2014年8月31日日曜日

戸田先生、3ヶ月間ありがとうございました。 (群馬県ドクターヘリ8月活動実績速報付)

今年度の『たすき掛け研修』のトップバッターとして6月2日から群馬大学医学部付属病院初期研修医の戸田和辰先生が集中治療科・救急科で研修を行ってきましたが、本日をもって3か月間の研修を終了しました。

初期研修医2年目で自分の所属している病院から離れて3か月間みっちりとER、ICUで重症患者さんの診療に携わっていただきました。
最後は救急車の同乗研修を行った後にドクターヘリに搭乗し、病院前医療についてもしっかり学んでもらいました。

本当に3ヶ月間、ありがとうございました。またどこかで一緒に働く機会があることを期待して楽しみにしています。





(4月から当科で研修を開始した戸田先生は、後期研修医の戸田“祐太”先生です。引き続き当科で研修継続中です!)



☆群馬県ドクターヘリ8月活動実績速報☆

栃木県防災ヘリから群馬県ドクターヘリへの患者引継ぎ

〇要請:118件(3.81件/日)・・・先月+13件、昨年同月-9件
〇出動:84件(2.71件/日)・・・先月+13件、昨年同月-16件
 ・現場出動              67件
 ・施設間搬送            4件
 ・出動後キャンセル             13件(キャンセル率:15.4%)
 ・その他                 0件
〇未出動:34件
 ・重複要請              21件
 ・救急隊現着後キャンセル     6件
 ・天候不良                  4件
 ・待機時間外                0件
 ・その他                3件
☆未出動に対する代替出動:9件
 ・群馬県防災ヘリドクターヘリ的運用   1件
 ・群馬県防災ヘリ               1件
 ・栃木県ドクターヘリ            2件
 ・信州ドクターヘリ佐久             3件
 ・前橋ドクターカー              1件
 ・高崎ドクターカー              1件




月別要請数(上段)、出動数(下段)。
出動数は昨年12月から9か月連続で前年度より低下しています・・・

 <要請消防本部>要請/出動:118/84件
 ・吾妻広域消防               30/23件 
 ・前橋市消防                 15/11件
 ・高崎市等広域消防          13/8件 
 ・渋川広域消防             12/8件 
 ・桐生市消防               11/7件 
 ・利根沼田広域消防          10/7件
 ・多野藤岡広域消防            8/6件 
 ・伊勢崎市消防             7/5件 
 ・富岡甘楽広域消防            6/5件 
 ・館林地区消防               3/2件
 ・太田市消防                 2/2件
 *北関東広域連携(栃木県)      1/0件


 <搬送先病院>傷病者:79名(多数傷病者事案:6名 1件、2名 3件)*不搬送:2名
 ・29名:前橋赤十字病院・・・U-turn率:37.7%
 ・11名:群馬大学医学部附属病院
 ・ 8名 :高崎総合医療センター
 ・ 3名 :公立藤岡総合病院、伊勢崎市民病院
 ・ 2名 :太田記念病院、公立富岡総合病院、日高病院、西吾妻福祉病院、真木病院、野邑医院
 ・ 1名 :桐生厚生総合病院、済生会前橋病院、原町赤十字病院、利根中央病院、館林厚生病院、渋川総合病院、群馬県立小児医療センター
 *他県搬送
 ・ 4名 :佐久総合病院佐久医療センター(長野県)


ただいまドクター、ナースともに、新たなフライトドクター、フライトナースの誕生に向けての同乗研修中です!



2014年8月30日土曜日

『For MIYAZAKI』~ドクターヘリ活動の恩師との再会~

町田です。
8月30日に行われる平成26年度内閣府広域医療搬送訓練のために宮崎県に来ています。道路沿いに生えている木や花から南国の雰囲気を感じます。
僕の訓練会場は宮崎県庁です。大分県には高橋医師、中村医師が参加予定です。
(訓練参加の様子は後日報告予定です。)

