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ドクターカー試行事業が再開しました!(群馬県ドクターヘリ8月活動実績速報付)

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 町田です。 明日から9月です。夕暮れの雲は秋の気配を見せ始めていますが、今は日本全国を襲っている台風に伴う大雨の被害が心配です。大きな被害が出ないことを祈っております。 毎年9月1日に行われている内閣府広域医療搬送実動訓練は、今年は8月31日に愛知、三重、和歌山の3県を中心に行われ、当院からも中野センター長を始め医師、看護師、業務調整員あわせて9名のスタッフが参加しました。(訓練参加の詳細は後日報告予定です。) 群馬県ドクターヘリも中野センター長とともに愛知に出動しました。群馬県にドクターヘリ不在の間に3件のドクターヘリ要請があり、うち2件はすぐに当院救命センターで引き受け、残り1件は防災ヘリドクターヘリ的運用で対応しました。 また本日から日没時間の影響で要請時間が短くなるその補完としてのドクターカーの試行事業が再開しました。今回からはドクターヘリ運航が一時運休でも対応可能となり、 今日も早速1件要請をいただきました。患者さんの病状や他事案への防災ヘリ出動等との都合で出動にはなりませんでしたが、ますますプレホスピタルに医師、看護師が出動できる機会が増えました。 近年中に本格運行が始めるために試行事業のなかで様々な課題を見つけ、より良いドクターカー事業、そしてドクターヘリとのコラボレーションを目指していきます。  前回の試行事業での出動(ピックアップ方式)のようす。 ☆群馬県ドクターヘリ8月活動実績速報☆ 今月から木村看護師のフライトナースOJTが始まりました! 月100件目の出動を担当した雨宮医師とともに。    〇要請:127件(4.10件/日)・・・昨年同月+38件 〇出動:100件(3.23件/日)・・・昨年同月+31件  ・現場出動             82件  ・施設間搬送           8件  ・出動後キャンセル       10件(キャンセル率:10.0%)  ・その他              0件 〇未出動:27件  ・重複要請             8件(1件は群馬県防災へリドクターヘリ的運用で対応)  ・救急隊現着後キャンセル  9件  ・天候不良             3件  ・運航時間外              2件  ・医師判

実はここが土台なのです!~ICUでの重症管理~

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町田です。 今月初めてドクターヘリの出動回数が100件に到達しました。またここ2か月未出動率が25%近くありましたが、今月は要請数の増加にも関わらず20%以下に抑えられています。 明日は内閣府広域医療搬送実動訓練に群馬県ドクターヘリが参加予定です。ドクターヘリが群馬県に不在の間は防災ヘリドクターヘリ的運用で対応となります。台風接近に伴い訓練先の天気が心配です。(もし訓練に不参加になった際は、通常通りの群馬県ドクターヘリでの対応となります。) 当院のICU(集中治療室)は12床あり、ここ数年は700名を超す(平均1日2名)新入室患者を受け入れていました。しかし今年になりドクターヘリの出動数と同様にICU入室患者も増加傾向にあり、年間800名を超すペースで患者さんの受入れをしています。 当科ではICU管理にかなりの力を入れていて、ここで勉強するために当科で働いているスタッフも数多くいます。ここでの重症患者の24時間365日の徹底した診療がドクターヘリや救急外来での初療を支えています。 ICUでは呼吸、循環の管理に加えて、水分、感染症、栄養のコントロール、また様々な特殊治療が、毎日12床のベッドに対して6名以上の当科医師(麻酔科、研修医も)を専従において行われています。 ICUには重症患者が入るので滞在期間が長くなりがちですが、いつまでも滞在していると次々の対応しなくてはいけない重症患者が入室できなくなります。1日でも早くICUを出られることが患者さんにとってもベストであり、だからこそICUでは休みなしに診療が続けられています。 ちなみに今週のベッド稼働率も100%・・・それでも患者さんを受け入れるために病院をあげてベッドコントロールを行っています。 特に最近では『ECMOプロジェクトチーム』が立ち上がり、今までもかなり人工呼吸管理について深く追及していた当科スタッフも、さらにECMOの知識を深めて超重症呼吸不全患者とさらに向き合っています。  ECMOの迅速、安全な導入、管理のため日々シミュレーションを実施中です! 高度救命救急センターとして断らない病院、重症患者に積極的に関与する病院を支えている土台は、まさにここICUでの日々の診療なのです。

