2013年1月31日木曜日

お互い良い刺激になりました!(群馬県ドクターヘリ1月活動実績速報付)

2013年になり奈良県のある病院から1ヶ月間研修で来られていた江原先生にとって、今日は研修最終日となりました。
昨年度まで在籍していた岡森先生の後輩で、岡森先生と同じようにとても知識が豊富で考え方もとても系統だっていて、研修に来た初日からカンファレンスなどでも積極的にディスカッションに参加してくれました。最終日の今日はドクターヘリ同乗研修でした。今まで経験したことのない症例の診療や様々な活動への参加で様々な刺激を受けたかと思いますが、僕たちも江原先生から様々な考え方や知識をいただき、お互いにとってとても良い刺激となりました。
たった1か月間でしたが、ICU、救急外来で一緒に働いていただき、そして2日間ドクターヘリでの活動も経験していただきました。


ドクターヘリ同乗研修は2日とも僕と滝沢看護師が一緒でした。既にチーフレジデントを経験済だけあって同乗研修といっても強力な戦力となっていただけました。
1日目は5件連続要請があり、患者さんの搬送に江原先生の力をかりて4件に対応することができました。また2日目は複数傷病者事案であり、医師2名と心強い陣営で診療にのぞむことができました。2日間で3回もチーム分散となりましたが、これも良い経験になっていただけたと信じてます。

またいつでも前橋赤十字病院に顔を出してくださいね!1か月間、ありがとうございました。


初めて要請件数が月100件に達しました。
☆群馬県ドクターヘリ12月活動実績速報☆

〇要請:100件(先月+2件、昨年同月+29件)

〇出動:77件(先月+6件、昨年同月+25件)
・現場出動 58件
・施設間搬送 9件
・出動後キャンセル 10件・・・キャンセル率 13%
・その他 0件
〇未出動:23件
・重複要請 10件(うち1件は栃木県ドクターヘリが対応)
・救急隊現着後キャンセル 8件
・天候不良 0件
・運航時間外 3件
・その他 2件

月別出動数

<要請消防本部>要請/出動:100/77件
・前橋市消防  27/17件
・吾妻広域消防  19/16件
・高崎市等広域消防 12/10件
・多野藤岡広域消防 11/11件
・渋川広域消防  9/5件
・桐生市消防  6/5件
・利根沼田広域消防 6/5件
・富岡甘楽広域消防 5/5件
・館林地区消防 3/1件
・伊勢崎市消防 1/1件
・太田市消防  0/0件
*北関東3県広域連携(栃木県) 1/1件


<搬送先病院>傷病者:73名(多数傷病者事案 4件:2名3件、4名1件)
・22名:前橋赤十字病院・・・U-turn率:30.0%
・8名:群馬大学医学部附属病院
・6名:高崎総合医療センター
・5名:群馬県立心臓血管センター、公立藤岡総合病院、太田記念病院
・4名:公立富岡総合病院
・3名:美原記念病院
・2名:渋川総合病院、須藤病院
・1名:足利赤十字病院(栃木県)、佐久総合病院(長野県)、桐生厚生総合病院、伊勢崎市民病院、利根中央病院、伊勢崎佐波医師会病院、恵愛堂病院、群馬循環器病院、黒沢病院附属ヘルスパーククリニック、公立碓氷病院、第一病院


<ランデブーポイント>
新たに5ヶ所のランデブーポイントに着陸→使用したランデブーポイントは399ヶ所になりました。
現場直近にも2ヵ所着陸しました。


ちなみに今日は4か月に1度のドクターヘリ症例検討会が開催されていました。
また明日からドクターカーの試行運用が始まります!(詳細は明日・・・)

2013年1月30日水曜日

日没との戦い!~『ポトン』という名のスタッフ送り込み~

町田です。

群馬県は海がありません。リンクさせていただいている各病院のブログで時々海の画像があると、ちょっとうらやましくなることがあります。
海はありませんが、榛名山と赤城山の山頂にそれぞれ榛名湖と大沼というきれいな湖沼があります。ここは冬になると氷結しワカサギ釣りのメッカになります。数年前は暖冬、最近は原発事故の影響でワカサギ釣りが禁漁となっており、地元の方々は今年こそワカサギ釣りの解禁をという願いが強いようです。
氷結した大沼(赤城山山頂)です!