宮崎県では2012年4月よりドクターヘリの運航が始まっており、基地病院は宮崎大学医学部附属病院です。
群馬県がドクターヘリを運航開始する前のちょうど6年前に、当院のフライトドクター・ナース候補がその当時の全国の基地病院に行ってドクターヘリ研修を受けさせていただきました。僕は日本医科大学千葉北総病院で約1週間お世話になりましたが、その時にお忙しい救命救急センターでの仕事の合間を利用して、出動待機中の僕に『ドクターヘリの運用の仕組み』、『ドクターヘリで現場に医師が行く意味』、『地元にドクターヘリを導入する必要性』について丁寧かつ熱く教えていただいた金丸先生とお会いする時間を頂きました。
僕にとって金丸先生はドクターヘリ活動に関する大切な恩師であります。
『ドクターヘリ活動の意義』と『救急医療が地場産業であること』を
僕の心に熱く焼き付けていただいた先生です。

宮崎県にドクターヘリを導入するための先生の熱心な取り組みを短期間ですが触れることができ、そこで感じたことはいま群馬県ドクターヘリの活動の中にも生かされています。
すべては県民の皆さんのために!
 
 
今回は訓練の打ち合わせで宮崎大学医学部付属病院にお邪魔させていただきました。
ドクターヘリクルーのユニフォーム、救命救急センタースタッフのスクラブの背中にはみな同じ言葉が書いてありました。『For MIYAZAKI』
お忙しい中ご案内いただきありがとうございました。
 
 
 



2014年8月28日木曜日

いつも新しい可能性を探しています!~群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。~

町田です。

8月26日に『平成26年度第2回群馬県ドクターヘリ症例検討会』を開催しました。
毎回100名を超える参加者に集まっていただいていますが、今回はあいにくの雨模様にもかかわらず会場となる博愛館からあふれんばかりの過去最大ともいえる消防関係者、病院関係者、そして行政担当者の方に集まっていただきました。


3か月に1度開催されているこの会は、『おもにこの1年の実績報告』と『5,6件の症例検討』で毎回構成されています。


①実績報告

要請数は今年度も増えていますが、出動数が減少しています。
長期運休と天候不良の影響が大きいですが、重複要請時に
速やかに他手段での代替え出動が増えていることもあります。

今年度の消防覚知から傷病者接触までの時間は30分、消防覚知から病院到着までの時間は60分。
ギリギリ目標に到達していますが、まだまだ短縮することは可能です。


②症例検討
今回は5事案に関して検討させていただきました。
症例検討会の目的は、『良いアイデア、方法を紹介して皆さんの次回の活動に生かしてもらう』、『さらにもっと良い方法がないか皆さんでさらに考える』を考えています。
単なる症例の経過報告だけではなく、その患者さんに早期接触するために最大限の努力がされているか、多数傷病者事案の対応で本当に今回の活動がベストであったかなど、さらに高みを目指していくことに意味があると感じています。

最後のまとめにメッセージを込めています。

検討事項があればとことんディスカッションします!
良い活動はみんなで大々的にシェアします!


③今回は5,6月に起こった長期運休間の対応の報告をさせていただきました。そしてその間に感じた周辺各機関との連携の可能性についても、信州ドクターヘリ佐久との連携の可能性を会場の皆さんと考えてみました。
そろそろ隣県と合同の症例検討会も行う時期かもしれません。
実は本症例検討会の直前に『群馬県と埼玉県とのドクターヘリ広域連携に関する打ち合わせ会議』が行われて、それぞれの県庁と基地病院の担当者が集まった話し合いが開催されました。(詳細はまた後日に報告する予定です。)
広域連携の環は確実に広がりつつあります!


④さらに災害対応のスイッチを入れるための情報入手に関わることについても、意見を提示していただきました。
情報が確定するのまで待つのではなく、『情報のかけら』からでもスイッチを入れることをあらためて確認できたと思います。



 
昨年度から3時間という長い時間をとらせていただいていますが、今回はいつも以上に基地病院側からの疑義に対していい意味で消防関係者からの突込みが多くとてもディスカッションが深まり、あっという間に時間が過ぎていったように感じます。

出動数は昨年度をピークに今年度は減少に転じていますが、要請数が減っていないのは消防側のドクターヘリ活動へのモチベーションが下がっていないと感じます。そして要請までの時間もどんどん短くなっており、重複要請時にも積極的に他手段を用いた早期医療接触がなされる件数もかなり増えています。
それでもまだまだできることはたくさんあります。症例検討会のたびに新たな課題とともに可能性が見えてきています。前に進み続けます・・・

