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決起集会!~2015年 集中治療科・救急科 新年会~

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先日、2015年 集中治療科・救急科 新年会が開催されました。 ローテーション制の勤務などでなかなかスタッフがそろって顔を合わせることが難しい時が多いのですが、中野センター長が発起人となって急きょ開催することが決まり、当直・夜勤を除くほぼ全スタッフが集合しました。   中野センター長を囲んで1枚! 中野センター長より当科の目指すべき目標を掲げていただき、あらためてしっかり気持ちを込めて日々の診療に携わっていくとともに、研究や教育などの面についてもさらに力を入れて頑張っていきたいと思います。 今後とも前橋赤十字病院 集中治療科・救急科をよろしくお願いします。  宮崎先生、雨宮先生、小橋先生、田上先生、当直・夜勤ありがとうございました。

“たらい回し”をなくせ!(番組宣伝です。)

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町田です。 救急車の搬送先がなかなか決まらず何件も病院に断られることを、よく一般的に“たらい回し”と言われます。しかし勤務医の人員や待遇が厳しいこのご時世、実際には対応したくても「救急患者を何人も抱えている」「緊急手術中」などでどうしても対応できない場合があります。それをひとまとめに“たらい回し”と言われることに医療側はとても不快感を覚えることがあります。しかし実際には「医療側の勝手な都合で断っていることがゼロではない」ことも事実です。 重症患者さんにすぐに医療の手を差し伸べてあげられないことほど不幸なことはありません。当科でも積極的なドクターヘリ・ドクターカーの活用、隣県との連携を拡げて、病院前に積極的に医療スタッフを派遣する手段を講じているとともに、受け入れに関してもどうしても救急車が受け入れられなかったときに「受け入れ困難書」を提出し、その判断が妥当であったかどうか病院に評価してもらっています。 さらに「救急車が24時間でどの病院に搬送しているか?」、「各病院がどれくらいの救急車を受け入れているか、また受け入れられなかったか、そしてその理由は?」など、実際に行われている救急搬送の実態を『見える化』させた「救急搬送支援システム」が導入されています。このシステムの導入によって群馬県では受け入れ不応需件数の減少、救急搬送時間の短縮が可能になってきています。 このタブレット端末に入っています。 今回そのシステムの開発に携わった佐賀県庁の方をテレビ番組の特集で放映されることとなりました。実際に佐賀で導入されたシステムを群馬県で取り入れることとなったのですが、その際にシステムの使用方法、群馬にあったアレンジなどのために群馬県庁、各病院、各消防本部にわざわざ足を運んでいただき直接説明していただきました。 いまは埼玉県と連携した「統合型医療情報システム」にバージョンアップして、患者さんにさらに医療の手を早く差し伸べるためにさらに進化しているところです。 今回の番組ではそのシステムがどのように運用されているか、『見える化』をきっかけに現場の意識がどのように変わっていくか、実際に本システムを活用している群馬県内の様子も放映される予定です(当院でもERスタッフの密着取材が行われました)。 ☆放送予定☆ 平成27年2月1日(日) 18:3

7人目のフライトナースの誕生です!

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群馬県ドクターヘリは来月で運航開始から6年になります。運航開始当初はフライトナース3人のみでローテーションをしていてかなり多忙な日々をおくっていました。 ヘリスタッフを増やすことは簡単ではありません。現場に出れば自分で解決しなくてはいけないことばかりです。病院内のようにすぐに応援が来てくれるわけではありません。そしてドクターのみならず様々な職業、立場の人とのコミュニケーションが求められます。そしてすでにフライトナースとして活躍しているスタッフも、そのようなことを踏まえて後進の育成をしなくてはいけません。 そのような厳しい条件の中で何か月にも及ぶOJT(on the job training)を経て、今月ついに群馬県ドクターヘリに7人目のフライトナースが誕生しました!田村千佳子看護師です。   これから独り立ちで現場に出ていきますが、ドクターヘリの現場ではいつも何か新しい出来事がおこるものです。本人の臨機応変の対応やチーム力の高さが求められますが、現場の皆様の温かいご支援もどうぞよろしくお願いいたします。     ☆群馬県ドクターヘリ フライトドクター&ナース☆  

