群馬県ドクターヘリ『高速道路マニュアル』が運用開始しました!

町田です。

群馬県の高速道路は、南北に関越道が、関越道から東に北関東道、西に上信越道が十次に走っている交通の要所になっています。また県の東端にちかいところでは東北道が縦断しています。特に山岳地帯を走っている部分ではカーブや勾配の比較的きつい部分もあり、残念ながら年に何件も重大な事故が起こってしまっています。

 
写真左は、上信越道と関越道の合流する藤岡ジャンクション(JCT)
写真右は、北関東道と関越道の合流する高崎ジャンクション(JCT)


群馬県ドクターヘリが運航開始した当時から、高速道路の事故対応については大きな課題でした。なかなか各機関の話し合いが進まない中で、サービスエリア(SA)がなんとか使用できるようになり、あとはインターチェンジ(IC)直近のランデブーポイントを使用するなどして対応していました。

そのような中で昨年4月に乗客7人がなくなった大型バス事故が起こってしまいました。高速道路事故のドクターヘリ対応は各機関とも遅れており、その対応においても様々な問題点が浮きぼりになってしまいました。
そこから急ピッチに県警、消防本部、NEXCO、運航会社、基地病院で高速道路事故対応をより迅速かつ有効に行うために、ドクターヘリの『高速道路マニュアル』の作成を進めてきました。

現時点で通行止めを行わずにSAやチャーンベース(CB)を使用することができます。実際にSAは群馬県ドクターヘリで1回のみ使用したことがあり、CBに関しては長野県ドクターヘリの使用実績があります。
SAのヘリポート

CBのヘリポート
今回のマニュアルでは、県内4路線の359Kmを100mごとに区分し、反対車線で速度規制か通行止めを行えば離着陸できる可能性のある約41%の地点を選定し、実際にヘリを運用する際に必要な連絡先や手順などを定められました。
高速道路を渡る橋があったり両側が切り立った壁だと、
高速道路本線上に降りる場所としては設定されません。
しかしながら通行止めをするのに1時間ほどかかる算定であり、現時点では高速道路本線上に着陸することが早期医療介入に直接結びつくかといわれるとまだまだ課題が残ります。
『高速道路マニュアル』の完成とともに、現場により速く医療スタッフ派遣するためのIC近くのランデブーポイントの整備や増設とともに、IC以外にもスマートインターや緊急・関係者用の高速道路とつながるすべての進入路近くにランデブーポイントを配備することがいま各消防本部により行われているところです。

このブログの人気の投稿

新年度集合写真

先日ブログでご紹介した新型コロナワクチン筋注方法について訂正があります

タカラトミーさんが当院を取材