広域医療搬送受入訓練を行いました。(その2)~『ヘリにかかわる問題!』~

町田です。

昨日に引き続き5月12日に相馬原駐屯地で行われた『広域医療搬送受入訓練』に関する話です。
本訓練の想定は首都直下地震で、『立川駐屯地から自衛隊の大型ヘリで相馬原駐屯地に搬送されてきた重症患者さんを、県内各医療機関に救急車やヘリを使用して分散搬送する』というミッションでした。
今回は僕は自衛隊大型ヘリ(CH-47)で搬送されSCUに収容されて重症患者さんに対して、「患者さんの病態から搬送先と搬送手段を調整する」という部門の任務を担当しました。

特に重症かつ緊急性の高い病態の患者さんを搬送するのにドクターヘリや防災ヘリをオーダーする機会がありました。今回の訓練では実際にドクターヘリも防災ヘリも相馬原駐屯地内の飛行場に飛んできてくれましたが、実際にやってみて気が付くことがたくさんありました。
相馬原駐屯地内の飛行場の管制塔と格納庫です。
管制塔とSCUのコミュニケーションについても検証が必要です。必ず次回に!

まずは自衛隊関係者がドクターヘリがエンジンカットができること、そしてすぐにエンジンスタートができることを知らなかった・・・逆に言うと今回の訓練で知っていただけたことが大切になります。
ローターが回っているか回っていないかで、ヘリを降ろすスポットが大きく変わるからです。ローターが回りっぱなしのヘリをSCUの近くに降ろすことは、風や騒音の影響で非常にSCU運営が難しくなります。しかし、SCUから遠いと患者さんのエプロン内の移動距離が長くなり、その分人手や時間がかかります。もちろん患者搬送するスタッフがなれていなければ危険性も高まります。
またローターを回しっぱなしのCH-47の近くに防災ヘリやドクターヘリが降りることもリスクが高いことが考えられ、患者さんを降ろした後の自衛隊ヘリの待機場所なども検討しなくてはいけません。
国の計画では飛行場内の患者さんの搬送は県職員が担当することになっています。
災害発生時にここに多くの県職員を集められのか?安全確保はなされるのか?検討が必要です。

今回は防災ヘリとドクターヘリがほぼ同時に相馬原駐屯地に飛来したこと、CH-47のローターが回っていることなどから、自衛隊関係者、ヘリ運航クルー、そしてSCUスタッフが様々なリスクを考えることができました。この経験からある程度の着陸スポット、駐機場所の事前調整を含めた検討ができそうです。


各ヘリの位置関係も十分考慮して活動しないといけないですね。

防災ヘリ、県警ヘリ、自衛隊第12旅団、赤十字飛行隊、ドクターヘリのメンバーが集まって定期的に開催されている『群馬県ヘリコプター合同勉強会』を来月に行う予定ですが、今回の訓練のことも話題に挙げて大いにディスカッションしようと思います。

東日本大震災の患者搬送で大変お世話になったものと同じ機種のヘリが飛来していました。
陸上自衛隊第12旅団のご厚意で、「災害時に何かの役にたつように」と今回の訓練参加者に
視察をさせていただきました。自衛隊の方々がとても親切に質問に答えてくださいました。
東日本大震災では真っ暗闇の中での活動で、この写真に写っている燃料タンクがここまで低いものだと
気が付く余裕もありませんでした。このようなことを知っているだけでも活動の安全性が高まりますね。
 
*昨日も記載しましたが、本ブログに掲載されている写真はすべて陸上自衛隊第12旅団の許可を頂いて撮影したものです。

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