日没時間が徐々に遅くなり、群馬県も17時台に突入しました。
もともと夕方など人が動く時間は救急出動も多く、ドクターヘリも夕方の要請が比較的多い傾向にあります。

群馬県ドクターヘリの基地病院である当院屋上ヘリポートも群馬ヘリポートも夜間照明施設がなく、残念ながら日没時間までのヘリは基地病院が群馬ヘリポートに帰還しなくてはいけません。
少しづつ日が長くなってきて人が動き出す時間に再び活動できるようになってきたためか、ここ最近は再び要請受付終了時間近くの要請が増えてきました。

ドクターヘリの最大の目的は、現場にドクター、ナース、医療機器を送り込み早期医療を開始することです。そのために日没時間にヘリが戻ることさえできれば、現場に送り込みだけを行うこともあります。もちろんヘリが帰還してもドクター、ナースは現場で医療を行い、そのまま救急車に同乗して搬送先病院まで行きます。
もちろん早期搬送が優先される場合もあり、この時は機長が算出した現場滞在可能時間から現場に向かいながらナースや無線で現場救急隊と作戦をたて、場合によってはヘリ内にすぐに搬入しヘリ内で治療を行いながら搬送することもあります。

この1週間で夕方にスタッフ送り込みが4日あります。ちなみに僕は当番3連続で送り込み、もう1回はセンター長・・・群馬ではいつの間にかこのスタッフ送り込みのことを『ポトン』と呼ぶようになりました。
残り時間を考えて現場に向かいながら作戦会議。
傷病者の状態によって現場処置優先か早期搬送かを決断します。
ヘリでは戻らないという決断も重要なことがあります!
ヘリは日没までに帰還します。

実はまだ早い日没時間によりドクターヘリが早く運航終了する時間の活動を補填するために、明後日2月1日から『ドクターカー』の運航がはじまります。
エリアは前橋市消防局管内のみで、要請可能時間もドクターヘリ要請終了時間(日没30分前)から17時45分とかなり限定的な試行事業です。もちろんドクターヘリ同様に時間ぎりぎりの要請も可能です。これを足掛かりにドクターカーの本格運行も目指していく予定です。

2013年1月28日月曜日

またまた機体交換です!

群馬県ドクターヘリの主機体であるJA6910の長期出張の間、昨年秋からJA6924とJA6926が群馬の空を飛びまわっています。ちなみにJA6910、JA6924、JA6926ともに『BK117 C-2』という同じ機種です。(車で例えると車種は同じだけどナンバープレートが違うという感じです。)でもJA6924,6926はJA6910よりマイナーがモデルチェンジが入っています。

昨年10月15日から11月21日までをJA6924が、11月22日から今年1月26日までをJA6926が群馬の空を守ってくれていましたが、昨日より再びJA6924が戻ってきました。
 JA6924さん、しばらくの間よろしくお願いします。
(ちなみに右はJA6926です。違いが分かりますか?)

さっそく初出動から消防防災ヘリとのコラボでした。しかも群馬県防災ヘリがただいま定期検査(車で例えると車検)中のため、応援協定で駆け付けた長野県防災ヘリからの引継ぎでした。そういえば今日は栃木県防災ヘリも群馬県に応援で活動していました。
消防防災ヘリの応援協定のように、ドクターヘリも隣県すべてと早く連携を結びたいですね。
 
今年に入り関東の積雪のニュースが何度かありました。都心は特に雪になると交通網がマヒしてしまい、大きな社会問題にもなっています。
群馬は北関東といわれていて、今回も雪がたくさん降っているように思われているようですが・・・実は平野部はほとんど降っていません。北部の山間部にはしっかりと雪が積もり、一大スキーリゾートとして有名なスキー場も積雪量は十分。しかし、基地病院のある前橋市は積雪ゼロです。
 
相変わらず北風は吹き荒れており時々『快晴だけど風が強すぎて運休』ということもしばしば。いつでも常に安全第一で、出動できるときは現場に1秒でも早く向かうようにJA6924とともにスタンバイしています。
基地から5分のランデブーポイント・・・雪は全くありません。
基地から12分のランデブーポイント・・・一面銀世界です!


