医療スタッフ送り込み!~日没時間の短縮とともに・・・~

町田です。

昨日は全国的に快晴だったようです。群馬も雲一つない青空が広がっていました。
しかし、利根川をはじめ群馬を源流とする様々な河川は、流量は減ったとはいえまだまだ濁流が続いていました。河川敷もまだまだ水浸し状態にため、しばらく河川に近づくのは避けた方がよさそうです。


日没が早くなってきています。すでに18時を切っていて、今日は17時47分です。群馬県ではドクターヘリは日没までに当院または群馬ヘリポートに帰還しなくてはいけないため、要請受付最終時刻は日没30分前となっています。(*ただし最長でも17時45分までです。)
この時期は夕方の要請は時間との戦いでもあります。昨日の日没31分前(要請受付終了1分前)に要請がありました。そしてランデブーポイントから現場までは距離がある山間部であったため、離陸した時点でヘリでの患者搬送は不可能と判断しました。そうなると『医療スタッフ送り込み』という作戦です。ランデブーポイントに医療スタッフを送り込みヘリは先に基地に帰還。そして傷病者に初療を行い救急車に同乗しながら病院まで搬送となります。

でもこれでいいのです。ドクターヘリの最大の目的は早期医療介入です。まだランデブーポイントに傷病者が到達していない場合は、さらにそこから現場に向けて支援車に乗り込んで向かいます。すべては1分1秒でも早い傷病者接触のためです。
しかしこの作戦の最大の難点は、病院搬送に時間を要するために根治治療開始時間の短縮が図れないことにあります。そのために現場での活動時間をより短く(場合によっては救急車を動かしながら)してタイムロスをできるだけ少なくし、さらに病院に出来るだけ良い状態でたどり着くように救急車内から積極的な治療を施していきます。病院についたらすぐに根治治療が始めるような気持ちで救急車に同乗することが大切です。
日没時間を計算しながら出動です。
ランデブーポイントでヘリを見送りながら・・・
支援車に乗り込んで現場に向けて出発です。
救急車に同乗して傷病者搬送中にはすでに真っ暗。
搬送先の町から電車で帰還です。
(この電車を逃したら次は1時間半後でした・・・)

これから先どんどん日没が短くなりますが、ヘリの安全を最優勢にしながら時間ぎりぎりまで出動する気持ちでスタンバイしています。どんどん医療スタッフを現場に引きずり出してください。
もちろん帰りは自力で帰りますからご心配なく・・・帰りの小銭やSuicaは携帯していますよ!

コメント

  1. 電車で帰るイメージが出てきませんでした。
    ビックリしました。
    こういうこともあるのですね。
    ご苦労様です。m(__)m

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    1. 日没が短くなるとこのようなことが増えてきます。傷病者の早期接触のためなら、現場に置き去りにされることがわかってももちろん向かいます!
      直近であればタクシーを使いますが、遠距離だと公共交通機関優先で戻ります。
      空で行き、陸で戻る・・・このような移動を仕事中にするとは、医師になりたての時は想像もしませんでした。

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  2. 日が短くなりましたね。。
    一昨日(16日)夕方、太田市の北部運動公園上空を東へ急ぐヘリを目撃しました。いつもより速く、急いでいると感じました。(実は追い風で速かった。ゴメンナサイ)
    そして、17時半過ぎ、遠くて確認はできませんでしたが、西に向かうヘリが見えました。速度は遅いように感じました。(向かい風)日没間近で、間に合うか心配でした。
    時間ギリギリまで頑張る皆様には本当に頭が下がります。
    要救助者の方は勿論ですが、ドクターはじめ皆様の安全とご検討を祈るばかりです。

    フェスタの時は、突然声をかけ失礼しました。お会いできて大変嬉しく思いました。

    漢字で一文字違いです。


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    1. 空の日フェスタではお声をかけていただきありがとうございました。声をかけていただくとさらにモチベーション高く活動にのぞむことができます!
      機長の話では16日は上空の風がとても強く、普段は15分のところを行きが12分、帰りが25分かかったとのことでした。冬の北風が吹き付ける時期は、北に向かうときと戻るときでのスピードの違いが載っていてよくわかります。
      多少時間がかかっても安全第一で飛行していただいた機長、整備士に感謝です。

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    2. 2文字違いでした。
      遅い時間に返信していただきありがとうございます。
      改めて見直ししたところ、ご健闘とすべきをご検討でした。訂正します。
      ずっと昔、西欧(ドイツだったと思いますが)でドクターヘリが運行を開始しました。その時、日本でもこんなことができたらイイナと思いました。
      現在、日本の多くの県で運行されており、もう40歳若かったらと悔やんでいます。(隣で、妻が「若くてもアンタじゃ無理よ」と言っています)
      一人でも多くの方が、「ドクヘリ」(救急隊はこう呼んでいるようです)に参加してくれるよう祈っています。

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    3. 日本のドクターヘリは、ほんの一部のヘリを除いてまだまだドイツレベルには達していません。もっともっと1秒でも早く患者さんに接触するための工夫や整備が必要です。

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