわりますが、みんなが同じ気持ちを持った時こそ強い連携はありません。

高崎ドクターカーや群馬県ドクターヘリの症例検討会でもこのようなコラボ事案を取り上げていって、最終的にはヘリとカーがいつでもスムーズな連携が図れるような環境作りを県全体に投げかけていきたいと思います!

引き継いだ後にヘリを見送るときの一コマ・・・
普段あまりないシーンです。
2つの病院のスタッフが1つのチームを組んで
一緒に活動することも、お互いとても良い刺激となります!

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