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お別れの季節・・・?(群馬県ドクターヘリ&前橋ドクターカー 3月活動実績速報付)

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町田です。 2013年度もあっという間に過ぎていきました。 今年度は昨年度のメンバーがそのまま残り、さらに桜澤先生、田中先生、菊川先生、岡島先生、星野先生の5人の新スタッフを迎えて始まりました。また半年間の研修として澤田先生、大木先生にも来ていただきました。 人数が増えたことにより当然のことながら救急車の受け入れ数の増加、ドクターヘリの出動数の増加にも対応し、当科での入院患者数も増えてきています。 そして年度末を迎えましたが、新年度に向けて今年もスタッフ全員が残ることになりました。当科においては今年の年度末もお別れの季節ではなく、そして4月からさらに新たな仲間を迎える予定です。 2013年度中も院内の各科の先生方、スタッフのみなさんに助けられての1年でした。ほんとうにありがとうございました。新年度もよろしくお願いいたします。 ☆群馬県ドクターヘリ3月活動実績速報☆ 〇要請:75件(2.41件/日)・・・先月+8件、昨年同月-5件 〇出動:56件(1.80件/日)・・・先月+2件、昨年同月-8件 ・現場出動              44件  ・施設間搬送            3件  ・出動後キャンセル             9件(キャンセル率:16.1%)  ・その他                 0件 〇未出動:19件  ・重複要請                7件  ・救急隊現着後キャンセル     7件  ・天候不良               3件  ・その他                2件 <要請消防本部>要請/出動:75/56件  ・前橋市消防            12/10件 ・多野藤岡広域消防       11/9件  ・吾妻広域消防                9/7件  ・利根沼田広域消防        8/7件  ・渋川広域消防           8/6件   ・高崎市等広域消防        8/5件  ・桐生市消防               5/3件  ・館林地区消防           5/3件  ・伊勢崎市消防           4/3件  ・太田市消防               2/2件  ・

『群馬県ドクターヘリ5周年記念行事』を開催します!

町田です。 ここ数日はずっと暖かい日が続いていて、東京では桜が満開を迎えたようです。群馬でも平野部では梅が咲き誇り、桜に花見の主役を引き継ぐようになりそうです。 今日はあいにくの雨でドクターヘリは運休になってしまいました。今年度もあと残り1日ですが、最後まで気を引き締めて無事故で活動するようにします。 2月18日に5周年を迎えた群馬県ドクターヘリですが、この5年間の活動報告とこれからのドクターヘリの希望をテーマに、5月6日に前橋市内で『群馬県ドクターヘリ運航5周年記念行事』を開催することとなりました。 ☆☆群馬県ドクターヘリ運航5周年記念行事実施要領☆☆ <主催> 群馬県、前橋赤十字病院 <目的> 群馬県ドクターヘリは、前橋赤十字病院を基地病院として平成21年2月18日に運航を開始し、今年5周年を迎えました。これを機会に、県民により一層ドクターヘリを身近に感じてもらい、理解を深めてもらうことを目的として記念行事を実施します。 <日時> 平成26年5月6日(火)12:00~16:00 <場所> 群馬県公社総合ビル(前橋市大渡町1-10-7) <実施内容> ①パネル展示 ・消防・赤十字の活動紹介(未定) ・ぐんまちゃんとの記念撮影(未定) ②群馬県ドクターヘリ事業の実績報告 ・群馬県健康福祉部医務課から 出動件数の推移、北関東三県広域連携など(予定) ・前橋赤十字病院フライトドクターから 症例検討会や運用、救命症例の紹介など(予定) ③ドクターヘリ特別講演 日本医科大学千葉北総病院 救命救急センター 松本 尚 先生 群馬県ドクターヘリが運航開始するにあたって、フライトドクター・ナース全員で全国の基地病院で研修を受けさせていただきました。そこではドクターヘリの存在意義や安全な活動の原則などを徹底して教えていただき、その経験をもとに無事5周年を迎えることができました。 今回は運航開始のみならず運航開始後や災害時の運用などでもいつも多くのアドバイスをいただいている日本医科大学千葉北総病院の松本尚先生に特別講演をしていただくこととなりました。 ご多忙のところ快諾していただいた松本先生にこころより感謝いたします。本当にありがとうございます。 さらなる詳細はこれから詰めていくところですので、また近くなりましたら再度アナウンスさせてい