皆様のご協力に感謝いたします。~JATEC前橋コース開催報告~

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1月24,25日の2日間にわたり前橋赤十字病院 博愛館&教育研修推進センター(旧・看護学校)で、『第5回JATEC前橋コース』が開催されました。全国からたくさんのインストラクターの先生方に集まっていただき、今年も盛況にコースを開催することができました。心より感謝いたします。 ☆JATECコースの詳細は ⇒ http://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html 今回のコースでは、群馬県内から9名のインストラクター(CD,CMD含む)に参加していただきましたが、当科からも4名のインストラクターに加えて以前当科で一緒に働いた仲間である仲村先生、畠山先生も駆けつけてくれました。 毎回恒例で受講生へのデモンストレーションはチーム群馬で行いましたが、2年連続で仲村先生&畠山先生コンビの“軽快なリズムで受講生をぐいぐい引き込みながらしっかりとした診療を魅せる”圧巻のデモンストレーションを見せていただきました。 仲村先生(右から2人目)の突込みに的確に対応する畠山先生(左から2人目)! 突込みのポイントこそまさに大事なところで、受講生にとってとても親切なデモでした。 当院の雨宮先生と小倉先生もデモメンバーとして参加しました。 また県内各病院・消防よりタスクとして参加していただいた看護師、救急救命士の皆様にも、2日間朝早くからコース終了後の片づけまで、受講生がコースに集中して臨めるようにコース運営にたくさんのご協力を頂きました。本当に心より感謝いたします。 CMD,CDにとってタスクの皆さんの協力なしでは コースが盛況に終わることはなかったと思っています。 また1日目終了後には懇親会が開催されましたが、集まっていただいたたくさんインストラクターの先生方から貴重なお話をいただく機会となり、ますます日々の診療をがんばらなくてはいけない気持ちがさらに強くなりました。 当科には現在JATECインストラクターが8人在籍しています(うちインストラクタートレーナー3人)。平時の診療からも当科で一緒に働いてくれる若い先生方、専門科の先生方にも多くのことを伝えていけるように、インストラクター自身も全国の先生方を見習ってさらにスキルアップをしないといけないですね。

たまには“ゆる~く”・・・

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町田です。 昨日の深夜番組で但馬救命救急センターのフライトドクターの特集を放映していました。見学に行った際に少ししか挨拶できなかった先生でしたが、診療の様子やヘリ運用方法を見ながら「まだまだ追いつけないな~」としみじみ感じました。また昨日より当院でJATECコースが開催されており、全国から講師の先生方が集まってくださっています。 病院でもテレビを通しても、つねに全国から刺激を頂いております!もっともっと頑張らねば・・・ 今日はちょっと“ゆる~い”感じで書かせていただきます。(たまにはお許しを。) 皆さんもご存じのように昨年は群馬県の県公式ゆるキャラである「ぐんまちゃん」がゆるキャラグランプリで1位となり、今まで以上に群馬県のアピールのために活躍しております。実は群馬県のお薬手帳の表紙もぐんまちゃん、検診やうがい・手洗い促進のポスターにもぐんまちゃんが採用されており、小さな子供から高齢者の方までよりわかりやすく、そして親しみやすく医療に関われるような工夫がされています。 もちろんドクターヘリにおいても以下のようなデザインが正式に採用されており、ドクターヘリ活動の市民へのご理解のためのさまざまな場面で登場しています。 先日山梨県立中央病院の岩瀬先生にご講演をいただきましたが、お土産においしいお菓子と「竹田菱丸」くんなるゆるキャラを頂きました。 当院のドクターヘリ通信センター(CS室)には、救急災害医療関係のイベントで集まった際や当院に見学へ来られた際に全国の皆様からいただいたゆるキャラが集結しています。皆様方との交流にはいろいろな形があると思いますが、スポーツ選手が試合後にユニフォームを交換するようにゆるキャラ交換も行われているときもあります。 壁一面のゆるキャラを見ると「全国の皆さんとつながっている」ことを感じ、そして見学やお話しした際にうけた刺激を思い出し、もっともっと前に向かって進んでいかなければと思います。 見た目は“ゆる~い”ですが、いろいろなメッセージが込められていることを忘れていませんよ!