ホームページのスタッフ紹介写真をリニューアルしました。

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町田です。 まだ8月ですが日没がどんどん短くなってきており、8月31日からはドクターヘリ要請受付最終時間の17時45分から少しづつ短くなってきます。 ここ数日も連続して時間ぎりぎりの要請があり、日没時間を気にしながら出動する季節になりました。夕方の空模様は秋の気配を見せ始めています。 今月95件目の出動も日没15分前に基地病院に戻ってきました。 空はすっかり秋の気配です。 日没まで残り5分・・・格納のために群馬ヘリポートに帰還です。 今月は熊本赤十字病院から半年間大木先生が研修に来ています。また原澤先生、小倉先生がフライトドクターとしてデビューしました。 それに合わせてホームページのスタッフ紹介の写真もリニューアルしています! ☆前橋赤十字病院 集中治療科・救急科 ホームページ  ⇒ http://www.gunma-redcross-icuqq.com/staff/index.html ☆群馬県ドクターヘリ ホームページ  ⇒ http://www.gunma-redcross-icuqq.com/dr-heri/content06.html 現在当科スタッフ20人、フライトドクター10名と着々と増えてきています。あとは日本に世界に実績を示していく必要がありますね! 病院前からICUまで・・・初療から集中治療管理まで、どこでもレベルの高いの医療が提供できるように毎日走り続ける日々です。 現在ECMOプロジェクトも進行中!

フライトドクターデビュー!~小倉先生独り立ち~

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町田です。 今月は8月11日に中野センター長の最終試験を終了した原澤先生が、フライトドクター独り立ちを果たしました。 http://drheli-gunma.blogspot.jp/2013/08/blog-post_12.html そして昨日同期の小倉先生にもセンター長の最終試験があり、無事試験を合格してさっそく次事案の要請から独り立ちを果たしました! 小倉、原澤両先生ともに初期研修医を終えて当科にやってきてくれた時からすでに高いパフォーマンスを見せてくれていました。しかしドクターヘリ活動となると他機関との連携、地域の救急医療の現状の把握などさらにプラスアルファの要素が必要になります。 2年間の院内での日々の診療、災害訓練などを通じて様々なことを学んでいただき・・・いえ彼らには2年は長すぎるくらいでした。さあ、満を持してあらたなフライトドクターの誕生です! とはいえまだまだ現場では慣れないこともあるかもしれませんので、関係各機関の皆様のますますのご協力のほどよろしくお願いします!

金井先生、3か月間ありがとうございました。

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町田です。 今年6月より群馬大学医学部附属病院とのたすきがけで当科にて初期研修を行っていた金井先生も、先週いっぱいで当科での研修が終了となりました。当院の初期研修医と協力しながらICU,ERで軽やかなフットワークととびっきりの笑顔で診療にあたっていただきました。短期間でしたがメディカルスタッフからの信頼も厚く、我々もその姿勢に見習うことが多かったです。 あっという間の3か月でしたが、ふたたび群馬大学医学部附属病院でご活躍されることを心より願っています。そしてまたいつかどこかで「患者さんの命のため」に一緒に活動できる日を楽しみにしています。3か月間本当にありがとうございました。 金井先生、いつまでもその笑顔を忘れずに頑張ってください! (ドクターヘリ同乗研修にて、指導医の藤塚先生と) 軽快なフットワークもずっとそのままで!