 


2013年1月27日日曜日

『3つのC』~Command & Control,Communication~

町田です。


今日は群馬県で多くの教育・研修コースが同時開催されていました。
・JNTEC・・・群馬大学医学部附属病院
・JPTEC・・・前橋赤十字病院
・ICLS・・・公立藤岡総合病院外来センター

当院からもそれぞれのコースにインストラクターとして参加させていただきました。病院前から病院での外傷診療、蘇生を学ぶ仲間が増えた1日となりました。



1月26日に平成24年度立川広域防災基地連絡協議会地震対応訓練があり、前橋赤十字病院DMATも1チーム参加しました。そして、立川にある内閣府予備施設に設置されたSCUのなかで、医師1名、看護師1名、業務調整員2名、そして朝日航洋CS 1名でドクターヘリ指令本部として活動しました。
今回の訓練においては、ドクターヘリの運航調整だけではなく自衛隊ヘリ、警視庁ヘリ、消防防災ヘリの計4機を利用して、都内の災害拠点病院からSCUに傷病者を搬送するミッションが与えられました。

今回はヘリの運航の最終調整を任せられたのは医療チーム(DMAT)でしたが、他のヘリの運航にかかわることは自衛隊、警察、消防との調整が必要になります。
そこで大切になるのは、『3つのC』になります。

まずは各機関の指揮命令系統を理解し(縦の関係:Command)、そして各機関のどのレベルと連携するか(横の関係:Control)をはっきりさせるところからはじまりました。
次にDMATと自衛隊、警察、消防担当者(リエゾン)との連絡方法やヘリとヘリ運航調整本部との通信の確立(Communication)をする必要がありました。


 
 
各機関のリエゾンの方はとても協力的であり、平時からヘリ運用も行っているプロでもあることから、こちらの方が多くのアドバイスをいただきとても多くのことを学ぶことができました。
また想定で一般回線電話、携帯電話が使用できないことになっていたため、通信は衛星電話や無線を頼ることとなりました。ちなみに衛星電話のアンテナの問題で外にドクターヘリ運航調整本部の設置となりましたが、北風も強いこの日は3時間の訓練でも体の芯まで冷えてしまいました。今後の通信手段の工夫やそもそも本部の設置場所の検討もしなくてはいけないことに気が付きました。
 
 
Command & Control,Communicationの『3つのC』は、災害時対応時にここの立ち上げがうまくいかないと活動が失敗におわる大きな要因になる非常に重要なものです。災害時だけではなく平時の仕事でも実は大切なことであり、普段からこのようなことをもっと意識する必要がありそうです。

2013年1月25日金曜日

世界で学び、世界へ挑む!

このブログは日本だけではなく、多くの世界の方からも閲覧していただいております。調べてみると約20名に1名の方は海外在住の方々に閲覧していただいているようです。世界で活躍しているの皆さん、本当にありがとうございます。
ちなみにベスト5は以下の通りです。
①日本 ②アメリカ合衆国 ③フランス ④スウェーデン ⑤ウクライナ
語学力の問題で日本語のみの表記ですが、今後ともよろしくお願いします。


『世界で学び、世界へ挑む!』
重症呼吸不全の患者さんの管理において、人工呼吸管理でも限界があるときに『膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation: ECMO)』という医療機器を用いて患者さんの酸素化を維持することがあります。(⇒詳細に知りたい方は【ECMO】で検索を!)

昨年より日本呼吸療法医学会では、重症呼吸不全に対するECMO治療の成績向上を目的として『ECMOプロジェクト』を開始しています。当院でも重症呼吸不全の患者さんの集中治療室への入院が多く、当院も本プロジェクトへの参加を表明し鈴木先生をリーダーとして院内の導入基準やマニュアル作りを進めているところです。
ECMOに関しては世界ではスェーデンが好成績を挙げており、当院でもレベルの高いプロジェクトを進めるために、病院幹部の方々のバックアップと日本呼吸療法医学会の仲介により、スウェーデンの首都ストックホルムにあるカロリンスカ大学でECMOの研修をする機会を頂きました。来週から12日間、当院プロジェクトリーダーの鈴木先生が短期研修で行ってきます。いろいろなものを持って帰ってきてくださいね!


また、昨年12月のAHA Resuscitation Science Synposium 2012 in L.A.においてYoung Investigator Awardを受賞した小倉先生が、今年5月にフランス開催されるEuropian Congress of Trauma & Emergency Surgery in Lyonで口演発表することになりました。
小倉先生が提唱している外傷スコアリングが世界に挑み続けています。もちろんスタッフ全員も日々の診療からバックアップ体制バッチリです。
 
 
全国からは知名度や魅力度が低い群馬県前橋市ですが、前橋赤十字病院から世界へ向けて挑む時代になってきました。『前橋発世界行き!』

2013年1月24日木曜日

AMRM訓練に参加しました。

町田です。

群馬県ドクターヘリが駐在する格納庫がある群馬ヘリポートのように、日本にはヘリコプター専用の離着陸場である大型の公共用ヘリポートが何か所かありますが、今日は東京の新木場にある日本一大きい『東京ヘリポート』に出かけました。(ちなみに群馬ヘリポートは日本で3番目に大きい公共用ヘリポートです!)


