自分たちでも何とかする努力!~重複要請にたちむかう~

町田です。

昨日はドクターヘリの広域連携について書かせていただきました。
しかしながら重複要請においては、連携ばかりではなく自県内でも次事案に対応する努力も必要です。

今月もあと5日を残すところですが、ドクターヘリは85件の要請をいただいております。
しかしながら日没が短くなった影響で待機時間ギリギリや少し過ぎた要請に対応ができない未出動が増えており、また11件は重複要請に対して対応不可能となってしまっています。

しかし重複要請の11件すべてに早期医療介入がなされなかったわけではありません。
3件は群馬県防災ヘリ・ドクターヘリ的運用で対応し、他の2件も防災へリ出動の準備が始まっていました(離陸前にキャンセル)。
群馬県ドクターヘリは基本的に1 doctor制であるため、今までは重複要請の際に出動できる2nd doctorがいることを確認し、それからどの手段で行くか検討し、そしてその手段に出動を打診する・・・そんなことをしている間に時間ばかり過ぎていました。
しかし今はちょっと変わってきました。まず重複要請が入ったら、防災航空隊に一報です。そこで準備を始めていただき、救助仕様から救急仕様に帰る時間も含めて約10分ちょっとで離陸です。もちろんキャンセルになったりドクターヘリでピストンになったりして防災ヘリ出動が空振りになることもありますが、防災航空隊の皆さんは「空振りでも気にしなくてよいので、どんどん情報を下さい!」といつも笑顔でおっしゃってくれます。

もちろん広域連携も大切であり、今月も栃木県ドクターヘリに1件応援出動していただきました。


県内の大部分の場所においては、自分たちで第2陣を送った方が早い場合が多いのも事実です。隣県との連携を強化するとともに自県のシステムももっと強化していく必要がありますね、
「直近からのドクターヘリ要請と隣県からの応援要請が同時に来た時に、直近をドクターカーに切り替えて、隣県にドクターヘリが向かう・・・その間に県内からまた要請があった時にすぐに防災ヘリが向かう・・・」このように早期医療介入のために次々と手段を講じれるような強さを持たなくてはいけません。実際に日本にはこのような活動を常に行っている地域がありますからね!

 

===予告===

いよいよ明日から藤塚・小倉両先生が参加した『AHA-ReSS 2013 in Dallas』の報告です。
お楽しみに・・・

コメント

  1. 栃木ドクターヘリ、目撃しました。
    東の空を低空で大泉に向かい、その後、太田記念病院へ向かいました。
    そして、最後は我が家の少し北を基地に向かって帰って行きました。
    栃木ドクヘリを見たのは初めてでしたが、県境に関係なく相互に援助しあう姿には、安心感が強まり、ドクヘリの頼もしさを実感しました。

    返信削除
  2. 一文字違いさん、コメントありがとうございます。
    東毛地区は群馬の患者さんが栃木の病院でお世話になったり、栃木の患者さんを群馬の病院で面倒を見たりなど、昔から県境を越えた医療圏が形成されていました。その医療圏を生かしながら活動するのもドクターヘリの大切な役割です。
    僕も栃木県ドクターヘリも基地病院である獨協医科大学病院を頼もしく感じています!

    返信削除

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