“イノベーション!”~救急搬送支援システムが社会的価値をもっとうみだすために~

町田です。
数年前まで当院で歯科・嚥下外来、栄養サポートチームでお世話になっていたNPO群馬摂食・嚥下研究会の山川治先生のお誘いで、4月19日に『第1回北関東医療健康イノベーションフォーラム』に参加させていただきました。
ちなみに“イノベーション”とは“新しい社会的価値を造る”という意味とのことです。
 
まず最初は会場である群馬大学医学部附属病院の先生方の『重粒子線によるがん治療』、『腹腔鏡手術から手術支援ロボット(ダ・ヴィンチ)手術へ』のお話がありました。かなり興味深い内容で、ドクターヘリと合わせて群馬にはすでに医療にイノべーションを起こしたものが充実していることを実感しました。
続いて僕が『携帯型タブレットを活用した救急医療(ドクターヘリ)の現状』という内容でお話しさせていただきましたが、まさかのいわゆる『スティーブ・ジョブズ』風のプレゼン形式でした。

今までの学会や講演会と異なり、スライドを遠隔操作しながらピンマイクでしゃべるスタイル。
パワーポイント、動画、ネットを駆使しながら、緊張でドキドキしっぱなしの20分でした。
(もちろんスティーブ・ジョブズになれるわけはなく、最後はいつもの自分丸出しでした・・・)

 救急搬送支援システムの紹介は萩原フライトナースのとびっきりの笑顔とともに!
 
救急出動要請件数は年々右肩上がりで増えていて、前橋市は昨年14,700件の救急搬送件数があったとのことです。しかし救急搬送件数が伸びてきているのに対して、救急搬送平均時間は約1分短縮したとのことです。すべてが全救急車に配布された携帯型タブレットを用いた「救急搬送支援システム」のおかげではないと思いますが、結果が良い方向に進んでいることはうれしいことですね。各病院毎の受入数と受入不可数がはっきり出てしまい、そのために病院が容易に断らなくなった影響もあるようです。
ただし、各病院の直近24時間での救急搬送件数はわかるものの群馬県への搬送が多い埼玉県北部の搬送数が反映されていない、現時点で込み合っているのか余裕があるのかが一目でわかりにくい、そして何よりも入力項目が多すぎてリアルタイムに反映されていない(だいたいは帰署中、帰署後に入力している)など、まだまだ解決すべき問題点はたくさんあります。

とはいっても「救急搬送支援システム」の最大の目的は、傷病者をより迅速に適切な病院に搬送するサポートをすることです。
講演タイトルについている“ドクターヘリでの活用”はほとんどなされていない現状です。しかし「救急搬送支援システム」の目的を果たすために、ドクターヘリでもできることを探して行かないといけないですね。システムのバージョンアップとともに使用する側の創意工夫も大切であり、そのことで救急利用において搬送支援システムが大きなイノベーションを起こせる様な気がします。
救急搬送支援システムは間違いなく社会的価値を造りました。
でもまだまだ発展が必要・・・特にリアルタイムで救急車の位置情報がわかるようにしてほしいですね。
(図はイメージです。救急車の位置情報をいれてみました!)
 
今回のフォーラムでは、Special Sessionとして神戸大学大学院医学研究科消化器内科特命講師である杉本真樹先生より、『医療界のイノベーションをおこす10の秘訣』『医療人がイノベーターになるための10の秘訣』という貴重な講演を拝聴させていただきました。とくに後半の講演のなかのプレゼンテーションに関するお話は、自分の講演のし方を反省するとともに今後の患者さんへの病状説明、各関係機関との連携、そして学会発表などで大いに役に立つ内容でした。
その他、『在宅医療連携』、『遺伝子検査』、『栄養管理』、『介護食・嚥下食』、『糖質制限食』の講演もありました。今まではあまりゆっくり聞くことのない内容でしたがどれも普段の診療にもつながっている内容であり、かつ革新的な内容であったので新鮮な気持ちで聞かせていただきました。
最前列中央が今回主催の山川先生です。その向って右隣が杉本先生。
今回のフォーラムのスタッフの皆様、協賛した企業の方々、お招きいただきありがとうございました。
 

コメント

  1. お疲れ様です。
    群馬のスティーブジョブズに・・・是非!
    IT機器を駆使しておられて凄~い。(^^)
    機会があれば先生のプレゼン、生で拝聴させて頂きたいです。

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    返信
    1. 岡田さん、いつもありがとうございます。
      5月6日のドクターヘリ運航5周年講演会でも20分ほど活動報告をさせていただきます。でもそのあとの松本先生の講演がいまからとても楽しみでわくわくしています。

      削除

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