東京ヘリポートにある朝日航洋南格納庫内の会議室で、昨日から4日連続で『AMRM訓練』が行われています。当院からも連日フライトスタッフが参加しています。主催は朝日航洋株式会社 安全統括部安全推進室で、本日の訓練では運航会社の機長、整備士、CS各1名ずつ、5病院からフライトドクター6名、フライトナース3名が参加していました。

AMRM(アムラム)・・・?この言葉は”Air Medical Resource Management”の略で、ドクターヘリの活動における人的要因に着目した事故防止のための研修です。
病院関係者では各病院でMRM研修を行っている方はイメージが付きやすいかもしれません。Medical Resource(Risk) Managementのドクターヘリ版のようなものです。


朝日航洋では1998年から一般の航空機運航・整備を前提としてCRM(Crew Resourse Management)訓練を行ってきています。これを踏まえて、ドクターヘリをはじめとする救急医療搬送(EMS)の業務実施上の環境では、狭いヘリポート、時間の制限、患者の急変などのEMSクルーに対しての焦りや操作ミスを誘発させる要因がより多く潜んでいることから、CRM訓練をEMS関係者向けに発展させたAMRM準連を開発し実践しているとのことです。

講義、ビデオ供覧、グループ・ディスカッションを通して、AMRM訓練の意味、セルフ・マネージメント、トータル・マネージメント、スレット&エラー・マネージメントを学びました。
『人はだれでも必ずエラーをしますが、でもそのエラーに発生をいかに防ぐか?』など、明日からすぐに実践しなくてはいけない内容ばかりで大変勉強になりました。

ドクターヘリの活動では、傷病者を守るためにはまず運航の安全が守られることが必要です。これからは運航クルー・医療クルーで安全についてもっと意識しながら、さらにより良い医療が提供できるようにしていかないといけないですね。

2013年1月23日水曜日

もう一つの翼!~赤十字飛行隊~

町田です。

今日は朝から定期健康診断がありました。当院には主に人間ドッグなどを行う健康管理センターがあり併設されており、今朝は救命センターではなくこちらに顔を出しました。一通りに説明を受けた後、他のドッグの患者さんとともに採血、採尿、視力検査、聴力検査、レントゲン検査、心電図検査、内科診察、胃検査(年々検査項目が増えてきます・・・)を行いました。
昔の人は「医者の不養生」とよく言ったもので、寝不足、不規則な食生活、ストレス(?)の塊である僕たちは、なにか悪い結果(特に体重増加、中性脂肪高値など)がでないかとドキドキしてしまいます。検査数日前のみ禁酒、減塩、減油などを試みる無駄な抵抗もしてしまいます。
とは言いつつも、皆さんの健康を守る僕たちが不健康であることは本末転倒です。これを機会にまた普段の自分の生活リズムを立て直すよう努力します。
それでも以前より職場が医師の健康を気遣っていただける時代になっていることは実感します。


昨日群馬ヘリポートで待機していたところ、3機のヘリコプターが飛来しました。その機体には 『赤十字飛行隊』のマークがついていました。

皆さんは『日本赤十字飛行隊』をご存知ですか?
赤十字飛行隊は小型航空機を使用して日本赤十字社が行う災害救護等、人道的な業務に無償で協力することを目的として、昭和38年に結成された日本赤十字社本社直轄の特殊奉仕団とのことです。現在は、これに賛同する個人・機体オーナー、グループ・企業などが隊員登録され、多岐にわたり活動しています。

http://www5.ocn.ne.jp/~jfa/ledclose.htm

群馬県でも局地災害において孤立した被災地に物資を援助していただいたり、スタッフ派遣や無線の中継など様々な活動で活躍していただいております。災害訓練にも積極的に参加していただいておりますが、赤十字の精神にのっとりすべてボランティアでの参加であることがまた心を打たれます。

群馬県では平時より県警ヘリ、消防防災ヘリ、ドクターヘリが空から県民の命を守る翼として活躍していますが、『赤十字飛行隊』がもう一つの大切な翼として活躍しています。
昨日は3機の赤十字飛行隊のヘリが集まってきました。
(群馬県内では全4機の赤十字飛行隊登録があります。)