『救急どまんなか!』~山形県立救命救急センターとブログリンクしました。~

群馬もここ数日暖かい日が続き、梅に続いてまもなく桜の開花をむかえそうです。 山形県ドクターヘリの基地病院である山形県立救命救急センター(山形県立中央病院救急科)のスタッフブログ、『救急どまんなか -Emergency Doctors' days-』と相互リンクしました。 ☆こちらからどうぞ ⇒ http://erdrsdays.exblog.jp/ 当ブログもHEM-Netとともにドクターヘリ基地病院と12番目のリンクとなります。情報交換など積極的に交流を図っていこうと思います。これからもよろしくおねがいいたします。

初期研修医たちの旅立ち!

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昨日は前橋赤十字病院初期研修医第9期生の修了式が開催されました。 2年前に緊張した面持ちで病棟や救急外来で奮闘していたみんなも、2年目の後期となると自らの力で診療を進めていく姿が見られたり、1年目に丁寧に指導したり姿が多くみられ、指導医の立場としてもとても頼もしく感じるものがありました。 4月からはそれぞれ専門科医師としての立場での日々が始まります。北海道から熊本まで日本中で活躍してくれることでしょう。当院の2年間で学んだものを思う存分発揮して頑張ってください。 そして集中治療科・救急科にも3年連続で当院初期研修から入職してくれることとなりました。 昨年度の小林先生、大瀧(旧姓 矢野)先生、今年度の星野先生に続き、4月からは小橋大輔先生が新しい仲間になります。よろしくお願いします。 また小倉先生、原澤先生の2名も、当院での後期研修3年を無事に終了しました。 4月からも引き続き前橋から救急の世界にいろいろなことを生み出すパワーで頑張ってくれることでしょう!

山中先生、3か月間ありがとうございました。

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年度末です。さびしいですがお別れのシーズンです。 今晩は前橋赤十字病院第9期初期研修医修了式が行われました。当院の初期研修医の話題はまた明日(明後日?)に報告します。 今年度は群馬県内の研修病院と提携した『たすきがけ研修』として当科に6名の初期研修医がやってきました。利根中央病院の叢先生、氏家先生、群馬大学医学部附属病院の金井先生、橋谷先生、矢澤先生、そして1月から3ヶ月研修をしていた山中先生も今日で当院での最後の研修でした。 2年間の初期研修の最後の期間に当科を選択してくれたことと、3か月間慣れない環境のなかで精一杯に重症患者さんのために頑張っていた姿は忘れることはないでしょう。4月からますますご活躍されることを心より応援しています。 山中先生、3か月間ありがとうございました。

群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。

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町田です。 先月の大雪の影響で延期となっていた『平成25年度第4回群馬県ドクターヘリ症例検討会』を昨日開催しました。年度末の忙しい中での開催となりましたが、多くの関係者の方々にお集まりいただきました。本当にありがとうございました。 <検討事例> ☆施設間搬送  渋川広域消防   『 搬送元病院に医師派遣 』 を行い安定化させてから搬送した症例。 ☆現場救急  高崎市等広域消防  除湿剤誤飲で、当院 ICU での 『 緊急血液浄化、 ECMO により救命 』 した症例。 ☆出動後キャンセル  多野藤岡広域消防  高速道路の事案に対して、要請のタイミングに合わせてランデブーポイントを事故現場より前か後かの設定を調整する必要であった事案。 ☆現場救急 吾妻広域消防  要請内容では外傷を疑ったが、救急隊の観察で内因性疾患の存在がはっきりした症例。さらに覚知要請で早期医療介入がなされた症例。 ☆現場救急  吾妻広域消防  持続する胸痛は覚知要請すべき症例。 ☆現場救急  前橋市消防   CPA を疑う症例の要請について再検討が必要な症例。 今回は初めてキャンセル事案についても検討を行いました。 高速道路事案については群馬県もようやく高速道路上に着陸することができるようにマニュアルが完成しましたが、実際に着陸するための条件や時間を考えると正直降りることは困難なのが現実です。そのような現状の中でいかに傷病者に早期接触するために、医療側と消防側でそれぞれ良いアイデアを出し合うことができました。 医療側からは「スタッフをおろすだけなら1分で十分」と提案させていただきました。 また緊急性の高い内因性疾患に対しては、やはり「消防覚知同時要請」が最も大切であることを再認識していただきました。とくに急性冠症候群では命に係わる合併症(心原性ショック、急性心不全、致死性不整脈)も注意しなくてはいけないこと、脳卒中では気道緊急や誤嚥のリスクがあり早期のABC安定化が特に大切であることを強調させていただきました。 まだまだ現着前の要請が5割ちょっとしかありません。 要請が遅いため医療接触までの時間も遅くなるのです。 そして今回はさらに美原記念病院副院長の谷崎義夫先生から、「脳卒中に対する専門的治療につい