“山梨県の観測史上最高の豪雪に対する救急活動”~山梨県立中央病院 岩瀬史明先生ご講演~

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今シーズンの冬は特に寒さが厳しく、時々群馬県の平野部にも雪の予報が出ていますが、今までのところ雪が積もって困っている状況には陥っていません。しかし1年前の2月に大雪が2回あり、特に2回目の時は一時的に救急体制の崩壊をきたした雪による災害が起こりました。その時の苦い経験を忘れずこの冬もきちんと乗り切れるための様々な準備が必要です。 昨晩は当院にて第69回地域医療学術講演会を開催され、そこで昨年の群馬県と同様に大雪による雪害を経験した山梨県の対応から多くのことを学ぶために、山梨県立中央病院救命救急センター長である岩瀬史明先生をお招きしてご講演をいただきました。 山梨県立中央病院救命救急センター長 岩瀬史明先生 まずは1年前の当院の対応をお話しさせていただきました。大雪で来院数が少なかったことで「院内にいるスタッフで何とかなる」と判断してしまい、災害対応のスイッチを入れなかったことで患者対応以外の様々な面で大きな対応の遅れを生じさせてしまった雪害対応の失敗について、あらためてお話しさせていただきました。 2月15日日当直医長&救急外来リーダーから反省の弁・・・ 大雪の日に実際に活動していた救急隊からもお話を頂きました。   続けて当院とは対照的に、しっかり災害モードを立ち上げて雪害に伴う様々な問題をクリアしていった山梨県の対応について、『山梨県の観測史上最高の豪雪に対する救急活動』というタイトルで貴重なお話をいただきました。 とても興味深い内容で、1年前のことが鮮明に思い出されました。 昨年の苦い経験から近隣の先生方とともに多くの病院スタッフが会場に集まりました。    山梨県立中央病院では救命センターの医師を中心に災害対策本部をたてて院内の対応に当たったともに、岩瀬先生みずから山梨県庁に駆け込んで県の暫定災害本部に入りました。県庁に入ることで、大雪による様々な問題を解決するために行政、消防、そして自衛隊との連携・調整を行ったとのことです。 とくに患者さんが通院できるように甲府市内にある大きな病院周辺の除雪を自衛隊の方の協力で速やかに行ったとともに、空路搬送がすぐにできるように病院ヘリポート、ヘリ待機場所の基地、そして主要ランデブーポイントの除雪を優先に行い、群馬県がまったく身動きが取れなかった15日から

“迅速な判断”で1秒でも早く患者のもとへ!

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町田です。 群馬県はドクターヘリで片道20分以内でカバーできるコンパクトサイズの県です。 ランデブーポイント上空到達時間も離陸から平均7,8分ととても早く、その間に消防本部、現場活動中の救急隊、ランデブーポイントの支援隊と「いかに患者さんに早く到達するか」の戦略を立てなければいけません。 群馬県ドクターヘリによる現場出動のほとんどはランデブーポイントで救急車とのドッキングを行い、その救急車内で患者さんの診療を開始します。消防本部からランデブーポインをも運航開始時より約5倍に増やしていただき、より傷病者が発生した現場近くに着陸できるようになってきています。(2014年12月現在のランデブーポイント数:748ヶ所。) しかし傷病者が現場からなかなか離脱で着ない時(救出事案等)、ランデブーポイントから現場までの距離が遠い時などは、現場近くに安全に着陸できるポイントがあるときは現場直近に着陸したり、ランデブーポイントに着陸後に支援車で現場まで向かうことがあります。群馬県では現場出動のうち約5%で現場直近に着陸、約8%でランデブーポイントから現場に向けて医療スタッフの派遣を行っています。 イメージ的には現場直近がもっとも早く接触できると感じるかもしれません。もちろん現場付近に安全に着陸できる場所があれば、法律上は機長の判断で着陸できることがあります。しかしへりコプターの着陸に際しては、特にダウンウォッシュなどによる人的・物的被害を起こさないように細心の注意が必要であり、群馬県では着陸には必ず消防職員による安全確保を条件としています。 そのためちょっと遠くなっても速やかにランデブーポイントに着陸して、そこでエンジンカットをしない状態で降機してすぐに支援車に乗って現場に向かった方が結果的に傷病者への接触が早くなる場合があります。 また傷病者の状態によっては、下手にランデブーポイントから動いてリスクを冒して途中でドッキングするよりも、落ち着いて待っていた場合のほうが良い時もあります。  最終研修中の菊川先生も決断に迫られています・・・ 迷うことなく現場に向かいます! 現場直近に着陸、ランデブーポイントから医療スタッフ派遣、ランデブーポイントでのドッキングの選択はヘリで向かっている間に、傷病者の発生場所、ランデブーポイントとの位置関係、安全