2013年1月21日月曜日

縦と横のつながり!~『リアルXワールド』の放送から~

町田です。

今晩は夜中から明朝にかけて雪が降りそうです。今年に入って先日の降雪日以外は毎日出動しているドクターヘリも、明日の昼までは群馬ヘリポートの格納庫でお休みになりそうです。

雪がやむまでしばらく休んでていいですよ。

1/19(土)の午前中に日本テレビ系で『リアルXワールド』という番組があり、ドクターヘリ活動を通じて当院若手医師の奮闘ぶりを紹介していただきました。いろいろアナウンスさせていただきましたが関東地区のみの放送であったため、放送を見られなかった地域の皆様には大変申し訳ありませんでした。
また多くの皆様から予想以上の激励のメッセージをいただきました。たくさんの温かい言葉に感謝するとともに、皆様の御期待に応えられように今後も一生懸命頑張ろうと思います。


今回の番組を見ながら感じたことは、『縦と横とのつながり』の大切さでした。

 
何事も最初からすべてがうまくできるわけがありません。もちろん医療の世界でも同じです。
ただし、医療の世界は取り扱っているものが『人の命』です。極端な言い方をすると失敗は許されません。
ほとんど多くの医師は若いころの思い出は、“先輩に怒られたこと”かもしれません。僕はかなり出来が悪かったのでよく怒られました。でもそれでも見捨てらることなく多くのことを教えていただきました。怒られる側も怒る側も、やはり『命』を取り扱うという責任感があるからです。
必死についてこようとする後輩と、なんとか一人前にしたいという思いで責任を背負うつもりの先輩の『縦の良いつながり』が当科にはあります。
 

昨年度にフライトドクターになった2人の後輩も、今年度はお互い100件を超えるフライトを冷静にこなしています。このような後輩の成長に先輩もうかうかしていられません。でもこのような関係もまた当科の大きな刺激になっています。
当科には昨年4月に当院初期研修を終了しそのまま入職した地元出身の貴重な救急医の卵がいます。彼らも数年後には大いに活躍する日が必ず来るでしょう。もしできなければそれは先輩が悪いという覚悟で僕たちも頑張ります。


ドクターヘリの活動は多くの職種の方々が傷病者の救命という同じ目的で動いています。
ドクターヘリの最大の目的である『重症傷病者への早期医療介入』のためには、ドクターヘリを早く目的地に安全に着陸させる必要があります。医療チームが無線を長々としゃべってしまい、着陸のタイミングを遅らせることはあまり許容できることではありません。
航空会社の方々も若手医師のために時間を割いて無線の使用法を指導してくださったり、現場での安全な活動のアドバイスを救急隊や支援隊の方に教わったりなど、『横のつながり』もとても大切になります。


この番組では当院とともに日本医科大学千葉北総病院の活躍も描かれていました。当院からも2人の医師、1人の看護師が、群馬県でドクターヘリを始めるための研修でお世話になりました。
やはり救命センターの雰囲気、ドクターヘリ活動のレベルの高さをひしひしと感じました。いまでも様々な場面でご相談させていただいたり、一緒に活動したりなどすることがあります。特に大規模災害時のドクターヘリの運用に関しては、同院と当院が中心となって様々な検討を続けています。
ここでも強い横のつながりを感じます。
 
 
放送の内容とは多少異なった感想かもしれませんが、この番組を通して医師として責務を果たしていくうえで、決して一人きりではなく『縦のつながり』『横のつながり』の大切さをあらためて感じました。
 
 

2013年1月20日日曜日

ようこそ。そして、お帰りなさい!~JATEC前橋コース開催中~

町田です。

昨日は1か月半にわたり取材をしていただいていた『リアルXワールド』の放送がありました。放送があった関東地区の皆様から多くのコメントや激励のメッセージをいただき心より感謝いたしております。
しかしながら昨日は特に午前中はICU,ERともに多忙な状況で、勤務中のスタッフはほとんど放送を見られず、これこそまさにリアルワールド・・・あらためてゆっくり見たところでコメントなどへの返事を書かせていただきます。


今週末は当院教育研修推進センター(旧看護学校)において『JATEC前橋コース』が開催されています。(ディレクターは中野センター長、高橋先生、コーディネーターは宮崎先生です。)


☆JATECとは・・・(ホームページより)
JTCR(日本外傷診療研究機構)では、「外傷初期診療ガイドライン」で示した標準的な診療が実践できるよう「JATECコース」を開催しています。JATECコースは、外傷診療に必要な知識と救急処置を、模擬診療を介して学習いただくトレーニングコースです。