教職員対象の新たなミッションが動き出します。

町田です。 毎年秋に前橋市立のとある高等学校の1年生全員を対象にBLS&AEDコースを行っています。昨年で10周年の開催となりましたが、いまや群馬県のみならず埼玉県や茨城県からもインストラクターとして無償で多くの方が集まっていただけるようになっています。 そしてその高校の養護教員の方から新たな依頼をいただきました。それは学校の教職員対象の「エピペン」の使用についての講習会です。 学校給食のアレルギーによる死亡例が報道されている中でも、時々「エピペン」という言葉がでてくることがあります。ちなみにエピペンとは、「アナフィラキシーがあらわれたときに使用し、医療機関で治療を受けるまでの補助治療剤」です。 AEDの講習と合わせて1時間ほどの講習会を予定しています。 当科ではアナフィラキシーに対するアドレナリンの使用法などを藤塚先生を中心に院内のプロトコールや院外への情報発信を行っています。もちろんこの講習会も藤塚先生とともに学校とタッグを組んで作り上げていく予定です。6月には開催予定で準備を始めました! 他の学校からも問い合わせが来ているようです。このような取り組みもとても大切にするのも当科の特徴です。

連休の救急外来はやっぱり大忙しです・・・

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町田です。 3連休の最終日を迎えました。 連休はいつも救急外来は大混雑します。特に3連休以上の場合は、連休2日目の夕方から3日目のお昼すぎまでがピークを迎えます。今日も日中は処置室3ヶ所に対して4つのベッドを展開したりしていましたが、ストレッチャーやモニターが足りなくなることもありました。僕も久しぶりに自分で点滴のルートを作ったり、採血のスピッツにラベルを貼ったりなど、いつも看護師にお世話になりっぱなしの態度を反省しながら診療にのぞみました。 救急搬送支援システム上では、群馬県内病院の救急車(群馬県のみ)の受入件数も本日17時半までの24時間で226件あり、当院は30件の受入、近くの大学病院も20件と前橋市内だけで全体の3分の1を受けていました。もちろん他の地域でも隣県の救急車を受けていたり、ドクターヘリの受入をしてくださっていたり、数値上ではやはり普段よりも忙しい印象がありました。 ただし残念なことに226件の受入可に対して112件の受入不可がありました。つまり群馬県の救急車は3回に1回は受入れを断られていることになります。 消防側の病院選定が悪いのか、病院側の受入困難が悪いのか・・・そんな簡単な理由ではないと思いますが、連休中のこのような問題はずっとかわらず続いています。とにかく連休中は個々の病院が頑張っていても地域全体で捉えると救急医療は脆弱になっています。お休みの方もお仕事の方も自分の健康を守るのはまず自分であり、そして子供の健康を守るのは家族であることを忘れずにお過ごしください。 連休には群馬に来てゆっくり温泉でもいかがでしょうか? (イメージ図)