2014年8月26日火曜日

前橋市消防局救急車同乗実習を行いました。

はじめましての戸田です。
先日、前橋市消防局で救急車同乗実習をさせていただきました。

いつも自分たちは病院で患者の受け入れを待っている側で、患者が病院に搬送されるまでは、ドクターカーやドクヘリなどプレホスピタルの活動で出動がなければ、ほとんど関わる機会がありません。
いつもは救急車を病院で待っている立場ですが・・・

今回は中央署の救急隊のみなさんにお世話になり、救急車に同乗して救急要請から病院までの搬送といった普段の診療に至るまでの活動について勉強させてもらいました。

お世話になった1日で8回の出動でしたが、重症例からこれって救急車が必要なの?と思うような要請まで様々でした。

救急隊のみなさんは患者搬送の時間を短縮するため努力をしていて、実際に以前自分がいた地域での救急搬送時間に比べるとだいぶ早く感じました。

しかし、よくタクシー代わりに救急車を呼ぶ人がいるとニュースで流れることがあります。今回ご一緒させていただいた中で実際に目の前でそういったことが起こっているのを目の当たりにする場面や救急隊員の方の話を聞いて、ちょっと残念な気持ちになりました。

前橋市消防局中央消防署
ちなみにこちらの施設、建物の一番上にカメラがついていて前橋市内を24時間監視しており、火災があるとそちらにフォーカスされるようになっているそうです(ちょうど僕が伺った前日の夜に火災があって、その映像を見せてもらいました)。
前橋赤十字病院の屋上のヘリポートもばっちり映っていました。


前橋市消防局中央署の皆様、とても勉強になりました。
お忙しい中ありがとうございました。

2014年8月25日月曜日

第4回ぐんまMCLS標準コースを開催しました。

町田です。

本日は当院で『MCLS標準コース』が開催されました。
MCLSとは「Mass Casualty Life Support」の略で、『多数傷病者への対応標準化トレーニングコース』です。

東日本大震災での災害対応で改めて職種を超えた連携の重要性が再認識されたことから、 日本集団災害医学会災害医療コーディネーション委員会が、「消防や警察など災害のファーストリスポンダーとなりうる要員を対象とした災害医療の研修会として『多数傷病者への医療対応標準化トレーニングコース』」を開発されたコースです。本コースの大きな特徴として、DMAT隊員が学んでいる内容を多く取り入れ、その理論や用語の普及と共通化を目指すことで、消防・警察等とDMATとが災害現場においてより連携がスムーズになるようにコースプログラムが組まれています。
(日本集団災害医学会ホームページより一部引用。)


群馬では今回のコースで4回目の開催となります。災害県内のインストラクターの数も充実してきました。当院でも急性期初期対応コースが定期的に行われておりますが、このようなコースに参加するたびに知識の再確認だけではなく、ディスカッションでインストラクターも勉強になるような貴重な意見も聞くことができます。
そして顔の見える関係が広がることで、実際の多数傷病者事案の対応で現場でのよりスムーズな対応の手助けになっています。

ちなみに今回僕はCMD(Course Medical Director)というコース担当責任医師という立場で参加しました。

実は前日まで長期休暇であったため事前準備はCC(Course Cordinator)の救急救命士さんをはじめ多くのスタッフにまかせっきりでした。本コース開催に当たりお世話になったすべてのスタッフの皆様に心より感謝いたします。

2014年8月24日日曜日

心臓外科手術ハンズオンセミナー(wet lab)に参加しました。

菊川です。
820日に当院心臓血管外科で開催していただいた心臓外科手術wet labへ参加しました。

このセミナーはブタの心臓を使わせていただき、解剖や実際にどのような手術手技が行われるのかを勉強するセミナーです。当科より鈴木先生と菊川で参加させていただきました。
 
参加した研修医の先生方と

まず始めに手術に使用される人工弁の説明をいただいた後、実習に入りました。実習では、心臓血管外科の先生方から解剖の説明をいただき、その後に弁置換術を実際に体験させていただきました。解剖は本で見るものよりもずっと構造がわかりやすく、理解が深まりました。