ちなみに当科ホームページでコースの概要を知ることができます。
http://www.gunma-redcross-icuqq.com/seminar/jatec.html


このコース開催にあたって全国から多くのインストラクターの先生にお集まりになっていただいております。寒風吹きすさぶこの時期の前橋に足を運んでいただき心より感謝しております。

10年以上前の初期研修医時代に毎日ご指導いただいた恩師の方々、ドクターヘリOJT研修での師匠、各種コースでお世話になった先生方などとの再会があり、このようなコースを通じて多くの方々とのつながりを感じました。
 
研修医時代からの先輩とドクターヘリで指導いただいた先生とともに。
天候にも恵まれ、この時期珍しく屋上ヘリポートで記念写真です!

そして昨年まで共に働いていた仲村先生、畠山先生もインストラクターとして参加してくれました。
後期研修の3年間を当科で過ごした畠山先生は、昨日は受講生へのデモンストレーションのデモ隊長をしており、またその隊長の緊張をほぐすかのように救急隊員&患者さん(声)役で見事なサポートをしていた仲村先生の活躍に、本当にうれしくて感動しました。
デモ隊長の畠山先生と仲村先生!
また当科に都内から半年間研修に来ていた加藤先生、済川先生の姿もあり、懐かしい再会となりました。
加藤先生、済川先生!
当科でともに働いていた仲間とこのような機会で再会し、そして様々なところで活躍している姿が本当にうれしく思ったとともに、もっともっと自分たちも頑張らないといけないという刺激をいただきました。

昨日のコース1日目終了後に懇親会があり、インストラクター、受講生を含めて60名を超える参加がありました。僕も勤務終了後に駆けつけさせていただきましたが、3回目を迎える今年もとても良い雰囲気のコースになっております。
2日目もちょうどいま始まったところ・・・インストラクターの皆さん、どうぞよろしくお願いします。受講生の皆さん、頑張ってください!



~追記~
『前橋赤十字病院 高度救命救急センター 集中治療科・救急科ホームページ』のアクセスが30,000件に達しました。http://www.gunma-redcross-icuqq.com/index.html
またFacebook上の『前橋赤十字病院 高度救命救急センター ファンページ』への応援も200名に達しました。
これからも個人情報に十分配慮しながら、積極的に様々な話題を提供していこうと思います。

2013年1月18日金曜日

第18回日本集団災害医学会に参加しています。

昨日1月17日は阪神淡路大震災がおこった日です。今年で地震から18年たちました。
神戸の街にいるとその地震の傷跡はほとんど目立たないくらい発展をしていますが、それでも街の至る所には震災を忘れず未来に伝えるための地震の痕跡が残っています。

今年の日本集団災害医学会の開催地は神戸で、1月17日から3日間の日程で行われています。


当院からは4名の発表があります。

・中野センター長
一般演題「事例検討」
『関越自動車道高速バス居眠り事故の経験から考える局所近隣災害への備え』
・中村医師
シンポジウム「局所(近隣)災害への備え」
『関越道バス事故における群馬DMATの課題』
パネルディスカッション「SCUの整備-円滑な広域医療搬送実現のために-」
『SCUとドクターヘリ指令本部』
・高寺看護師
ワークショップ「災害時診療録やアセスメントシートの標準化」
『現場救護所における救護所受付用紙を用いた情報集約』
・町田
ポスター発表「災害拠点病院、DMAT、広域医療搬送」
『東日本大震災、関越道バス事故の対応の教訓による院内災害対策本部設置およびDMAT参集基準の改定』


今回の学会は阪神淡路大震災、東日本大震災で犠牲となられた方々への黙祷から始まりました。
そして東日本大震災からも間もなく2年たちますが、今は阪神淡路大震災を経験された方々が東日本大震災の復興支援のために汗を流している姿に胸を打たれました。



今年の学会発表を聞いていると、災害医療において医療機関と多職種の様々な機関との横のつながりが以前に増して強くなってきている実感があります。
われわれは、これからも広域災害、局所災害いずれにおいても、1名でも犠牲者を減らすための備えを続けていかないといけません。



~番組宣伝(再掲載)~

明日(1/19)午前10:30~11:25の放送です。
リアル×ワールド 「THE命のヒーローズ 緊急出動!ドクターヘリ 命との闘い」
http://www.ntv.co.jp/program/detail/21817107.html