強風との戦いの強力なサポーター!~前橋市消防局の迅速な対応に感謝~

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町田です。 毎年冬になると「上州の空っ風」といわれる冷たい北風が吹きつける群馬ですが、今シーズンは例年に増して風の強さがものすごいことになっています。 今月も20日がたちましたが、屋上ヘリポートでドクターヘリが待機できている日はたった6日のみです。屋上ヘリポートは地上の2,3倍の風が吹き付けるため、北風が強い日の屋上ヘリポートは台風の時以上の風が吹き付けることもあります。あまりの風の強さにヘリが壊れるリスクがあるため、強風時は地上にある群馬ヘリポートに駐機して出動スタンバイをしています。 風が強くて屋上ヘリポートに駐機できないことは、実はそれほど大きな問題にはなりません。群馬ヘリポートの当院はヘリでは2,3分の距離のため、要請を受けてから現場に到着するまでの時間は群馬ヘリポートからの出動でもあまり変わらないからです。 屋上ヘリポートが使えないことで一番困ることは、病院の直接患者さんを搬送できないことです。特に前橋市内では3次救命を担っている基地病院、大学病院、そして県立の循環器専門病院が すべて屋上ヘリポートであるため、強風時の重症患者の搬送は「一度病院の近くの地上のランデブーポイントに着陸して救急車に乗せ換える」という手間も時間ロスも生じてしまいます。 前橋市内における屋上ヘリポート設置病院と代替え地上ランデブーポイントの位置関係 (基地病院が最も地上ランデブーポイントが遠い・・・) この時期はかなりの件数で代替え地上ランデブーポイントに着陸することが多いのですが、その時に活躍していただくのが地元の前橋市消防局です。出動先の消防本部から地上ランデブーポイントの安全確保&搬送救急車の準備を依頼された前橋消防局は、ヘリがたいてい15分以内に前橋に戻ってくるのでただちに支援隊と救急隊を派遣していただきます。 多いの時は1日に3回も地上ランデブーポイントの安全確保と救急車搬送をお願いする日もありましたが、いつも素早くかつ丁寧な対応に心より感謝しております。 病院近くのランデブーポイントに着陸し救急車で病院に搬送します。 病院搬送中の待ち時間に「ドクターヘリ見学会」が行われることがあります。 このような対応はヘリポートがない病院にヘリ搬送する際には必ず発生することであり、すべての消防本部・局に本当にいつもお世話になっています

高崎ドクターカーと群馬県ドクターヘリの連携!