久しぶりの受講生!~評価していただくことの大切さ~

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町田です。 この2日間、小児外傷患者の病院前診療の勉強をするために埼玉医科大学総合医療センターにお邪魔していました。同院は埼玉県ドクターヘリの基地病院であり、群馬県ドクターヘリの搬送先としても過去に何度かお世話になりました。富士山と新しくできた格納庫をうらやましく眺めていました。 自分自身は様々な教育・研修コースに指導者(インストラクター)として参加することが多くなってきました。ちなみに僕が現在インストラクターとして参加しているものは、ICLSコース、JPTECコース、ITLS Advanced Course、JATECコース、MIMMSコース、日本DMAT隊員養成研修などがあります。 各コースともプロバイダー(受講生)で学んだことは残念ながらすぐに忘れてしまいますが、インストラクター(指導者)としてそのコースにかかわることで、知識の保持とブラッシュアップをすることができます。 そのようなことを考えながら様々なコースに参加している日々ですが、今回は久しぶりに受講生として参加しました。 様々な新しい知識や考え方を学ぶことはやはりいいですね。そしてインストラクターの方々がいろいろ工夫しながらわかりやすいように教えていただき、真剣の中にも楽しく学ぶことができました。 コースの最後には、実際に外傷を負った小児の患者さん(もちろんコースなので本物ではありません)に対する診療を評価する実技試験がありました。2日間同じチームで回った埼玉県の救急救命士と群馬県の看護師とともに、チームの力を合わせて3名の症例に病院前診療の実技を行いました。 今回のコースの実技試験では救急隊の隊長役として評価をされます。久しぶりの受講生なのでかなりい緊張しましたが、実際にはドクターヘリの現場活動と似たような部分が多く、「今回の実技試験はちゃんと自分が現場で活動ができているか評価していただく絶好の機会だ!」と思って望みました。しっかり評価していただいた救急救命士をはじめ多くのインストラクターの方々に心より感謝しています。時にはこのように自分の活動を客観的な目でみていただくことも、自分のスキル維持のためには必要です。 もちろん今回のコースも今度はインストラクターの立場で参加して、さらに日々の診療のスキルアップと知識のブラッシュアップしていく予定です。

オールナイトの戦い!

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町田です。 増え続ける救急搬送と変わらない救急ベッドの数で、需要と供給のバランスが乱れている日々のなかでも戦いは続きます。医療で「戦い」という言葉はもしかしたら不適切かもしれませんが、やっぱり現場は常に様々な事情と戦っているのが現実です。 しかしベッドがないことで救急車を受け入れられない言い訳にはできません。医療が発展すれば国民の平均寿命は延びて長寿社会になるのは目に見えていたのにも関わらず、高齢者の受け入れ施設の整備が追いついていない政策を嘆いたところで今すぐ何か変わるわけではありません。嘆いている今この時にも患者さんは発生しています。 医療者の資格を持っている以上は、苦しんでいる患者さんにも1秒でも早く手を差し伸べることは当然なのです。だから少しでも必要だと思えばドクターヘリを早期に要請することを消防に言い続けているし、逆に消防からの患者搬送の依頼をできる限りうけて早く医療を開始できるようにしています。 でもやはり今すぐに救急患者用のベッドを増やすことはできません。病院がこの先ずっと安定して続けていくためにはいろいろな制限やルールがあり、それを破ると罰せられたり補助金を減らされるのが僕たちを取り巻く医療の世界です・・・だから「いまだけちょっとICUの入院ベッドを増やしちゃおうか!?」ということは決してできません。(さすがに災害対応時には許されると思うのですが・・・) そのために救急に搬送されて初療をおこなったにも関わらず入院できない患者さんには、大変申し訳ないのですが他の病院の重症患者用ベッドに転院していただくことがあります。もちろん行き先が決まらず現場から救急車が動けずにどんどん具合が悪くなるよりも、入院のことは後で考えてまずは治療を開始することの方が良いに決まっています。最近はこのような対応をすることが多いのも事実です。 当院の重症ベッドがないときは当然他の救命センターや大学病院、災害拠点病院も大忙しなことがほとんどです。どの病院もご苦労されているようです。もちろんもっとお互い病病連携をするべきだと思うところも多々あるのですが・・・転院先さえ見つからない時もあり、そのときは翌日に退院やベッド移動があってベッドがあくまで救急外来でオーバーナイトすることがあります。 先日も重症患者さん2名が救急外来でオーバーナイトしました。大変ありがたいこと

足元から支えてくれています!

