生活のリズム・・・~夜勤生活はじまりました~

町田です。


以前の勤務医の生活の基本は、朝早くに病院へ行き夜遅くに家に帰る、当直をしても翌朝からまた普通に勤務が当たり前でした。月に20日くらい病院に泊まり続けた日もありました。
慢性的な睡眠不足が続いている状態で、当直で一睡もできない夜があったとしても、不思議なことに朝になると体がリセットされて「今日も1日がんばろう!(がんばるしかない・・・)」という気持ちになれました。


しかし時代は変わり、医療安全、労働環境についての問題が前面になってきて、いまは「当直明けは帰宅する」という方針が国から挙げられています。
当科でもスタッフが増えたことも大きいのですが、当直明けは帰宅できる勤務体制を組んでいます。最初は昼間に病院から出ることにものすごい抵抗感があり(古い世代なもので・・・)、当直明けでもなかなか病院から出なかったりしていましたが、いまは当直明けの時間を有効に活用できるようになってきました。ちなみに当直明けをどのように過ごしているか聞いてみると、ほとんどのスタッフは「夜まで寝ないで活動する」とのことでした。やはり朝が来ると体がリセットされるリズムは残っているようですね。短時間の居眠りはしますが、昼寝はできない体質なのかもしれません。


さらに時代は変わり、今度は医師の世界にも『夜勤』を求められる時代になってきました。
当院の集中治療室は現在夜勤制度が導入されています。ICU専従医は従来日勤の
中から数人が当直として翌朝まで勤務していましたが、いまは2交代制となり夕方から夜勤が出勤して日勤から引き継いで翌朝まで勤務することになっています。
『夜勤』という制度は『夕方に出勤し翌朝に帰宅』というパターンのため、当直より体力的に楽そうに
思われますが、実は10年以上にわたり『朝にリセット生活』を送ってきた医師にとってはリズムがつかみにくい感じがあります。新年度すでに3回夜勤をしていますが、結局は朝起きてたまった雑務をして、『夜勤』が終わった後も会議や雑務に追われる生活です。
さらに『朝にリセット』する感覚も崩れてきて、夜勤の日の寝覚めが悪くなったり、夜勤中に強烈にねむくなったりと、生活のリズムが若干くるい始めてきています。


10年以上も『生活の大半を病院で過ごす生活』を送ってきた勤務医にとって、“当直明けに帰る”に続いて“朝に出勤しなくてもよい”ということ自体を罪深く感じてしまいます。実際に各科の先生方も外来や手術などが立て込んでおり、現時点で『当直明けは必ず帰る』という方針を100%達成するのは困難だと感じています。
勤務医の労働環境の改善ということで国が『当直明け帰宅』『夜勤』を勧めることは良い傾向だと思いますが、実際に勤務医の業務量の多さは減っておらず(むしろどんどん増えてきている)、このことを強要(きちんとしないと補助金を減らすとか加算代をカットする)されるのは医師として残念に思うところもあります。
しかし医師もこのような生活に慣れてくれば、もしかしたら本当に良い制度と感じる時が来るかもしれません。時代に合わせて当院の当直体制も当科の勤務体制も少しずつリニューアルされてきています!あとは若手ではない医師がそのリズムについていけるか・・・

コメント

  1. 時代の変化について行くのって・・・大変ですね。
    徐々に体を慣らして行くほかないですね、
    シフトの変動に。
    先生方が身を粉にして働いて下さっている事に感謝します。
    ありがとうございます。
    くれぐれも体調を崩さないように、ご自愛下さい。
    本日もお仕事お疲れ様です。<(_ _)>

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    返信
    1. 岡田さん、いつもあたたかなコメントありがとうございます。
      「人間対人間」の仕事なので、そう簡単に時間で区切れないところがあります。もちろん医療者がへとへとでまともな医療が提供できない状態では患者さんの安全は保障できないので、昔のような労働環境は決して良いとは言いません。しかし多少無理してでもきちんとできるくらいな実力と体力を持ってこの仕事をしないといけないと思っています。
      目の前に具合が悪い人がいれば、時間も場所も時として無理やり与えられたルールも関係ありません。それが医師という職業です!
      勤務医の待遇は決してよくありませんが、それでも最後の砦としての現場の医療スタッフの魂が地域医療を支えていることも、ルールや制度を考えている方々に忘れてもらいたくないですね。

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