心臓血管外科の先生より解剖の説明
また、今までは見る側でしかなかった実際の心臓手術手技を体験させていただき勉強になったとともに、それを普段の診療で実際に施行されている心臓血管外科の先生方の技術の凄さをあらためて感じました。

弁置換術の体験
我々も普段、心大血管疾患や胸部外傷の患者さんの診療を行ったりECMO、心臓超音波検査を施行したりすることもあり、今回のセミナーで得られたことを役立てていきたいと思います。


セミナーを開催してくださった心臓血管外科の先生方、スタッフの皆様ありがとうございました。

2014年8月22日金曜日

天気予報も五感もフル活用!~天候の急変に備えて~

町田です。

広島の大雨による被害ですが、本日21時の時点で死者が40名、行方不明者は少なくても47名まで増えてしまいました。災害対応はもちろんまだまだ続いており、災害急性期から亜急性期の対応に移っているようです。現地の医師からの話では、現場でのDMAT活動は終了し救護所などの調査を行った後に、いまは各病院で搬送された患者さんの対応にあたっているとのことです。また現場ではDMATと赤十字救護班の協働も行われていたとのことです。
☆県立広島病院の今回の災害対応に関する詳細がこちらのブログに掲載されています。
→http://hph-ccmc.blogspot.jp/2014/08/2014820.html

まだまだ被災者にも救援者にも長い災害対応の日々が続くと思いますが、体調を崩さないように祈るとともに赤十字として我々も群馬からできるかぎりの支援を行っていきましょう。


日没前の時間ですが黒雲が夕焼けを覆い尽くし始めました。

前橋は今日も最高気温が35度を超えましたが、僕が住んでいる高崎市でも17時半ころより空が真っ暗になり雷とともに激しい雨が降り始めました。気温が一気に10℃も下がって涼しくなったのは良かったのですが、あまりの雷と雨の激しさに高崎市内では停電や火災が発生していました。
雨雲レーダーを見ていると、広島に大雨が降ったときのように大雨を降らせる雨雲が高崎、前橋、桐生という地域を縦に流れていく図になっていました。
18時20分から45分ごとの雨雲レーダーです。

救出作業のニュースの映像などを見ると、眼下に広島の市街地の明かりが見えており、土砂災害などの自然災害は都会のすぐ足元まで迫っている恐怖を感じました。私の実家の近くの山沿いの市営住宅も、ここ数年の連日の大雨による影響で閉鎖されたとのことでした。

ドクターヘリが運航開始になってから天気予報を見る機会が増えていますが、ここ数年は毎年の夏の大雨、台風の猛威などにより、つねに天気予報とにらめっこの日々が続きます。
もちろん自分の身の安全を守ることが大事です。実は今日は夕方に近所まで買い物に出かけていたのですが、急にひんやりした風が吹いてきたのを感じて「これは夕立が来る!」と思い、買い物を早々に切り上げて帰宅しました。その数十分後に1時間20ミリ以上の大雨が3時間続きました。
急な気象の変化に対応するために天気予報とにらめっこも必要ですが、『何か変!?』と疑い早めに身を守る行動をとることが大切です。

2014年8月20日水曜日

1人でも多くの方の救助を祈っています。~広島市豪雨被害~

町田です。

休み中の僕の目に飛び込んできたニュースに驚きと悲しみがあふれてきました。広島市に夜中に多くの雨が集中したことで大きな被害が発生してしまいました。
8月20日21時のニュースの段階で死者36名、行方不明者7名で、残念ながら亡くなった方には小さなお子様や救助活動中の消防隊員が含まれているとのことです。

私の知り合いの多くの医療関係者もDMATとして災害対応に当たっているとのことです。災害対応している関係者の方々の安全を祈るとともに、1人でも多くの方が救助されることを心より願っております。

遠く離れていても必ず何らかの形で支援ができることを忘れずに・・・

2014年8月19日火曜日

PFCCSに参加しました。

田中です。8月の頭にPFCCSに参加してきました。

救急外来、ICUでは小児を診ることがあるのですが、小児はいつもプレッシャーが大きい存在です。辛そうな小児を見ると冷静になりきれず、何とかして守りたいという感情が働いてしまいます。その気持ちを押し殺して、冷静に救急現場やICUで仕事をするために、もう一度まとめて小児の急性期管理を学びたいなと思っていたところ、PFCCSというコースがあることを知りました。FCCS(集中治療の基礎コース)の小児版です。