日本テレビ系列で関東エリアでの放送になります。多くの方に『見ますね!』と声をかけていただきましたが、関東エリア以外での放送はないようです。
楽しみにしていた関東エリア以外の皆様、どうもすいませんでした。

2013年1月16日水曜日

準備と合併症への対応。~医療行為を行う心得~

町田です。

一昨日に関東一円を白く染めた大雪も、群馬の平野部ではほとんどその姿を見なくなりました。
昨日に引き続き今日も朝から真っ青な空が広がり、ドクターヘリも朝から続けざまに出動していました。
ただ寒さはまだ厳しく、日の当たらない路面はまだ凍結しているところがあり、時々自転車通勤中と思われる学生たちの転倒する姿を見かけました。皆さん、お気を付けください。



救急外来や集中治療室で患者さんの診療をするに当たり、診断を付けたり治療のために患者さんの体に針を刺す『穿刺』という医療行為があります。

例えば、緊張性気候に対する『胸腔穿刺』、心タンポナーデに対する『心嚢穿刺』など緊急穿刺もあれば、検査と治療を兼ねた『関節穿刺』、『胆嚢穿刺』、それ以外にも点滴をとったりすること自体も血管への穿刺行為です。これらのことは病院だけではなくドクターヘリで出動した現場でも行われており、特に救急医療においても1日たりとも行われない日がない医療の一つです。

【穿刺(せんし)】という言葉を辞書で調べると以下のように書いてありました。
体外から血管・体腔内や内臓に注射針を刺すこと。検査のため体液などを吸い取ったり、体内にたまった体液やうみを排出したり、治療のため薬物を注入したりするのに行われる。

ちなみに『穿』『刺』それぞれの意味も調べてみました。
【穿つ(うが・つ)】穴をあける。掘る。また、突き通す。貫く。
【刺す(さ・す)】先の鋭くとがったものを中に突き入れる。突き立てる。突き通す。


人の体に針を刺すことは、外科医が手術でひとの体に傷をつける事と同じく、医師免許がないと犯罪行為になります。逆にいうと医師免許を持つことは、このような行為を行うことで患者さんを治療するという任務が与えられます。そして、人の体を刺すということに伴うリスクとその責任を負うことになります。

医師には知識のみではなく職人的な要素が必要だと思います。いくら知識にあふれていても、その知識を患者さんに提供できなければ全く意味がありません。そのためには医療行為の腕~技術~を磨くことも必要です。


若手医師ももちろんこのような技術を覚えていただき、どんどん治療の幅を広げていきたいと考えています。そのためには新人への指導を行わなくてはいけません。患者さんを練習台にすることは決して許されませんからね。

そこでいつも大切になるのが、事前の準備です。
患者さんの体位をどうするか、どのような資器材を使用するかなど、まず行うことに対するしっかりとした準備ができないといけません。颯爽と真っ先に手術着になり、『あれ下さい、これ下さい』と周りに頼むようではいけませんね。最近は様々な穿刺キットが発売されていて、そのキットの中にすべての道具がそろっていることがありますが、実際に最初の患者さんへの消毒から穿刺した針の固定まで一通り自分で準備できる若手医師がどれくらいいるでしょうか?以前は1個でも準備が足りなかったその行為をすることさえ許されなかったことがあります。いま、そのようなことをしたら逆に指導医が怒られてしまう時代かもしれませんが、患者さんの体に針を刺すことはそれだけ責任重大ということです。

そして次に大切になるのが、合併症への対応のイメージを持っているかです。
もちろん合併症を起こしてはいけませんが、本当にマイナーなトラブルを含めて医療行為に合併症0%で行い続けることはきわめて困難です。合併症やトラブルが発生した時に、どのように安全に対処するかの方法をきちんと持っていないといけません。このことは経験から学ぶこともありますが、想定されるリスクをきちんとイメージし合併症がおこった時にいかにリカバリーショットをうつかまで考えておく必要があります。

指導医によってさまざまな意見があると思いますが、最近の若手医師の手技を指導しながら、準備と合併症への対応のイメージを持っていることが穿刺の成功の9割を占めていると感じる今日この頃です。

2013年1月14日月曜日

休日でも雪でもICUは全力投球!