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町田です。 みなさんは『命に国境はない!』という言葉をよく聞くかもしれませんが、この言葉はまさにその通りだと思っています。たまたま見ていたテレビ番組で、1990年にサハリン(当時ソ連)から全身熱傷の小児を受け入れるた時の話題が取り上げられていました。その当時北海道で中学生をしていた僕も、サハリンから札幌医大に国境を越えた搬送が行われて治療を続けている報道を連日見ていたので、とても印象深い思い出として残っています。 国境までとは言いませんが、群馬県のプレホスピタルの現場でもここ数日のあいだで立て続けに『組織をこえた連携』がつづきました。今回は「高崎ドクターカー」と「群馬県ドクターヘリ」の連携の話題です。 当科から毎週月曜日に「高崎ドクターカー」のカードクターとしてスタッフ派遣をしています。ちなみに高崎ドクターカーは高崎総合医療センター所属で、高崎市等広域消防局&多野藤岡広域消防本部の一部の要請で高崎市内に出動しています。基本的に出動先で初療を行った後に高崎総合医療センターに患者搬送するのですが、特殊な疾患など治療できる医療機関が限定されるような症例の場合もあります。 そのような時に搬送先が遠く患者さんの重症度が高い時は、より迅速で安全な搬送手段が必要です。そのような時にドクターヘリも同時に要請することで、ドクターカーで初療を行った後にランデブーポイントでドクターヘリにリレーし、より早く根治的治療ができる病院に搬送してもらうことができます。 高崎ドクターから群馬県ドクターヘリへのリレー! この連携はけっして僕たちが高崎ドクターカーに乗っている日だけではなく、それ以外の日でもこのような連携がスムーズにできるような環境作りをすることも、僕たちが週1回だけですが高崎ドクターカーに乗る大きな意味があると感じています。他機関のドクターカーといっても、当科のフライトドクターには群馬県と近隣医療圏の医療事情を常にモニターすることを義務づけているので、当然のことながら高崎市内の医療状況も把握しています。 一緒に乗ったカーナースもとても熱心で、僕たちの活動から多くのことを学ぼうとする姿勢が感じられます。僕たち自身も他機関の中に入って活動することでとても刺激を頂くことができます。 今回の運用パターンからさらに多くのことを 学んでいる熱心なカーナースです!

阪神・淡路大震災から20年がたちました・・・

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1月17日・・・阪神・淡路大震災が起こった日です。 今から20年前の平成7年1月17日午前5時46分52秒、淡路島北部沖の明石海峡を震源としたM7.3の地震が発生しました。 この地震による死者・行方不明者は6,434名と多くの尊い命が奪われた大きな災害でした。   20年前のこの日、関東で医学部1年だった僕は呆然とテレビを見ていた記憶があります。 その2年前に起きた北海道南西沖地震の時は、地元北海道で自分自身も揺れを強く感じ、そして夜にもかかわらず空をヘリコプターが飛び交っている音を聞いていましたが、阪神淡路大震災の時は、画像から目に入ってくる衝撃的な映像と自分の周囲に何も起こっていないギャップに、よくわからないままただただ数日を過ごしていました。数日後に大学の同級生から「実家がつぶれちゃった」という話を聞いて、そこでようやく関西で起きている現実に気が付きました。 それからは日々入ってくる情報から何かできることがないか考えながら過ごしていたような気がします。もちろんその当時の医学部1年の僕にできることがほとんどなく、自分の無力さに落ち込むとともに将来は救急災害医療にも貢献できる医師になろうと考え始めるきっかけになりました。 阪神・淡路大震災での経験がいまの災害救護医療にたくさん生かされております。急性期災害医療チームの誕生、ヘリコプターの医療への活用など、今では当たり前となっていることが、実はこの経験から生まれてきています。 その後の中越、中越沖、そして東日本大震災などの大きな地震災害でこの時の経験が生かされているとともに、阪神・淡路大震災を経験した方々が様々な活動に実際に参加されて被災者の方々を支えていました。 20年目の今、群馬は相変わらず風の冷たい朝です。震災当日の関西地方もきっと寒い日だったでしょう。地震により亡くなられた方々に心よりご冥福をお祈りするとともに、被災者・被災地のさらなる復興と発展を心から願っております。 昨日と今日の2日間、群馬県庁において『平成26年度群馬県危機管理フェア』が開催されています。20年という節目にもしお時間がある方はぜひ足を運んでみてください。災害に対する群馬県の取り組みだけではなく、皆様一人一人が普段から減災・免災のためにできるヒントがたくさんあると思います。 本日は自衛隊によ

今年も群馬大学医学部生の実習が始まりました!