教科書がなかなか手に入りにくい点と、翻訳がまだされていないので英語だという点が難点。教科書の厚さに圧倒されてしまいコース前に最後まで読み切ることはできませんでしたが、そんな状態で参加しても十分勉強になりました。

救急外来やICUで知っていた方が良い、気道管理、人工呼吸器管理、ショック、輸液、外傷、鎮静・鎮痛、転院搬送など2日間かけて座学と実習で再度勉強しなおし、知らなかったこと、知っていたけれどあやふやだったところを補うことができました。また、コースを一緒に受講された小児科の先生方と実際どうするのが良いのか、小児科の先生方はどう考えるのか聞くことができたことも良かったです。

講師の皆様、一緒のグループで学んだ先生方、ありがとうございました。

2014年8月17日日曜日

日本重度四肢外傷シンポジウムに参加しました。~欠かせない整形外科と連携~

藤塚です。
71920日と第1回日本重度四肢外傷シンポジウム in 札幌 に参加してきました。当院整形外科の部長を初め、医局員とともに参加です。
内容は、我々集中治療・救急科が得意とする外傷蘇生の話、四肢外傷のマネージメントや治療内容などを2日間かけて学び・討論する会でした。


夜は、当院ならず群馬県の若手整形外科医師が参加していたため、群馬県の整形外傷について深夜まで語りました。

整形外科医師とともに。
(写真:当院 浅見和義整形外科部長より提供)
重症外傷を救命することはもちろん、その後の機能予後も含めた治療戦略を、我々救急医は整形外科医師とともに協力しながら実践していかなくてはいけません。
こういった勉強会に他科の先生と今後も参加し、お互いの医療レベルをあげていきたいですね!

2014年8月15日金曜日

日赤看護婦の『殉職慰霊碑』~戦争と命の重さを考える~



*今回の話は太平洋戦争のころの話題です。現在は看護師と呼んでいますが、今回は歴史に沿って看護婦と記載させていただきます。
 
 
町田です。
今日は太平洋戦争の終戦から69年目の日です。
皆さん、前橋赤十字病院の敷地内の一角に『殉職慰霊碑』があるのをご存知でしょうか?
 
 
太平洋戦争では日赤看護婦にも赤紙と呼ばれた召集令状が届けられて、なんと3万人を超える看護婦が戦地や国内の病院に従軍看護婦として派遣されていました。
戦争は本当にむごすぎます。戦局が悪化の一途をたどるとともに看護婦はどんどん前線に送られるようになり、赤十字の旗印がついているテントにも砲弾の嵐が襲うようになりました。太平洋戦争においては1000名を超す看護婦が尊い命を奪われています。
 
当院にある殉職慰霊碑は、人道的支援目的で戦地で赴いたにもかかわらず異教の都で殉職された群馬県内の赤十字看護婦32名の霊を慰めるために、昭和50年に建立されました。
 
 
今の時代も世界のいたるところで戦争が行われています。
皆さん、外国人の友人や仕事仲間などがいると思います。このような方ともし戦場で敵同士で出会ったいたとしたら、平和の世の中だったらすばらしい仲間になれる方と戦場で命を奪い合っていたかもしれません。そんな悲しいことってありますか?
また戦場では無機質な鉛のたまや炎により、顔も性格も知らない人の尊い命を簡単に奪っています。毎日毎日患者の命のために必死に戦っている僕たちの活動ってなんなのでしょうか?
 