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町田です。 先週末は当院で3日間のMIMMSコースが開催されました(MIMMS:Major incident Medical Management &Supportの略)。当科からは中野センター長、高橋先生、町田の3人がインストラクターとして参加しています。また今週に入り日本DMAT隊員養成研修で中村先生がインストラクターとして参加しています。 各種災害医療に関係する研修のインストラクターは多いものの、僕が部会長をしている院内災害対応マニュアル作成はなかなか進んでいません。しかし、今日は久しぶりに部会を開催し、「今年10月までのマニュアルの完成&年度末にはアクションカードまで完成させる!」と宣言してしまいました。 先月18日に群馬ドクターヘリは運航開始5周年を迎えましたが、運航開始前のシミュレーションの時から、現場活動用のシューズを提供していただきました。 群馬県ドクターヘリのみならずセカンドスタッフとしての応援出動、防災ヘリやドクターカーなどによる出動の全てを足元から同じシューズが支えてくれています。 汚れや多少の傷はあるものの、このシューズを履くとやっぱり気合が入りますね。 2年前にすでに新しいシューズを提供していただいています。個人的にはまもなく現場出動500件を迎えますが、500件を迎えたところでこの靴から卒業する予定です。 もう少しだけ足元から僕の活動を支えていただこうと思います。

第41回日本集中治療医学会に参加しました。

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ちょっと前の話になってしまいますが、2月27日~3月1日の3日間にわたり京都で開催された『第41回日本集中治療医学会学術集会』に今年も当科より多くの医師が参加させていただきました。 集中治療管理にかなり大きく力を注いでいる当科としては、まさにいまホットな話題であるECMOの話題や、当科で行っている治療方法を紹介するような内容も提供させていただきました。 <中野センター長> ・一般演題(ポスター):「気道・呼吸・呼吸管理」  座長 <中村医師> ・リフレッシャーコース(看護部門):「低体温療法の適応と方法」  講師 ・ポスター:「心肺蘇生・蘇生後ICU管理」  『Long-Latency SEP(N70)はPCASの神経学的予後を予測できる』 <宮崎医師> ・一般演題(ポスター):「中毒」  『人工呼吸管理を要した一酸化炭素中毒には転院での二種装置での高気圧酸素療法の必要があるのか?』 <鈴木医師> ・一般演題(口演):「ECMO」  『ECMOプロジェクトチームによるECMO治療システムの構築と課題』 <藤塚医師> ・一般演題(ポスター):「内分泌・代謝・免疫」  『アナフィラキシーにおける推奨されるアドレナリン投与方法は、持続静脈内投与である』 <小倉医師> ・一般演題(ポスター):「心臓・循環・体液管理」  『TBSSを用いた外傷患者における大量輸血療法開始のためのClinical Decision Rule(CDR)』 <原澤医師> ・一般演題(ポスター):「気道・呼吸・呼吸管理」  『VV-ECMO導入により救命し得たメンデルソン症候群の一例』 <星野医師> ・一般演題(ポスター):「栄養管理」  『refeeding syndrome』により致死性不整脈をきたした1症例』 また全国の各施設の様々なお話を聞かせていただき、当科としても様々なことを学ばせていただきました。

群馬県ドクターヘリ2月度活動実績を更新しました。

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Web担当の伊藤です。 あっという間に年度末になってしまいました。 遅くなりましたが、群馬県ドクターヘリ2月度活動実績を更新しました。 2月は大雪騒動で落ち着かない毎日でした。 日の当たらない道路には未だ車の排気ガスで黒く汚れた雪が残っており、その残された雪の除去のために市内の除雪ボランティアの方々が活動を続けられている事には驚きました。 災害時や災害後にもっとも自由に動けるのは、実はこういった組織に縛られない有志の集まりである、ボランティアであるのかもしれません。 筆者も病院に勤務するまでは、他業種でバイトをしながら、病院ボランティアの一般参加をしていました。 その病院では、一般参加のボランティア活動と、ホスピス病棟でのボランティア活動とではっきりと別れていました。 一般参加のボランティアは主に外来受診をする患者さんの道先案内や、入院される方の病棟へのご案内係です。  ホスピス病棟でのボランティア活動は、患者さんの話を傾聴するボランティア活動が主で、、非常にデリケートな対応が望まれる事、診療や病気に対する理解のある方の参加が望まれることもあり、事前のボランティア教育は非常にしっかりとされていました。この際、異業種の方にも患者さんに接する上での守秘義務に対する教育ができるボランティアコーディネーターの存在は大きかったです。 その他に、専門技術を持つ異業種の方が、患者さんの力になるために自分の技能を活用したいとボランティア活動を希望してくる事もありました。 例えば、プロのカメラマンがボランティアで患者さんの遺影用の写真を撮影して下さったり、その撮影のために、プロのメイクアップアーティストの方がボランティアでメイクに来て下さったり・・・ 闘病生活でお化粧する機会もなかった患者さんが、プロの方にメイクをしてもらい、綺麗になった姿を写真に撮ってもらって、嬉しそうにしていた姿が印象的でした。 こうしてたくさんの異業種の方が、開かれた医療の在り方を教えて下さっていたと感じています。 無償の奉仕は大きな力となって、個人や、地域を支えていく原動力になるのかもしれません。

助けられて、支えられて!

