ERの1日!~後期研修医1年目の奮闘記~

集中治療科・救急科後期研修医1年目の小橋です。
今回は当院の救急外来(ER)について紹介したいと思います。



当院は群馬県内で唯一、高度救命救急センター(「高度」救命救急センターとは、救命救急センターのうち特に高度な診療を提供する、厚生労働大臣が定める病院)を有する病院であり、その玄関であるERには年間約2万人の患者がwalk in、救急車、ドクターヘリなどでやってきます。

<2013年度ER実績>
・救急搬送件数 5703/年(応需率:97.4%)
・救急受診総数 18549/
・ドクターヘリ出動件数 843/
・ドクターヘリ搬送患者数 289/

当院に限らずERの役割は、様々な手段で来院した患者さんを受け入れ、重症度をトリアージし、その重症度・病態に合わせた適切な処置(時には蘇生)を行い、その後の行き先を決定することですが、これらのマネジメントを行うのがER Drです。
当院では日勤帯・夜勤帯を問わず常に2人のER専従Drがおり、看護師(こちらもER専従)とともに1~3次救急患者への対応を行い、必要に応じて専門科への相談や紹介を行います。また、中毒・熱傷などの特殊疾患、多発外傷などの複数の科にまたがるような疾患については、ERでの処置後に引き続き当科にて管理を行います。


ここで、専攻医である私のERでの1日を紹介します。

休日はER専属医2人、研修医2人、心臓血管内科医1人、外科系医師1人、内科系医師1人、小児科医1(当番日)で対応します。

09:00 朝のミーティング、前日夜間帯からのDrから、引継ぎの患者さんがいないか確認。

日中はホットライン担当は田中Dr、休日であり午前中はwalk inが多い。研修医とともに診療に当たる。

09:20  ホットラインが鳴る、「右上下肢麻痺の患者さんの搬送よろしいですか?」
10:00 ホットライン「胸痛の患者さんです」
11:00 ホットライン「嘔吐・後頚部痛の患者さんです」
11:35 ホットライン「急性喉頭蓋炎疑いの方の転院受け入れよろしくおねがいします」
13:22 ホットライン「右手開放骨折です」
13:42 ホットライン「腹痛、急性虫垂炎疑いの方の紹介搬送よろしいですか」
15:30 ホットライン「意識障害の患者さんです」
16:25 「ドクターヘリがきます、意識障害の方です」

……日勤帯終了、walk in30人ちょっと。

17:30 準夜帯開始、今日は24時間勤務。日勤帯勤務の田中Drは終了で、夜勤帯の町田Drに交代
 
ホットライン指導医の町田Drのもとでホットラインは私が持ちます。0時までは外科系医師、内科系医師も診察に当たっていただけるのでありがたいです。
 
18:40 ホットライン「交通事故の患者さんです」
18:50 ホットライン「冷汗、血圧低下の患者さんです」
19:00 ホットライン「意識障害の患者さんです」
20:10 ホットライン「右側腹部痛の患者さんの紹介搬送です」
23:50 ホットライン「頭痛・頚部痛の患者さんです」

……準夜帯のwalk in20人ちょっと。休日にしては少ない。
ここで一言、「患者さんが少ないことは世間が平和な証拠!」と町田Drのつぶやきあり。

0:00 深夜帯開始。外科系医師、内科系医師は終了。ここからはER専属医2人、初期研修医2人、心臓血管内科医1人になる。
 
「おじさんにあまり無理させないでね~!」という町田Drの冗談か本気かわからないつぶやきを聞きながら、夜中も引き続きホットラインは私が持ちます。自己研鑽のため研修医が診察している症例は全て私がサポートします
 
00:10 ホットライン「腹痛の患者さんです」
00:20 ホットライン「腹痛の患者さんです」
02:00 ホットライン「全身打撲の患者さんです」
05:10 ホットライン「左上腕骨骨折疑いの患者さんです」

……9時になり深夜帯終了、walk in10人くらいで少なめ。
 
研修医と先日に診た症例のディスカッションとフィードバックをして終了。
11時過ぎに帰宅。
 
といった感じです。
ホットライン対応中です。基本的にはすべて受け入れます!
ホットラインの内容を注目している初期研修医たちです。
(カメラの視線はホットライン指導医の町田Dr)
 
 
当院は、高度救命救急センターを有するドクターヘリ基地病院(全国の民間病院では1つだけ!!)であり、様々な症例がやってきます。学ぶことも非常に多く日々勉強させられます。興味のある方はぜひ一度、見学に来てください!

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