“「攻めの救急医療」を支えるチーム医療と創意工夫”~TECCMC 小林誠人先生ご講演~

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町田です。 8月22日の群馬県ドクターヘリ症例検討会に続き、第56回地域連携学術講演会を開催されました。 公立豊岡病院但馬救命救急センター長 小林誠人先生です。 今回は公立豊岡病院但馬救命救急センター長の小林誠人先生をお招きしました。小林先生のことは多方面にわたるご活躍ぶりで皆様すでに知っていると思いますので、このブログ上であらためてのご紹介はしませんが、本当にご多忙の中ではるばる前橋まで来てくださったことに病院関係者一同心より感謝しております。 先日の福知山で起きた花火大会の痛ましい事故でも、現地の拠点病院に駆けつけて患者さんを分散搬送するためにご尽力されたとのことです。 ☆小林先生と公立豊岡病院但馬救命救急センター(TECCMC)のご活躍はこちらからどうぞ!  ⇒  http://teccmc.blogspot.jp/ 今回のご講演では『「攻めの医療」を支えるチーム医療と創意工夫』というタイトルのもと、「患者の救命・後遺症軽減」という最終目標のためにチーム力やコミュニケーション力を高めて、最終的に機能的かつ広域的なMC体制を確立することの重要性についてお話しいただきました。そして、救急医療は「チーム医療」「地場産業」であり、最終目標のために各機関、関係者が一人も違う方向を向かずに同じ目的のために活動することで、地元からの信頼をもとに住民や行政に支えていただくことが大切であることをあらためて教えていただきました。 今回の講演会には過去最多ともいえる方々が会場に集まり、 講演中はその内容に対して驚きの表情が多く見られました。 会場からの質問にも丁寧にわかりやすくお答えいただきました。 但馬救命救急センターの実績は本当に驚異的なものです。ドクターヘリ・ドクターカーの出動件数日本一、覚知同時要請率9割、救急車不応需率0%、避けられた外傷死0%・・・、などなどあげると数えきれないほどあります。しかし「攻めの救急医療」を行うための高い質を維持だけではなくさらにレベルアップするというスタッフの共通認識、また地元に信頼を得るためにつねに質の高い医療を提供し結果を残している並々ならぬ努力が背景にあることを強く感じました。そして病院スタッフのみならず行政、住民との強い「顔の見える関係」を感じました。  ただ数値だけではないの

群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。

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8月22日はいろいろなことがありましたが、とても充実した1日となりました。    号外! 症例検討会のスライドの1枚目に急遽登場です。 まずは『前橋育英高校 甲子園優勝』です!まさにチーム力の強さとあきらめない心に前橋のみならず群馬県中が胸を熱くしました。延岡学園のチームワークも素晴らしく、まさに決勝戦にふさわしい素晴らしい試合でした。 決勝戦の間は救急搬送やドクターヘリ要請も全くなく、外来受付や事務室などでは患者さんや病院スタッフが足を止めてテレビにくぎ付けになっていました。 前橋育英高校の皆さん、本当におめでとうございます。 その決勝戦の余韻を残し、平成25年度第2回群馬県ドクターヘリ症例検討会が開催されました。また症例検討会に引き続いて第56回地域連携学術講演会が開催され、公立豊岡病院但馬救命救急センター長である小林先生をお招きしてご講演をいただきました。 小林先生のご講演とその後の懇親会については、また明日のブログ上で紹介します。(多くの方からリクエストがありましたので、ゆっくり書かせていただきます。) 今回の群馬県ドクターヘリ症例検討会の内容は以下の通りです。 1.活動実績報告 今年度の特徴としては、 ・要請・出動数ともに増加傾向が続いている。(1日平均要請3.2件、出動2.5件) ・現場出動:施設間搬送=9:1と現場出動率がさらに上がっている。 ・キャンセル率は17.8%。 ・ランデブーポイント数は伸び悩み。(目標の1000ヶ所まであと300) ・J-turn率は6割強まで増えている。(現場で安定すればできるだけ医療圏を意識した搬送) ・覚知から要請までの時間、現場活動時間は短縮傾向にある。 2.症例検討 ① 先着救急隊の活動が重要となった多数傷病者事例。 多数傷病者事案では、先着救急隊の活動、情報が鍵です! ② 小児 の CPA 社会復帰例。 特に小児事案は迷わず素早く要請してください! 小児に対する処置(点滴、挿管など)は簡単ではないので、早期の救急医の投入が必要です! ③ ドクターヘリ による早期医療 介入が有効 であった救助例。 未救出 の状態でも可能な蘇生処置はあるので 、やっぱり早期のドクターヘリ 要請が大切 です! 現場では消防、医療の

