着実に前進!~高速道路事案のドクターヘリ対応~

町田です。

群馬県は、南北に関越自動車道、東西に北関東&上信越自動車道が十字に走っています。東北自動車道も群馬県の東端を縦断しています。また新幹線も上越新幹線、長野新幹線が通っていて、実は交通の要所になっています。
いままで新幹線の事故はありませんが、昨年4月に関越道で大きな事故がありました。それ以外でも高速道路の事故では重症患者さんが多数発生することがあり、高速道路での事故の対応の整備が急務となっています。

群馬県にドクターヘリが導入されてからもなかなか高速道路上の事案への対応に困難な日々が続いていました。高速道路上に着陸できれば簡単なように思うかもしれませんが、実は高速道路上に降りるためには様々な課題があります。
例えば障害物・・・標識、モニター、照明、防音壁、道路をまたぐ橋など、高速道路本線周りには様々なものがあります。またヘリコプターが着陸する際の音や風による2次被害、対向車線への影響、そして道路の完全封鎖に関わる経済的損失など、クリアしなくてはいけないことが多々あり、またそれが多くの機関が絡んでいるのでなかなかそう簡単には決まりません。

しかしなかなか決まらないからといって何もしていないわけではありません。
群馬県では県内のサービスエリア(SA)にあるヘリポートをランデブーポイントに登録しています。そして実際にそのSAを使用したドクターヘリ活動も行われました。(実はランデブーポイント登録前に消防判断で降ろさせていただいていますが・・・)

峠の釜めしで有名な横川SAです。
群馬県で唯一高速道路関連施設に着陸した事例でした。
そして関越道大型バス事故対応のドクターヘリ活動の反省から、さらに高速道路にあるチェーンベースがランデブーポイントに登録されました。
先日も高速道路上で多数傷病者が発生した交通事故がありドクターヘリの要請があり、運航開始以来2例目の高速道路関連施設にランデブーポイントが指定されました。
山間部ではこのようなところを高速道路が走っています。
高速道路周囲の直近ランデブーポイントはありません・・・
新たにランデブーポイントに指定されたチェーンベースです。
十分の広さがありそうです!
多数傷病者に対して救急車も複数台出動。
防災ヘリとあわせて2機着陸、救急車も安全に止めるスペースもありそうですね。
 最終的には傷病者全員軽症のためキャンセルとなりましたが、ランデブーポイント上空を旋回してスペースの広さ、周囲の施設などを確認することができました。実はこの先は隣県のICまで高速の出口がなく、搬送手段や搬送先によってはこのチェーンベース手前のICで救急車を高速道路からおろして、その周囲の空き地をランデブーポイントにするなどのアイデアも浮かびました。

昨日、北海道道北ドクターヘリは消防、警察の見事な連携で高速道路上にドクターヘリを着陸させて、傷病者にとって最も迅速な活動を行ったそうです。
群馬県はまだ急にドクターヘリを高速道路上には着陸させることはできませんが、出来ることから少しずつ着実に前進しています。大切なことは、その歩みを各機関が止めないことです。


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