 
私の祖父は最前線で医師として従軍していたそうです。祖父の頭を銃弾がかすめるような中で必死に負傷兵の救助にあたったそうです。私の父も小学生のころに住んでいた家の庭に爆弾が落ちて、妹たちの手を引いて防空壕に逃げたそうです。そして母は終戦まじかに生まれましたが、生まれた後も防空壕で多くの方々に支えられた育てられたそうです。
もし戦争で祖父や両親が失われていれば、自分は今この地球上には存在していなかったかもしれません。
 
救急医療、特に外傷診療は皮肉にも戦争により発展してきた歴史があります。
日赤の戦争中の歴史、家族の戦争体験を知ったり聞く機会があり、このような歴史背景をしっかり心に刻んだうえで医療の平和利用を進めていかないといけないですね。

2014年8月14日木曜日

未来のフライトドクター!~大きな夢を抱いた小さな訪問者~

町田です。
子供たちは夏休みですね。でも最近は昔よりも宿題の量が多いような気がしてなんだかかわいそうです。とはいってもせっかくの休みなので、いろいろなところに出かけていると思います。


2年前に当院でフライトナース勉強会を開催した時に、夏休みの自由研究で『ドクターヘリ(小学5年時)』、『災害医療とドクターヘリ(小学6年時)』について素晴らしい研究をしてくれたお隣栃木県の小学6年生が、当院屋上ヘリポートに見学に来ました。(ちなみにこの時はフライトナース勉強会の「熱中症」の講義も一緒に聞いてくれました。)
http://drheli-gunma.blogspot.jp/2011/09/blog-post_16.html
http://drheli-gunma.blogspot.jp/2012/08/blog-post_30.html

そして2年ぶりにその子が家族とともに当院を訪ねてきてくれました。僕がここ数年の講演などでよくお話しさせていただいている「命を守ることは、周りの人の笑顔を守ること」という言葉を教えてくれた一家です。
そして今回は公立豊岡病院但馬救命救急センター応援団長という肩書を持った4歳の女の子も家族も一緒でした。
応援団長から名刺とお土産をいただきました!
当院屋上ヘリポートでドクターヘリの見学を行い、それに引き続いて群馬ヘリポート、防災航空隊、県警航空隊のご協力で防災ヘリ、県警ヘリの見学を行いました。興味があるだけに各ヘリのスタッフの方々に熱心に質問している姿がとても印象的でした。そして子供のドクターヘリ活動への夢を応援する家族の支えに感動しました。
今回子供たちのために全面協力いただいた朝日航洋、防災航空隊、県警航空隊、そして群馬ヘリポートの皆様に心より感謝いたします。


2年前の小学6年生はすでに僕と同じくらいの背丈まで成長していました。将来僕がフライトドクターの指導医をするという約束をしています。そして豊岡から来た子もすでに但馬ドクターヘリのフライトドクターを約束されているようです!

今日の訪問者はまだまだ子供かもしれません。しかし胸に抱く夢や希望はとても大きなものでした。だからこそ子供たちの夢や希望にしっかりこたえられるようにこれからもがんばっていかないといけないですね!

2014年8月13日水曜日

『黄金のレンガの道』~高度救命救急センターホームページが5万ヒットをカウントしました!~


http://www.gunma-redcross-icuqq.com/index.html

このたび『前橋赤十字病院 高度救命救急センター ホームページ』が5万ヒットをカウントしました。多くの皆様のアクセスにこころより感謝いたします。

救急医療は地域や他機関との連携が欠かせないものであり、そのためにもこのようなページで少しでも当救命救急センターの活動を知っていただくお役にたてていれば幸いです。


5万ヒットを達成したことにちなんで、ちょっとしたお話を・・・

『黄金のレンガの道』を知っているでしょうか?黄金のレンガの道とは、児童文学「オズの魔法使い」の中に出てきます。
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竜巻で、オズの国に飛ばされてしまったドロシーは北の良い魔女から、エメラルドの都にいるオズの魔法使いの力を借りれば故郷に帰れる、といわれます。

エメラルドの都へは黄金のレンガ道を進めば到着するようです。
ドロシーは北の良い魔女のアドバイス通り、黄金のレンガの道を進み始めます。その途中で、頭が藁のために脳がないかかし、体が空洞のため心のないぶりき男、百獣の王なのに臆病なライオンと出会います。

そんな彼らもそれぞれ夢を持っていました。
脳のないかかしは考える知恵が欲しくて、心のないぶりき男は愛する心が欲しくて、臆病なライオンは立ち向かう勇気が欲しい。オズの魔法使いなら、自分たちの夢も叶えてくれるかもしれない!
彼らもドロシーと共に夢をかなえるためにオズの魔法使いに会いに黄金のレンガの道を進むのです。