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町田です。 未明に愛媛県を中心に大きな地震がありました。幸い大きな事故やケガがなくホッとしております。 ここ3日間、群馬県ドクターヘリは助けられてばかりです。 3月12日、ドクターヘリが県の最西部に出動し長野県の救命センターのお世話になりました。その真っ只中に最東部から重複で要請が入り、栃木県ドクターヘリに広域連携として対応していただきました。 3月13日、高崎総合医療センターへ患者さんの搬送にあたり、病院からやや離れたヘリポートまで高崎ドクターカーが迎えにきてくれました。 そして3月13,14日と天候や重複要請でドクターヘリが出動できなかった転院搬送事案に対して、群馬県防災ヘリに対応していただきました。 ちなみに群馬県警ヘリが群馬ヘリポートにまもなく着陸するタイミングでドクターヘリの出動があったのですが、『1分でも早い患者さんへの接触』のために県警ヘリは上空待機に切り替えドクターヘリの離陸を優先していただいたこともありました。 すべては患者さんのために・・・いつも本当にありがとうございます! <予告> 今年5月初旬に『群馬県ドクターヘリ5周年』の記念行事(主催:群馬県&前橋赤十字病院)を行う予定です。ただいま企画進行中です。

佐久総合病院佐久医療センターにお邪魔しました。

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町田です。 3年前、3月11日はドクターヘリ当番でした。強風のため群馬ヘリポートで待機中に地震が起こりました。地震直後より電話が一切通じなくなり、群馬ヘリポートにヘリチームが孤立してしまった記憶がります。情報収集と今後の対策が有効にできないまま時間が過ぎ、その日にはドクターヘリは被災地に向けて飛ぶことはできませんでした。翌日の3月12日朝6時にドクターヘリは群馬ヘリポートを飛び立ち、まずは福島で活動を開始しましたがすぐに岩手での活動に移りました。そして3年前の今日は宮城の活動にも従事しています。 群馬ヘリポートで待機するたびにいまでも格納庫内で体感した大きな揺れと、その後の情報の途絶から有効に動けなかった苦い思いがよみがえります。 当院から最も近い隣県基地病院は長野県の佐久総合病院です。 群馬県がドクターヘリ導入するにあたり、多くのフライトドクター・ナースがこの病院で研修を受けさせていただきました。地域医療、救急医療、ドクターヘリすべてにおいて、僕たちのお手本にさせてていただいている病院のひとつです。 ぐんまちゃんとともにずっと一緒に乗っているドラえもん。 実は群馬県ドクターヘリ運航開始のお祝いで、佐久総合病院の ドクターヘリスタッフの方々から頂いたものです。 その佐久総合病院ですが3月1日から佐久医療センターを新たに開設しました。救命救急センターもこちらに移動となり、ドクターヘリのヘリポート、格納庫も完備されています。 群馬県北西部の地域は前橋や高崎よりも佐久の方が近いことがあり、その地域の医療圏を考慮して今までも佐久総合病院に患者さんを収容していただくことがありました。そして昨日ですが新センターが開設後はじめて群馬県ドクターヘリが患者さんを搬送させていただきました。 ヘリポートの塗装や壁の色が目に眩しいほどの新しさでしたが、今までと変わらなくあたたかく迎えていただき本当にありがとうございました。 現場のスタッフ同士では「連携OKだよね」という良い関係を、これからは具体的に進めていくように働きかけていかないといけないですね。佐久から5分以内、前橋から10分以上という群馬県内の上信越道で重症患者が発生したら、僕だったらまずは佐久からドクターヘリで来て欲しいです。また佐久のヘリが出動中に軽井沢で何かがあったら15分以内に群馬