顔の見える関係。~めざせ、オール群馬!~

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町田です。 昨日まで4日間、災害医療センターで行われた日本DMAT隊員養成研修にインストラクターで参加していました。当科スタッフには5人のインストラクターがいて、統括DMAT研修を含めて災害医療センターで年10回ほど行われる研修にすべて参加するようにしています。 医療が年々新しく変化していくのと同様に、災害対応も東日本大震災での教訓や高速道バス事故、トンネル崩落事故などの局地災害での経験から研修の内容も改定されていきます。 常に新しい情報にアンテナをたてながら日々の診療に臨んでいく姿勢は、災害救護に対しても全く同じでないといけないですね。 毎回この研修では全国から各都道府県の推薦を受けたチーム(個人枠もあり)が参加しており、もちろん群馬県の参加もありました。今回は群馬大学医学部附属病院の若手でアクティブな救急科医が率いたチームと日高病院のドクターが参加していました。  いつも屋上ヘリポートで患者を引き継いでいただく皆さんです。 チームユニフォーム姿でさらに凛々しく! 4日間ともに研修になかで一緒にディスカッションをしたり実習で体を動かしたりすることで、共通の言語や認識でお互い動くことができるようになります。災害対応で多くの救護チームが集まってきた時に、それぞれのチームがバラバラの認識で動くと、その対応は必ず失敗してしまいます。 しっかりとした指揮命令系統とコミュニケーションを確立し、その状況をしっかり評価してから救護者の診療に当たらないといけません。もちろん安全が第一です。 ☆災害対応の原則⇒『CSCATTT』  ①C(Command & Control):指揮命令系統の確立  ②S(Safety):安全の確保  ③C(Communication):通信の確立  ④A(Assessment):状況の評価  ⑤T(Triage):トリアージ  ⑥T(Treatment):治療  ⑦T(Transport):搬送 ①②③④(Medical management)をきちんと確立してから⑤⑥⑦(Medical support)を行います。 先日福知山市で花火の事故があり、多くの傷病者が発生してしまいました。その際に関西のDMAT、病院が一丸となり多数傷病者の対応に当たったそうです。これは普段から府県を超えて連携し

スズメバチに注意を!

今年は梅雨時の雨が少なく、少雨高温の環境が8~10月に活発化するスズメバチの活動を例年以上に活発にしているようです。 7月下旬からの3週間でハチ刺されによるドクターヘリ要請が2ケタを超えました。何件かは救急隊現着時に軽傷で要請キャンセルとなりましたが、それ以外はハチ刺されに伴うアレルギー反応より何らかの呼吸や循環の異常が生じていて、現場からの薬剤などによる処置が必要となりました。 ハチ刺されによりアレルギーはとても重篤な状態になることがあります。特に刺されてすぐに呼吸困難や血圧低下が起こることがあり、ひどいときには心肺停止状態に陥ることがあります。そのために超緊急の処置を要することがあります。 このようなアレルギー反応を『アナフィラキシー』と呼び、特に血圧低下を伴うときは『アナフィラキシーショック』といいます。このような反応に対しておもに救急科医師による初療が行われますが、アレルギーを抑えるための薬剤によるリスクを考慮された共通のプロトコールがきちんと整備されています。 “アドレナリンは持続静注がおすすめ!” 2012年に発刊された『ERマガジン9巻3号』に特集していただき、藤塚先生が詳細に記載しています。 http://www.cbr-pub.com/01_er/01-er_0903.html

☆50万ヒット☆を達成しました!