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町田です。 今日は午後から前橋市内もみぞれが降り、一時的に止まっている車には白く積もりました。 しかし夜にあまり気温が下がらなかったために道路に積もることはなく、夜遅くなりすっかりみぞれも降りやみました。明朝にかけて星空がまた顔を出してくれるようです。 毎年1~7月にかけて群馬大学医学部の5~6年生が、1人当たり2週にわたって当科で実習に来てくれます。学生時代から他病院に足を運んで実習を受けるその心意気にいつも感心しています。 当科での実習の評価は、規定日以上の出席(これだけはごまかせない・・・)とやる気のみです。とても短い実習期間なので、知識の評価よりも多くのことを体験してもらえるように考えています。 学生さんに心細い思いをさせないようにスタッフ一同「未来の希望の星」を育成するためにいろいろアイデアを考え中です。(実は今年初めて学生実習の希望者が減ってしまい、学生担当としてとても責任を感じています。) 先週から来ていただいている学生さんは明日が次週最終日で、今日は一緒に当直をしてもらっています。夜の救急外来ではリアルに世の中の救急医療の事情がよく見えてきます。そのようなことを知ってもらうのも、将来医師になったときに必ず役立つものだと思っています。 この2週間ずっと強風でドクターヘリが病院ヘリポートに戻ってくることがありませんでしたが、今日は久しぶりに朝から屋上待機で、お昼に天気が崩れるまでの間をつかってドクターヘリ見学会も行いました。(この3年間、よっぽどの事情がない実習に来た学生さんをドクターヘリとともに記念写真に残していまて、実習の記念にプレゼントしています!)

警察の皆様に感謝!

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町田です。 当科は「プレホスピタル(病院前医療)から救急・蘇生治療、集中治療、そして入院患者のマネージメントまで」、一元的に救急患者を診られるようにしていますが、勤務ではこれらの業務をローテーションを組んで担当しています。ローテーションの項目には、ドクターヘリ(カー)当番、救急外来当番、集中治療室専従当番、そして当科入院患者主治医当番と4つの業務があり、とくに入院患者のマネージメントを主業務とする主治医当番は3-4週間の期間で連続して専念することになっています。 前橋赤十字病院 集中治療科・救急科の業務内容です。 当科入院の患者に関しては、緊急度が高かったり社会的に複雑な背景がある割合がどうしても高くなっており、警察も同じ事案に関係していることが多いのも事実です。例えば、交通事故、心肺停止事案、傷害事件などがわかりやすい例です。 病院は患者さんの病状をよくするために医療に専念します。しかし、現場で何があったのかなど病院前での状況は院内にいるとなかなかつかめない時に、救急隊からの情報とともに警察の現場検証が大いに役立つことがあります。現場の状況から患者さんの受傷機転などがわかる場合もあります。 警察はその事案・事件を解決するためのアプローチがあります。病院は医学的なアプローチがあります。同じ事案でも警察と病院でアプローチの仕方が違うので、昔から警察官と医師がよくもめているのを目にします(これは事実です)。 僕は昨日まで32日間にわたって主治医業務の当番をしていましたが、残念なことに警察の方と共同しなくてはいけない事案がたてつづきました。しかし今まで顔の見える関係作り(昨年春には「花見の会」という名の懇親会も開催!)のおかげなのか、すべての事案において良好な関係で一緒に活動することができました。 警察も病院も最終の目的は一緒です。 『患者さんの生命と社会の安全を守る』ことが我々の使命です。これは消防も行政も同じです。警察、消防、病院、そして行政が一体となれば市民にもっと安全・安心をお届けできるのではないかと考えています。 群馬県警察のキャラクター(上州くん&みやまちゃん)です。   年末にこんな話がありました。 患者さんが退院するときに、担当した刑事さんがポケットマネーでお祝いの花を届けてくれたそうです。患者さん、患者さ

