合言葉は『SSTT』!

町田です。

9月28,29日の2日間、大阪府立大学りんくうキャンパスを会場に開催された『外傷外科手術治療戦略(Surgical Strategy and Treatment for Trauma:SSTT)コース』を受講してきました。

☆SSTTコースホームページ → http://www.sstt.rgmc.izumisano.osaka.jp/
(『外傷外科手術治療戦略(SSTT)コース公式ガイドブック』もあります。とてもわかりやすいです!)

コースを受けるために外傷に対する初療と手術のある程度の知識と経験がチームとして求められており、今回は①元外科系で現在JATECインストラクターの救急科専門医、②救急科専門医をもっている呼吸器外科指導医、③元手術室配属で現在救命センター病棟看護師、④現役手術室所属の看護師の4名でチームを結成し参加しました。
(左から)上吉原先生、町田、齊藤君、今河君す。
OPE側とER側を抜群のチームワークで結んだ4名です!

重症外傷患者さんの救命のためには、初療の段階で系統だった評価と蘇生が必須であり、初療の段階で特に出血に対して早期の止血を行い患者さんの全身状態を悪化させないことが大切になります。
当院はER型救急で、重症外傷に対する初療を救急科医が行いながら、外科的に必要な蘇生については各専門科と協力しながら、病院全体でタッグを組んで行っています。
しかしながら、もし救急科医が必要な外科的治療に踏み込むことができず保存的治療で粘りすぎたり、逆にもし専門外科医がどんどん全身状態が悪化するなかで根治手術に固執することがあるようだと、うまく戦略を立てれば助けられるはずの重症患者さんをなくしてしまう可能性があります。

大切なことは、救急科医も外傷外科の知識を、専門外科医も外傷初療の知識を共有することです。
これらを“共有する”ために大切なキーワードが 『SSTT』です!
コースでは1日目に座学やワークショップがあり、2日目は実際の手術実習で構成されていましたが、この2日間にインストラクターの方々が常に僕たちに教えてくださったことは以下の4つです。
・S:Speedy & Suitability(迅速性と適確性)
・S:Strategy(戦略)
・T:Tactics(戦術)
・T:Teamwork(チームワーク)
患者さんの状態から適確な戦略を決定し、その戦略に基づいた戦術をチーム内できちんと共有して迅速に活動することが大切なのです。
目の前の状況に対する戦略を立て戦術を行っていますが、
つい手技に夢中になると無口に・・・
そんな時に看護師より「どのような作戦で何を準備しますか」の声が!
これこそチームワークです。

このSSTTの考え方はもしかしたら重症外傷外科手術だけのものではないことに気が付きました。
例えばICUに心肺機能がギリギリの重篤な患者さんが入室したときに、危機的状況をのりきるためにまずは患者さんの心臓を止めないという戦略のもと、そのための呼吸循環管理を優先とした具体的な戦術をたて、看護師さんなどと情報の共有や処置を協働しながら迅速におこなうことで危機的状態から早く脱するような動きが取れますね!

本当に充実した2日間になりました。様々な形で病院に還元して行こうと思います。
そしてたった12名の受講生のために、泉州救命救急センターの先生、看護師の方々を始め全国から受講生の3倍近いインストラクターの皆様にご指導いただいたことを心より感謝いたします。
 インストラクターの皆様、本当にありがとうございました。
泉州救命救急センター、南丹病院の皆様、ともに学べた本当に素晴らしい時間となりました。

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