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町田です。 昨日は『セカンド!』、今日は『ヒット!』と野球のようなタイトルがつづきますが・・・そうではありません。 約4年前に「今のネット時代に乗っていかないと人は集まらないのでは?」とついセンター長の前で呟いてしまったために、全く機械音痴の僕が突然ホームページ作成を担当することになりました。とはいっても全くできるわけがないので、Web担当として伊藤さんを院内で探し出し、そして当科のネット活動が始まりました。さらに2010年11月1日からまさかの“ブログ”まで始めてしまいましたが、ブログを始めて3年もたたないうちになんと☆50万ヒット☆を達成しました! 医療関係ではプライバシーの問題はかなりデリケートであるため、あまり突っ込んだ内容は書かずに当科の活動紹介をメインで書いていましたが、多くの皆様の声援をいただきここまで続けることができました。また全国の救命センターのブログにリンクしていただき、ネット上でも交流を深めることができています。 正直文章を書くのが苦手ですが、これからも皆様にとって興味を持っていただき、また命を大切にする思いを共有できりようなことをかければと考えています。 今後ともよろしくお願いします。 2013年8月18日になるちょっと前・・・ 『高度救命救急センタースタッフブログ』50万ヒット達成です! もちろん止まらずに進み続けますよ! ちなみに第1号の投稿は「台風襲来!」・・・・???? http://drheli-gunma.blogspot.jp/2010/11/blog-post.html 普通なら「ブログ始めました!」とか「よろしくお願いします!」とくるところですが、そこは「前橋日赤らしいよね~」でお許しください。

セカンド!

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町田です。 高校野球は連日熱戦が続いています。僕の地元の2校は残念ながら負けてしまいましたが、暑い中でよく頑張ってくれたと思います。そしてなんと北関東(覚えましたか?東から茨城、栃木、群馬ですよ!)の3校そろってベスト16に進出しました。引き続き頑張ってほしいですね! 猛暑日がまだまだ続いています。全国の救命救急センターを始め多くの病院は、連日の暑さに伴う急患の増加に対応する日々が続いていると思いますが、高校球児に負けずに医療スタッフも救急搬送する消防関係の皆さんも夏バテや熱中症にならないように気を付けて頑張りましょう。 8月も中盤を過ぎました。群馬県ドクターヘリも8月中日の時点で74件の要請がありうち54件に出動しています。なんと20件も未出動になってしまっていますが、うち半分近くは消防覚知時点での早期要請で救急車現着後キャンセル(ドクターヘリが離陸前は未出動になります)で、消防本部の早期要請の意識が再び強くなってきたことを感じています。 要請件数が増えてくるとどうしても要請が重なることがあります。群馬県はドクターヘリが1機しかなく、隣県との連携も県東部(東毛地区)の栃木県ドクターヘリの応援しかないため、重複で要請が入ると様々な調整が必要になります。 もちろん出動するための手段の用意も必要ですが、スタッフの調整も必要です。基本的にフライトドクター、フライトナース1名づつでドクターヘリ対応しているので、要請がかぶった時は院内からセカンドスタッフを準備します。当院では毎朝ERのリーダーがセカンドスタッフを確認し、メンバーがいればCSにあらかじめ伝えておきます。重複要請が入った際はすぐにセカンドスタッフに連絡し出動準備に入ります。 今月も何度も重複要請があり、ドクターヘリで連続対応したり、ドクターヘリのみ戻してセカンドスタッフで対応したり、またドクターヘリをすぐに戻せない場合は防災ヘリに乗り込んで現場に出動しました。 重複事案に防災ヘリドクターヘリ的運用で出動 前事案対応していたドクターヘリが患者引継ぎを終了し 屋上ヘリポートから離陸したのを確認 【防災ヘリからの写真】 続けて次事案に対応した防災ヘリから患者引継ぎ 【ドクターヘリからの写真】 スタッフが増えるとともにヘリ搭乗スタッフも増えてきています。つまり重複要請時