東日本大震災から3年がたちました。~石巻からの報告②~

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町田です。 今日で東日本大震災が発生してから3年目を迎えました。3月10日の時点で死者1万5884名、行方不明者2633名、災害関連死3048名(警視庁、毎日新聞社まとめ)とのことです。行方不明になられた方々が早くご家族に戻れることを願い、亡くなられた方々の冥福を心よりお祈りいたします。 3年前の今日、前橋赤十字病院では大規模災害対応を学ぶMIMMSコースが開催されていました。また、個人的にはドクターヘリ当番でしたが強風のため群馬ヘリポートの格納庫内にいました。 14時46分に格納庫がギシギシ傾くほど揺れて、その後は病院と一切連絡が取れなくなったことを覚えています。被災地に出動するかどうか?県内の状況はどうなのか?と悩みながらもほとんど動くことができず、格納庫内でただただテレビを見ることしかできませんでした。その当時同乗研修をしていた初期研修医が「早く逃げて!」とテレビに向かって叫んでいたり、機長が「空港がやられた・・・」と肩を落としていたのを覚えています。 今日はその時テレビの映像で流れていた名取市の沿岸部や仙台空港を見渡せる場所で14時46分を迎えました。この2日間石巻から名取の沿岸部を中心に案内していただいた石巻市立病院開成仮診療所のスタッフの方とともに黙祷をさせていただきました。 ここに住んでいる方の希望で震災遺構となっている建物です。 後ろには復興した仙台空港が見えました。     毎年3月に石巻に足を運んで今回で3回目になりました。被災地に行って自分の目で見て耳で聞くことで、その変化を感じることができます。僕が活動した石巻市立病院の跡地の周囲はすっかり更地になっていました。でもその近くで創業100年を超える鰹節屋さんがお店を開いていたり、若いシェフの方が復興マルシェで地元の海の幸を提供していました。 今回は本当に被災地に行って何かをしたわけではありません。でも行った先では「忘れないできてくれてありがとう!」という言葉をかけていただきました。 僕は救急医になり初めて対応した災害が東日本大震災でしたが、今までも北海道南西沖地震、阪神淡路大震災、中越沖地震、中越地震、また毎年台風や雪害などであらゆる方々があらゆる形で災害に携わってきていると思います。少なくても自分が携わったことに対して「忘れないこと」、そし

東日本大震災からまもなく3年です。~石巻からの報告①~

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町田です。 明日で東日本大震災から3年になります。 各地から復興のニュースが聞かれるとうれしい気持ちになりますが、原発のニュースなどもまだまだ続いており、群馬にいるだけではなかなか被災地の今の本当の様子が伝わってこないのも現状です。 僕は東日本大震災の災害救護活動で石巻市立病院に行きました。石巻市立病院があった石巻市の沿岸部はとても大きな被害に見舞われた地域であり、石巻市は今年1月末の時点で死者3518名、行方不明者439名となっており、被災地内で最も被害の大きな地域のひとつになっています。 毎年3月に勤務の休みを利用して石巻を訪れるのも今年で3回目になりました。昨年までと異なる点は石巻市立病院をはじめ多くの沿岸部の建物がすっかりなくなっていて更地になっていることです。がれきが残ったままの1年目、少しずつ復興の兆しが見え始めた2年目、そしてすっかり片付いてしまった3年目・・・1年にたった1回だけですが毎年来ることでその変化を感じることができます。 日和山から眺めた旧石巻市立病院跡地。 (今日は3年前にこの病院の患者さんをヘリ搬送するために外で一緒に活動した 石巻市立病院開成仮診療所のスタッフの方に案内していただきました。) 今回は初めて女川町や石巻市雄勝地区にも足を伸ばしました。案内していただいた方にこの震災後の地域の変化や現状をいろいろ教えていただきました。その言葉の一つ一つにいろいろ学ぶことがありました。 「ボランティアでなくたってただ来ていただくだけでいいです。自分の目で被災地を見て、現地の人から話を聞いていただくだけで十分です。」という言葉に、この3年間の重みとこれからもまだ歩み続けていかなければいけないという強い思いを感じました。 医療センターがある高台から眺めた女川の景色。 目の前には横たわった建物がそのまま残っていました。 大きな被害があった石巻市立雄勝診療所の跡地から。 昨日雄勝地区では「被災地ウォーキング in おがつ」が行われたそうです。 (現在の雄勝診療所の小倉先生にもお会いすることができました。)