そうして様々な苦難を乗り越えドロシー達はエメラルドの都に到着します。
そこで出会ったオズの魔法使いは、西の悪い魔女の箒を持ってくれば、みんなの夢をかなえてあげる、といいました。

ドロシー達は、それぞれの夢をかなえたくて、西の悪い魔女に立ち向かっていきます。
魔女の城に潜入したドロシーは城の一室に閉じ込められてしまいます。ぶりき男は囚われたドロシーを思い涙します。かかしはなんとかドロシーを助けようと考えをめぐらせ、ライオンは勇み立ってドロシーを救い出そうとします。
しかし魔女は、全員を捕え、藁で出来たかかしを焼き殺そうとするのです。ドロシーは水をかけてかかしを救い、その水がかかった西の悪い魔女は溶けて死んでしまいます。

一同は箒を持ってオズの魔法使いのところへ行くと、オズの魔法使いは「かかしは旅の困難を切りぬけようと頭を使い、ライオンは危険に立ち向かい、ぶりき男はドロシーの運命に涙を流したから願いは果たされた」といいました。

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この「オズの魔法使いの」物語にちなんで、成功へと向かう道を「黄金のレンガの道」と例える人がいます。本当に欲しいものを手に入れるために、黄金のレンガの道を進む。

物語の要所要所で登場する北の良い魔女は、いつでも旅人の味方で、困ったことがあると、間接的に正しい方向へと導いてくれます。北の良い魔女は幸運の女神の象徴です。正しい行いをする者の前だけに現れます。

夢をかなえるためになぜ共に旅するパートナーが必要なのか。
自分に不足した力を魔法使いから授かるため旅するうちに困った仲間を助け、愛し、受け入れる勇気を備えていく。欲しかった力は、もともとは潜在的に自分に備わっているもので仲間と旅をするうちに、相手から引き出され、その力の本当の効力に気づき、やがては自分のものになっていく。

この物語の中の、かかし、ぶりき男、らいおんは、とても不完全な登場人物で、物語の中で、彼らが欲する足りないものがどうやって満たされていくかの、象徴として表現されています。そして、彼らの存在はすべての人に「不完全な自分」でも夢をつかめる方法があることを教えているように感じます。



このたび高度救命救急センターホームページが5万ヒットをカウントし、この「黄金のレンガの道」を思い出しました。

今、なお、仲間と黄金のレンガの道を進んでいるのだとしたら、次は10万ヒットを夢見ながら、エメラルドの都への道筋を歩き続けようと思います。

それぞれの夢を心に抱きながら。

Web担当 伊藤

2014年8月12日火曜日

私たちの活動の原点。~日航機事故から29年~

群馬県上野村の御巣鷹山に日航機が墜落してから29年がたちました。
本日はあいにくの雨の中ですが、多くのご遺族、関係者の方々による慰霊登山がおこなわれているようです。亡くなられた方へのご冥福をお祈りするとともに、これからも空の安全を心より願う限りです。
御巣鷹山慰霊塔

看護部長の前田副院長は、まだ新人だった頃にこの事故の対応にあたったとのことです。そこでは看護師にとってとても壮絶な体験が何日も続いたそうです。
またこの時に、元副院長の饗場先生(現群馬県消防学校長)がヘリコプターに乗って墜落現場にむかい生存者救出の医療チームの指揮を行っており、その時の経験やお話は現在のドクターヘリの活動に大いに生かされています。

当院は赤十字の使命の一つである災害救護対応に力を入れて取り組んでいますが、この時の饗場先生、前田副院長をはじめ多くの先輩方の経験が、いまの病院スタッフにも脈々と受け継がれています。
事故は絶対に起こってほしくないことです。しかし起こってしまった時に、いかに動くか、そしてその経験を次にどうつなげるか、それが我々に課せられた使命だと感じています。


~お知らせ~
日航機墜落事故のフジTV特別番組に
前橋赤十字病院元副院長 饗場庄一先生の
インタビューが番組内で放映される予定です。

・放映日時:812日(火)1830~2100
・放映局:フジテレビ
・番組名:「日航機墜落30回目の夏、生存者が今明かす32分間の闘い~ボイスレコーダーの新たな声」
 