命の重さを考える日・・・

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今日は終戦記念日です。 日本のいたるところで命の大切さと平和を祈るさまざまなイベントが行われました。 当院ERは、お盆休みで周囲の病院が休日体制であったり医院の休みが多いためか大混雑の状況です。でもいつもと変わらず1つの命のために全力を尽くしています。 連日ニュースで世界のあらゆるところで戦争や内紛で多くの死者が出ている報道を耳にしています。1つの命を守るために全力を尽くしている日々の中で、感情ない武器によって多くの命が奪われていることに悲しみと虚しさを感じます。 命より重いものはありません。そう思いながら僕たちは毎日命と戦う日々を続けます。

マネージメント力!~ER、ICU、ドクターヘリともう一つの大切な業務~

町田です。 僕たちの所属している集中治療科・救急科は、ドクターヘリ(病院前医療)、救急外来(アドバンストリアージ)から、ICU(集中治療管理)、救急病棟(入院管理)までをシステマチックに構築し、救急医療の全体像を目に見える形で展開しています。救急外来、ICU、病棟当番の3つの勤務を全員が数週間単位でローテーションし、互いの立場を理解しながらチーム医療を行える勤務体制をとっています。 簡単に言うと、ドクターヘリの病院前の医療、病院のERからICUの救命・集中治療までを、すべてローテーションをしながら担当しています。一定期間同じ業務を行うことでその部門における質の維持や向上を図ることができ、またローテーションによりすべての業務を学ぶことができます。 そのような勤務体制の中で、実はもう一つ大切な業務があります。それは『病棟当番』といって、いわゆる当科に入院となる患者さんの主治医を担当する当番です。 現行の既存の科におさまらない患者を『自分が見るべき患者だ』との認識を持って入院管理する医師集団がいることにより、初めて本当の意味でのER管理は成立します。当科では、多発外傷、熱傷、中毒など、他の診療科と連携が必要である患者、特殊な治療法が必要である患者の入院管理を主治医として担当します。 ☆詳細は ⇒ http://www.gunma-redcross-icuqq.com/hospitalization/index.html 当科は様々な専門科、専門機関が関与する病態を抱えた患者さんが多く、特に当院は各専門科のプロフェッショナルが多くいらっしゃるので、各診療科や部門と協力して診療することで患者さん医より高度な医療を提供することができます。 いつどのタイミングでどの順番で手術や特殊治療を行うか、いつまで重症ベッドで患者さんを経過観察するか、退院後の患者さんのフォローをどうするかなど考えることがいっぱいです。また他科の患者さんお相談を受ける窓口にもなります。 いわゆるマネージメント力がとっても必要となります。 当科の中では『どの業務よりも大変』という声が大多数を占めていますが、逆にその業務の数週間は担当の患者さんのことを常に考える大切な時間でもあります。 今年はスタッフが増えたおかげで、2人で回していたこの業務を現在3人に増やしています。(ずっと