町田です。

夜中の雨が朝から雪に変わりました。
今日は爆弾低気圧通過に伴い関東一円が大雪になりました。特に関東南部の方が降雪量が多かったようです。
群馬県の平野部も午前中よりみぞれ交じりの雨になり、昼にはすっかり雪模様でした。山間部はしっかり雪が積もったようで、明日以降はさらにスキー日和になりそうですね。

夜になってすっかり雪も雨もやみました。
歩道の一部にのみ雪がうっすら残っていました。
昼間降った雪も平野部ではほとんど積もることなく、歩道の一部にうっすら残ったのみ・・・でも夜間の冷え込みが強いようで、路面の凍結が心配です。交通事故や転倒などでけがをしないことを祈るばかりです。


新年になり2週間がたちました。
さすがに今日の天気ではドクターヘリの要請はありませんでしたが、昨日までで1日4件ペースで要請をいただいております。そのかわりに病棟や病院スタッフのインフルエンザの流行などによりベッドコントロールがままならず、救急車の受入にかなり難渋してしまっているところがあり本当に申し訳ない限りです。患者さんのみならず病院職員全員の感染対策をあらためて強化して、一人でも多くの患者さんを受け入れられるように努力いたします。


そのような中でICUはここ2日間で7名の患者さんの入院があり、今年に入ってすでに30名近くの新入室患者を受け入れています。
この3連休も麻酔科や研修医を含め毎日6名のICU専従医を配置しています。補助循環による循環管理、人工呼吸器による呼吸管理、透析による水分管理など、みんなで常にディスカッションをしながらよりよい治療方針をリアルタイムに更新していきながら治療を進めています。

今日も感染症検査の腰椎穿刺による髄液検査、検体の染色と顕微鏡検査、脳波検査、透析用カテーテル留置や複数名の透析治療、腹腔内圧測定用カテーテルの留置、緊急止血や全身の包帯交換など、休日の平日と変わらないレベルで治療を継続です!
翌日に術後患者さんの入室予定がありますが、その方のためのベッドを前日から空けて待っている余裕は当院の12床のICUにはありません。だからこそ1日でも早い回復のためにスタッフ一丸となっています。

今日も透析治療のために朝早くから夜遅くまでICUに詰めてくれた臨床工学技士さん、カテーテル留置のたびに確認のレントゲン撮影で駆けつけてくれた放射線技師さん、病態に合わせて次々と処方される点滴や内服薬をすぐに準備していただいた薬剤師さん、輸血のオーダーや緊急検査の数々をあっという間に準備してくれた検査技師さん、電気メスなど必要な資器材をものすごい速さでとりに行ってくれた看護助手さん、そして僕たち以上にずっと患者さんのそばで様々な観察や対応を行ってくれた看護師さんなど、ICUにかかわったすべてのスタッフに感謝いたします。
ICUもやっぱりチーム医療ですね!

2013年1月12日土曜日

救急科医の素顔・・・(番組宣伝です。)

この3連休中に全国赤十字救護班研修(日赤DMAT 研修)、JATEC東京コース、前橋PSLSコースが開催されており、当救命センターからもインストラクターとして各コースにスタッフが参加しています。また連休になると特に救急外来をはじめ救急医療が忙しくなることもあり、ドクターヘリ、救急外来、集中治療室、入院患者さんの診療など、多くのスタッフが交替で連休中の病院を守っています。


11月末から約1ヶ月半、若手医師の活躍(?)をドクターヘリの活動とともに密着した取材がありました。取材の期間中におきましては関係各機関の皆さんにはいろいろお手数をおかけしたこともありましたが、ご協力にこころより感謝いたします。

ドクターヘリの取材をするにあたりものすごい予習をしてきた取材スタッフの姿勢に驚きました。
もちろん患者さんの診療、搬送が優先されるため、何度も群馬県の山間部に置き去りにされたカメラマンの方も・・・


その取材による番組の放送日が決定しました。

『リアル×ワールド 「THE 命のヒーローズ 緊急出動!ドクターヘリ 命との闘い」』
・放送日:2013年1月19日(土) 午前10:30~11:25 ・・・ 1週間後です!
・放送局:日本テレビ系列

http://www.ntv.co.jp/program/detail/21817107.html

日本医科大学千葉北総病院も同時期に取材があり、ドクターヘリ大先輩の北総病院の活躍とともに当院も紹介していただけるのはとても光栄なことです。
当院のフライトドクター、フライトナースの何人かは北総病院でドクターヘリOJT研修をしており、この番組を通して前橋日赤の成長も伝えられるとうれしく思います。
北総病院でドクターヘリOJT研修を受けてはや4年がたちました。


お時間がある方はぜひご覧ください。

LinkWithin

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...