後ろが詰まっている痛手・・・(ドクターカー前橋8-10月活動実績速報付)

町田です。

もう11月になりました。台風の対応に追われた10月にはあまり気が付きませんでしたが、いつの間にか山々は赤や黄色に色づいています。今年度も残すところ2ヶ月ですね。


猛暑による救急搬送の増加への対応が一段落つく間もなく、急に寒くなりこれからは肺炎などの呼吸器疾患やインフルエンザなど感染症による救急搬送が増えてくる季節に突入しています。
今週も昨日までの4日だけでICUに13名の新たな患者さんを受け入れました。つねにベッドが一日のICUなので、13名を入室させるためには当然のことながら13名の患者さんがICUから一般病棟などに転棟させなくてはいけません。つまりそれだけの方をICUを卒業できるくらいまで病状を安定させなくてはいけないのです。そのために常に当科スタッフをICUに配備して、24時間体制で重症集中管理を継続しています。

もちろん転棟先の病棟のベッドも空いていないとICUから移るのも困難になります。そのために看護部を始め各病棟の看護師、各科の先生に全面的にご協力をいただき、なんとか新たな重症患者さんを受け入れられるためにベッドの調整をしていただいています。もちろんこれに伴い入院中の患者さんに部屋や病棟をお願いしなくてはいけない場合もあります。本当にいつもご協力に感謝するとともに、これからもご理解のほどよろしくお願いします。

各病院のICUのベッド状況が救急車の受入に左右してしまう現実があります。救急搬送システムにも3次対応病院の重症ベッド状況が反映されていて、前橋市内のように総合病院がいくつかあるところではその状況で搬送先も変わってきます。1日で30台救急車を受ける日もあれば10台以下の受入要請の日もあり、その多くはICUベッドに大きく影響されているように感じます。高度救命救急センターとしてあらゆる重症疾患を24時間いつでも受け入れられる土台の脆弱性がここにあり、ICUリーダーの日はそのことを少なからず意識せざるを得ません。(もちろんICU満床であろうと、救急車の受入要請の依頼に対して原則お断りはしていませんよ!)

当院は一般病院に部類されます。大学病院でも公立病院でもありません。残念なことに療養型入院やリハビリのための継続入院が必要な際の連携病院が少ない現実があります。さらに入院させた以降は全く面倒見る気のない施設や家族に悩まされることもあります。つまり長期療養が必要な患者さんの出口がなく詰まっているために、入口の部分が窮屈になってしまっています。
脳卒中では群馬県で統一された連携パスがあり、急性期、慢性期での病院連携がかなりうまくいっているようです。しかし救急科で入院した患者さんについて後方ベッドの確保ができておらず、そのことがまたベッドコントロールに影響し、最終的に群馬県全体の救急医療に影響を与えてしまっているかもしれません。病院と病院間や病院と施設間でもっと真剣に考えてほしい課題です。各病院や施設を維持するために経営や運営を優先することは大事なことだと思いますが、今一度お互いを助け合う気持ちで県の救急医療を守るために、各病院、施設で真剣に話し合っていただきたい願いでいっぱいです。





☆ドクターカー前橋8-10月活動実績速報☆

2-4月に行われたドクターカー試行事業(前橋市消防局管内)ですが、8/31より再開となっています。基本的には日没時間が早まることに伴う群馬県ドクターヘリの要請受付時間短縮分の補てん(日没時間30分前~17時45分)が運行期間ですが、今回より悪天候でヘリ運休中も運行可能となりました。

<8月>
〇要請:1件
〇出動:0件
〇未出動:1件

<9月>
〇要請:6件
〇出動:5件
 ・現場出動       4件
 ・出動後キャンセル   1件
〇未出動:1件

<10月>
〇要請:10件
〇出動:9件
 ・現場出動       7件
 ・出動後キャンセル   2件
〇未出動:1件

10月は悪天候の影響で丸1日運休日にドクターカー3件出動がありました。平時の当院への救急患者の搬送の様子からはドクターカーによる早期医療接触が有効な症例が数多く存在すると思われます。
まだ出動条件に制限がかなり多い試行事業ですが、ニーズが多いことは目に見えています。早期にドクターヘリとの併用ができることを強く願っています。

明日は群馬県ドクターヘリ10月活動実績速報を掲載予定です。



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