フライトドクターデビュー!~原澤先生独り立ち~

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町田です。 慰霊碑のある上野村 今日で日航機墜落事故から28年になります。 今年も御巣鷹山がある上野村の神流川では昨日は灯篭流しが行われ、今日は慰霊登山が行われます。 当院の救護班もこの事故ではヘリコプターで現場に出動したり、亡くなった方々のケアに多くのスタッフがかかわらせていただきました。当院の災害救護活動の原点でもあるこの事故がおこったこの日は、当院にとっても特別な気持ちになる1日です。 亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、あらためて今後の災害救護活動に精進していまなければいけません。 もう気温の話をするのは嫌になってしまいました。今日は雹が降るくらいの夕立もありましたが、その後もいまいち涼しくならず相変わらずの熱帯夜です。 暑い今週末2日間のドクターヘリスタッフはかなり体調的にも厳しい出動になったようです。 そんな状況の中で原澤先生が、いよいよフライトドクターとして独り立ちを果たしました。 母校の屋上ヘリポートにて・・・ ドクターヘリの基地病院として『ドクターヘリ活動の質を担保する責任』があり、そのためにフライトドクター、フライトナースとともに独り立ちに向けて厳しい基準が設けられています。 当院の最大の特徴としては、フライトドクターの同乗訓練までに『ER,ICU,病棟業務を責任を持つ立場で行えること』、『地域(群馬県&近隣医療圏)の医療事情に精通すること』、『災害初期対応ができること』という条件をクリアしなくてはいけません。逆にいうと同乗訓練を開始時点ですでに即戦力となれる状態にしています。 その分同乗訓練は30回と比較的少ない回数になっていますが、その30回の間では主にヘリ活動ならではの特殊性、無線の扱い方などヘリ運用面に重きを置いています。 原澤先生も30回の同乗訓練を終了し、そして中野センター長同乗による最終訓練も無事クリアして正式にフライトドクターとしてデビューしました。     現在原澤先生と同期の小倉先生も残り数回の同乗研修のみです。(勤務の都合上で同時デビューにならなりませんでした・・・) この2人のデビューにより2010年度以来のフライトドクター10人体制に戻ります。ドクターカーが正式に導入されればそれに乗って出動できる医師も増えた事にもなります。 空から陸からセ

大雨と猛暑に気を付けてください!

町田です。 東北地方の大雨がとても心配です。「経験したことのない大雨」という表現が、とても大変な状況であることを容易に想像させます。 また関東地方の猛暑も心配です。今日の前橋の最高気温は38度の予想・・・そういえば昨日の救急外来も大混雑でした。 想像以上に身体に与える影響は大きいです。 自然の力にはかないません。決して無理はせずに良い週末をお迎えください!

早くスイッチを入れる!~オーバートリアージ許容~

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 町田です。 今日の夕方に久しぶりに「緊急地震速報」がありました。テレビや携帯などから流れるあの音は、いつになっても嫌な胸騒ぎがします。 今日はたまたま一般病棟の回診をしているところで緊急地震速報が鳴り響きました。もちろんこの時点で災害対応のスイッチオンです!まずは安全第一を心掛け、エレベーターを使用せず階段で救急外来まで駆けおりました。 しかしそこではいつもと変わらない光景・・・そうです、地震の場合は実際に揺れを体感しないとなかなかスイッチが入らないのですね。というよりは落ち着いて対応していました。救急外来の事務員がすでにテレビやインターネットで情報収集をしており、最終的は震度1以上の地震はなかったということでした。 「ほっ」としました。緊急速報がなっても実災害がなかったことは本当に安心することです。 この速報がなく実災害が起こったことを考えると、この速報により皆さんのこころの中に「気をつけろ」というスイッチが入ることがとても大事なことです。 ドクターヘリの要請についても、いわゆる「空振りOK」としています。 少しでも重症度、緊急性が高いと疑った段階でためらわずに要請をすることで、本当に必要であった時へ早いスタートを切ることができます。早期医療介入が救命率、社会復帰率が上がることはすでに証明されていることです。このことを『オーバートリアージ許容』という言葉で、基地病院と消防との間での共通認識として活動しています。 ある救命センター長から、『100件のオーバートリアージより、1件のアンダートリアージの方が罪である』という言葉をいただきました。 本当にその通りです。ドクターヘリだけではなく救急外来に来た患者さんに対しても、最初は「なにか重大なことが潜んでいるかも」と考えて対応した方が、患者さんにとって最悪な結果をより減らすことができます。 確かに今回の速報で何らかのマイナスの影響を受けた方もいるかもしれませんので、精度をあげることは重要な課題かもしれませんが、まずは早くスイッチを入れるきっかけとなる仕組みがあること、そして何よりも大きな被害が出なかったことをよしとしましょう! 消防覚知段階での要請、ドクターヘリで向かっている途中で救急隊により軽傷と判断、ドクターヘリキャンセル・・・これでいいのです。それはキャンセルの数以上