『前橋ドクターカー』はようやく100件出動を達成しました。

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町田です。 2013年2月1日よりドクターヘリの補完事業として始まった『前橋ドクターカー』ですが、本日ようやく100件の出動を達成しました。 ドクターカーに関しては全国多くの病院ですでに導入されているもので、1か月に100件以上出動しているドクターカーもあるため、約2年かけての100件出動は決して多い数ではありません。 しかしあくまでドクターヘリの補完事業であることから、“初日の待機時間が1分”で始まったことを考えると少しずつ進化していることも事実です。  2015年1月12日現在 要請可能な幅が広がるに従い、当然のことながら出動数も増加しています。 最初は「①ドクターヘリの日没が早くなった時間」の補完のみから始まりましたが、しばらくして「②悪天候などでドクターヘリが運休時」にも出動できるようになりました。 とはいっても、あくまでドクターヘリスタッフがドクターヘリが飛べない時に代わりにカーで行くという構図であったため重複要請時に利用できないデメリットがありました。もちろんそのまま黙ってはいません。ドクターヘリの重複要請に対する未出動が増えたことから、次は「③重複要請などでドクターヘリが他事案に出動中」でもセカンドスタッフがドクターカーで出動できるようになりました。 このように①②③と少しずつ要請可能の幅が広がってきて、ようやくこの件数までたどり着きました。  原則は前橋市消防局救急車によるピックアップでの出動方式です。 『前橋ドクターカー』は、前橋市消防局管内(前橋市内)限定で、前橋市消防局救急車によるピックアップ方式が原則となっています。また、ドクターヘリ要請可能時間中はあくまでドクターヘリ要請が優先となっています。基地病院もスタッフの勤務の都合上で、常時セカンドスタッフが控えている状態にもなっていません。 まだまだヘリとカーが常に同時に出動できるような体制になるまでにはまだまだ多くの問題を解決しなくてはいけませんが、ニーズがあることは間違いないので消防も病院もそれにこたえていけるように準備していかないといけません。特に病院スタッフの出動スタンバイに関しては検討することだらけです。 群馬県のドクターカーに関しては、高崎総合医療センターを基地病院とした『高崎ドクターカー』が先輩です。毎週月曜日に当院からもス

今年のキーワードは『埼玉県との連携』です。

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町田です。 2年前の春の高校野球で初出場初優勝で群馬県に歓喜をもたらした前橋育英高校が、準決勝でPK戦の激戦の末に勝利を収めて決勝に進出しました。決勝もぜひ頑張っていただきたいですね! 仕事の一休みに・・・のつもりが見入ってしまいました。 ところで国立競技場の改修工事に伴い準決勝、決勝は『埼玉県』で行われています。 そうです、今年は群馬県の救急医療にとってなにかと『埼玉県』とは連携が深まる年になります! 利根川と神流川を挟んで北に群馬、南に埼玉と、橋1本で隣り合っている関係にあります。 昨年末には「群馬県救急医療搬送システム」が『群馬県統合型医療情報システム』とグレードアップして、救急車の搬送状況、病院の受入れ状況などに関して群馬県と埼玉県の情報が同時に見られるようになりました。 もともと埼玉県北部の救急車を群馬県内の病院で相当数受け入れていたことは周知していましたが、その数が実際に見られるようになり県境と医療圏が必ずしも一致していないことをあらためて確信しました。それ以上に驚いたのは、やはり埼玉県は群馬県に比べて救命センターが2.3倍に対して人口は3.5倍いるので、一つの救命センターが受けている救急車の数が群馬県よりも平均的に高いことでした。 まだまだ当院の救急車受入れ数で“忙しい、忙しい”と言っている場合じゃないですね。 埼玉県の各病院の救急車受入れ状況もモニターできます。 そして群馬県ドクターヘリにとっても、北関東(茨城県・栃木県・群馬県)広域連携に続き、今年は埼玉県と広域連携を締結する予定です。すでに広域連携運用要領作りも大詰めを迎えており、1日も早い運用開始を待つばかりです。 先ほども書きましたが、県境と医療圏は必ずしも位置していません。気軽に隣県にも出動できるような体制になれば、県境関係なくその時最も早く患者さんのもとにたどり着けるドクターヘリを要請できるようになるでしょう。それが僕の目指しているところでもあります。 左:茨城県・栃木県・群馬県ドクターヘリ広域連携のマニュアル 右:群馬県・埼玉県ドクターヘリ広域連携マニュアル(作成中) ともに表紙はゆるきゃらが飾っています・・・  これからは以下のような動きは当たり前の時代になってほしいと感じています。  群馬県ドクターヘリと栃