『インストラクタートレーナー』~インストラクターを育てるインストラクター~

町田です。

先月から日本上空を台風がたくさん通過しています。今度の台風24号もものすごいカーブを描いて日本列島を縦断するようです。みなさん、事故やけがなどに十分に気を付けてお過ごしください。


当科スタッフは日々の臨床現場のほかに、未来の救急医療や災害医療を担うスタッフを育成するための様々な教育・研修コースにインストラクターとして参加しています。

 ☆(参考)当院を会場に開催している各種コースはこちら
  → http://www.gunma-redcross-icuqq.com/seminar/index.html

さらに各コースでインストラクターになる人材を育成するコース(インストラクターコース)のインストラクターとしての活動も行っています。いわゆる「インストラクタートレーナー」です。
昨日は名古屋で開催されたJATECインストラクターコースに中野センター長と僕が、本日当院で開催されたJPTECインストラクターコースに中村先生が参加しました。

 ☆JATECコース → http://www.gunma-redcross-icuqq.com/seminar/jatec.html
 ☆JPTECコース → http://www.gunma-redcross-icuqq.com/seminar/jptec.html

インストラクターコースでは、インストラクターとしての責務、成人教育学について学んだり、実際にスキルやシナリオの指導をしながらそのテクニックや効果的なフィードバックの方法を学びます。
そのコースを指導するインストラクタートレーナーは、実は特別な教育の専門家ではなく普段は患者さんを診ている医師です。しかし、医療の現場でも後輩の指導や他の医療スタッフに教える機会は多々あります。また災害やドクターヘリなどで現場に出る際も、消防関係の方に医学的な指導やフィードバックをすることがあります。常に「教える」という行動はついて回ってきます。

「教える」=「学ぶ」ということではありません。インストラクターが教えた内容が学習者にとってそのまま学んだことになるのではなく、その教えによって「学習者の行動に変革をひきおこす」ことが求められます。そのための「教えのテクニック」をインストラクターを目指している方々に教えます。

もともと体育会系、気合の教育で進んでいた僕には、成人教育のインストラクターをさらに教育するインストラクターの役割はとても難しかったのですが、以前より中野センター長が様々なコースのインストラクタートレーナーとして活動してきて(実際にセンター長にインストラクターコースでご指導いただいた当科スタッフもたくさんいます)、今回もセンター長から直々に考え方や様々なテクニックを伝授していただきました。



当院は初期研修医をうけいれる臨床研修病院でもあり、様々な場面で教育の場面があります。たくさんの後輩がきちんと育つということは、最終的には患者さんにとって大きなメリットになります。でもその指導法を間違えると大変なことになります。でもその責任は学習者ではなく指導者にあります。指導者は学習者の学びに責任を持たなくてはいけません。

日常の診療の中で教育についても考えている今日この頃です。


JATECインストラクターコースの前夜・・・
会場となった名古屋掖済会病院の先生の音頭で、日本DMAT研修や実際に災害救護活動で
ご一緒させていただいた医師、看護師、薬剤師、事務員の方が8名も集まってくださって、
心温まる歓迎会が用意されていました。愛知の皆様の熱いハートに感激した夜となりました。


コメント

  1. こんにちは。昨年名古屋インストラクターコースを受講した者です。大変お世話になりました。本日神戸でデビューいたしました。来月の大阪、長崎も参加予定です。ご一緒した際はよろしくお願いします。

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    1. 匿名先生、コメントを頂きありがとうございます。
      受講生に充実した時間を過ごしてもらうためには、目的、雰囲気作り、そして時間管理をこれからも忘れずに、より良いインストラクションを目指して頑張ってください。こちらこそこれからもよろしくお願いいたします!

      削除
  2. 町田先生 お返事ありがとうございました。
    長崎で整形外科医をしています竹内 潤と申します。匿名になっていましたね。。。
    失礼いたしました。
    デビューが遅れましたが、約1年がかりで8月の神戸でデビューいたしました。
    その後、大阪でインストラクターをした後、
    先日の長崎コース、来週の東京コースで責任者をさせていただくこととなりました。
    まだ5年目ですが、研修医に近い分知識や技術を熱心に指導していけるよう頑張ります。
    救命医療は救命センターのスタッフだけの仕事ではなくひとりひとりに出来る命のリレーであるということ。
    JATECに限らず、仕事でもプライベートでも相手の考えを聞いたあとのポジティブフィードバックは大変役立ってます。

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    1. 竹内先生、ご無沙汰しております。JATECインストラクターデビュー、おめでとうございます。
      一人でも多くの外傷患者を助けてあげる医師の育成のためにお互い頑張っていきましょう。
      先生のおっしゃる通り、インストラクション、フィードバックを考えることは、自分の普段の行動を振り返る良い機会になりますね。

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