再開します(予定です)!~ドクターカー試行事業~

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8月に入りすでに1週間がたちました。 7月と打って変わって8月は朝夕に大雨が降ったりなど比較的涼しく過ごせていましたが、立秋の今日は久しぶりに猛暑日となりました。暦の上では秋の始まりですが毎年一番暑くなる時期ですので、再び熱中症などに注意してお過ごしください。 この1週間でドクターヘリは1日平均4件の要請をいただいており、うち1日平均3件のペースで出動しています。しかし要請が増えると同時に起こることとして重複要請による未出動の増加です。 重複要請に対しては、セカンドスタッフでの対応、防災ヘリでの対応、隣県ヘリでの対応などなんとか早期医療介入ができるように基地病院としても努力をしますが、ドクターヘリが遠くに出動しているときに直近消防から要請に対しては、そのまま救急車で対応していただくことが多くなってします。 今年2月から数か月間、前橋市消防局との連携でドクターカーの試行事業を行いました。日没時間が早くなってきてドクターヘリが17時45分前に要請終了となってしまうその時間を補完するために行いましたが、今月31日から再びドクターヘリ試行事業を再開します(予定です)。 早期医療介入のために病院前に医療スタッフ派遣する手段はドクターヘリだけとは限りません。直近であればドクターカーのほうが早く接触できることもあります。この試行事業から最終的に正式なドクターカー導入を目指し、空と陸と2段構えで遠くから近くまで早期医療介入のための活動ができる日が来ることを待ち望んでいます。 未出動が多くなってしまっている直近消防本部の要請にも、たくさん応じられるようになることも予想されますね!

第35回日本呼吸療法医学会に参加しました。

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みなさん、こんにちは。鈴木です。 2013 年 7 月 20 日(土)、 21 日(日)に第 35 回日本呼吸療法医学会学術総会に参加してきました。当科からは 3 名参加しました。 ・中野センター長: 一般演題ポスター 「気道管理・症例」座長 ・鈴木 :一般演題口演「 ECMO 症例」 「 APRV による high PEEP か ECMO による lung rest か治療方針を迷った大量誤嚥による重症呼吸不全の 1 例」 ・小倉先生 :一般演題口演「 ECMO 症例」 「 Extracorporeal Membrane Oxygenation(ECMO) 導入による肺胞出血合併腫瘍崩壊症候群の一救命例」   われわれが 2 演題発表した会場を含め ECMO 関連の発表があった会場はどこも満員御礼といった状況でした。 ECMO への注目の高さがうかがえます。 また、当科も参加している ECMO プロジェクトによる ECMO シミュレーションと症例検討会に小倉が参加し、有意義なディスカッションが出来たようです。 現在、当院では日本ではまだ導入数の少ない治療に最適な ECMO 機材を既に導入し、また定期的な ECMO 勉強会も行い、 ECMO が必要な重症呼吸不全患者さんが発生した場合にハイレベルな治療が提供できるような備えをしております。 ECMO は導入するタイミングが非常に重要です。 ECMO の適応かもしれないと思われる患者さんの治療相談や転院相談にも応じておりますので、群馬県内でそのような患者さんが発生した際には、早期に当科へ御連絡下さい。高度救命救急センターとして県内の重症呼吸不全患者さんの救命率向上にも貢献できればと考えております。

群馬県ドクターヘリ2013年7月度活動実績更新しました!

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Web担当の伊藤です。 群馬県ドクターヘリ2013年7月度の活動実績を更新しました。 今月は前橋赤十字病院において第2回群馬県ドクターヘリ症例検討会、公立豊岡病院 但馬救命救急センター長の小林 誠人 先生による講演を控えております。 筆者も参加させて頂く予定で、今から楽しみにしております。 使用したランデブーポイントより 8月になり、朝晩は比較的過ごしやすいですが、日中は気温が大きく上がり、猛暑が続いています。どうか、炎天下での無理な活動による熱中症にはお気をつけ下さい。