ECMO治療の病院間連携に取り組んでいます!

鈴木です。

群馬県内の重症呼吸不全患者さんの救命率向上を目指してECMO治療の病院間連携に本格的に動き出しました。
年明けから県内の各病院には当院の地域医療支援・連携センターより「重症呼吸不全に対するECMO治療の病院間連携のご案内」をさせて頂いています。

*「ECMOって何?」という方は『ECMO研修 in スウェーデン』参照・・・
 
http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol1.html
    http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol2.html
    http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/02/ecmo-in-vol3.html
 

ECMOは肺炎などの重症呼吸不全で瀕死の状態にある患者さんを救命する最終手段です。
しかし、残念ながら日本のECMO治療の成績は諸外国と比べてあまり良くありません。
その原因の一つに病院間の連携不足が指摘されています。

日本呼吸療法医学会は次のような推奨をしています。
超重症例では陽圧換気による肺傷害を回避するために、ECMOの導入が推奨される。重症呼吸不全に対するECMO治療は、循環補助のためのECMOと異なるため、十分な知識と経験を持った施設に相談し、迅速に対処することを推奨する。患者搬送を含め、地域での連携が重要であり、日ごろから関係を構築しておくことを強く推奨する。

この推奨に従い群馬県においてもECMO治療の病院間連携を図り、重症呼吸不全患者さんの救命に貢献したいと考えています。
われわれは日本呼吸療法医学会ECMOプロジェクトに参加し、質の高いECMO治療を提供できるように準備を進めてきました。そして、トレーニングと経験を積み重ねた今、質の高いECMO治療を提供できる!と手応えを感じています。
 
 今日もECMO治療が続いています。
 
 
群馬県内で下記のような重症呼吸不全患者さんが発生した場合にはECMO治療の適応となる可能性がありますので当院高度救命救急センター救急外来へ御連絡下さい。
 
<当院高度救命救急センターへの連絡の目安>
・人工呼吸器設定FIO2 100%でもPaO260mmHgの危機的低酸素血症
・高い人工呼吸器設定(最高気道内圧≧30cmH2O)にも関わらずPaCO280mmHgの危機的高炭酸ガス血症
・人工呼吸管理開始から48時間程度経過した時点でも高い人工呼吸器設定(FIO260%、 PEEP10cmH2O)が必要な重症低酸素血症

これまでに既に数件の御連絡を頂いております。実際に転院搬送となりECMOにより救命することができた重症呼吸不全患者さんもいます。
御連絡頂いた時点で再度治療方針を協議し、ECMO治療の適応と考えられればドクターヘリも含めた転院搬送の手配をすすめます。ECMO治療は導入のタイミングが極めて重要とされています。人工呼吸管理開始から48時間程度の早期に御連絡下さいますようお願い致します
ドクターヘリやドクターカーでの転送も考慮します。
 
 

 
 
 
 
 
 
 

 

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