2014年8月11日月曜日

32℃ルール・・・~風だけでなく暑さでも避難します。~

町田です。
台風は温帯低気圧となったようですが、まだ北海道の西海上を通過中です。低気圧本体から離れた場所でもまだまだ突然の風や雨が降りつけることがありますので十分ご注意ください。
甲子園球場で行われる夏の高校野球も2日遅れではじまりました。気温の暑さは嫌ですが、球児たちの熱闘は心を揺さぶられるものがあります。熱中症やけがに注意してがんばってほしいですね。

 
群馬県ドクターヘリ基地病院である前橋赤十字病院は市街地のど真ん中に存在していて、とても狭いヘリポートが屋上に備わっています。冬は強い北風が吹きつけ、夏は灼熱の太陽が照りつけるヘリにとってはあまり良い条件とは言えません。
 
夜間や悪天候時は公設のヘリポートである群馬ヘリポートで駐機していますが、天候が良くても強風で20ノットを超すようなときは屋上から群馬ヘリポートに避難してスタンバイしています。
しかし最近の群馬の夏の暑さは尋常ではなく、過去の統計上でも夏の暑い時期に機体トラブルが多いことから、8月7日より風速だけではなく気温でも群馬ヘリポート避難基準を試行的にもうけさせていただきました。
 
運航会社と基地病院での話し合いの結果、「前橋地方気象台の温度計が『32度』を超した時点で屋上ヘリポートから群馬ヘリポートに退避して機体を格納する」というルールとなりました。
今日は14時の発表で32度を超していたため、13時台の要請を対応したのちにそのまま群馬ヘリポートで格納待機となりました。もちろん退避しているだけで運休になるわけではありません。
 

 
 
要請が入り格納庫からヘリポートまでヘリは整備士1名で移動できる特殊な『ヘリローダー』で移動し、すぐに出動準備に入ります。ヘリローダーの改良が加えられ、計算上はほとんどロスタイムなしで出動できるようなっています。

 
 
今年度、群馬県はドクターヘリの長期運休を経験しました。
長期運休の直接の原因のほかに、このような事態に影響した要因の一つに屋上ヘリポートの環境の問題もあったかもしれません。患者さんや医療スタッフの迅速な対応のためには屋上ヘリポートが常につかえることのこしたことはありませんが、現実的に難しい以上は少しでも機体に優しくする配慮も必要です。
 
尚、今年度の基準はあくまで試行であり、気温の推移、活動時間経過などはこの夏の暑さを乗り切ったころに検証して来年度以降の基準を設定します。ちなみに新病院は地上ヘリポートで格納庫、給油施設付きになる予定です。

2014年8月10日日曜日

自然の猛威。続き・・・~緊急地震速報に対する反応。~

町田です。
 
朝起きてまだ四国に上陸していなかった台風の遅さにびっくりしながら出勤しました。
三重や四国の知り合いの無事を伝えるメールにほっとしながらICUで日勤業務をしていたところ、台風はあっという間に四国を縦断して本州に再上陸しているニュースを伝えていました。
台風の情報を見ていたところ・・・
「早く通り過ぎてほしいな」と思いながらテレビの台風情報を見ていたら、テレビから聞こえてきたあの独特な警報音・・・そうです、『緊急地震速報』が鳴りました。台風のニュースの画面に緊急地震速報のテロップを見たときに、やはり自然の脅威はいつ起こるかわからないという怖さを思いました。
突然の緊急地震速報にドキッとしました。

当然のことながら緊急地震速報を見てすぐにERリーダーに電話をして、『情報収集チームの立ち上げ』を進言していました。幸い地震による津波の心配はなく、原発施設も異常なし、そして大きな人的被害も出ていないことがすぐにわかり、地震に対する災害対策本部の設置は行わず周囲深く経過をみていくことになりました。
しかし台風に伴う大雨や強風は今になって群馬で強くなっています。また大雨で地盤が緩んでいるところで地震が起こっています。台風の通り道ではないところでも十分に警戒をしていかなくてはいけません。

ネット上でも地震と台風情報が同時に表示されていました・・・

さらに明日は前橋市の予想最高気温は37℃・・・今日より約+10℃です。
年々自然との戦いが厳しくなっている感じがしますが、これも人間が自然を破壊してきたツケがまわってきているかもしれません。

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