2013年1月2日水曜日

まだまだ早期要請のお願い!~2012年のドクターヘリ実績から~

昨年も群馬県ドクターヘリは大きなトラブルなく無事故で1年間活動することができました。
特に安全面において、安全な運航に心掛けていただいた朝日航洋のスタッフの皆様、そして安全確保に努めていただいた消防関係の皆様に心より感謝いたします。また傷病者の受入においても各病院のスタッフの皆様の御協力に心より感謝いたします。



ドクターヘリの統計は主に年度毎にまとめて公表されることが多いのですが、2012年(2012年度ではなく)でいくつかデータをまとめたので、今回いくつか公表します。

<2012年1月1日~12月31日(昨年は366日)>
☆要請:996件(2.75件/日)
☆出動:750件(2.05件/日)
☆傷病者数:692名

ドクターヘリの要請は約1000件ありましたが1日平均にすると3件弱、出動は1日平均2件です。1日平均8時間の運航時間を考えると4時間に1件の出動・・・救急車の重症患者の搬送数を考慮すると、まだまだ必要な症例すべてに対応しきっている数値ではないと思います。


☆疾患分類

特に内因性疾患に対する要請が少ないのが気になります。もちろんドクターヘリで対応するよりも病院搬送が早ければ何も問題はありませんが、心大血管疾患、脳血管疾患ともに早期にABCの安定化を図ることで、致死性不整脈による心肺停止を予防したり、二次性脳損傷を予防することが可能です。救命を目指すのは当たり前として、1人でも多くの傷病者が社会復帰をできるの目指すところまで目標を高めていかなければいけません。


☆消防本部別要請数
 

各地域の病院の普段の救急車受入の程度や3次対応病院、専門病院の所在による影響はあるかもしれませんが、それにしても地域差が大きいのが気になります。


☆消防本部別要請タイミング

赤、オレンジの部分が救急隊現着前のドクターヘリ要請です。もちろん119番の内容から全く現状がわからず救急隊の的確な判断でドクターヘリ要請になることもあります。しかしながら、ドクターヘリは早期医療介入のためにオーバートリアージを許容しているシステムであり、要請するタイミングも地域差を感じてしまいます。
全国で最もドクターヘリ要請が多いところでは、消防覚知同時要請の割合が9割近くになっています(最も覚知要請率が低い消防本部でも6割を超えている・・・それでも基地病院からは厳しく指摘されているようです)。日本の中でもこのような格差があってはいけないですね。レベルが高いところに近づく努力が必要です。

また、未出動246件のうち重複要請で出動できなかったのが94件ありました。重複要請時は、北関東広域連携を組んでいる栃木県ドクターヘリに対応していただいたり、セカンドヘリスタッフをすぐに準備してドクターヘリだけ前事案から戻して次事案に出動したり、防災ヘリドクターヘリ的運用で出動したりなどして、基地病院とファーストヘリスタッフですぐに調整して動いています。その際に、要請が早ければ調整する時間や対応する時間にも若干の余裕があります。実際に覚知要請が多い月には重複要請に対応できている割合が高くなっています。
とくに最重症傷病者の場合は1分たりとも待ったなしです。救急車を受け入れる病院も、ドクターヘリを要請する消防も、様々な事情でためらっていることがあるかもしれませんが、そのような事情は決して傷病者を助けることはありません。早期要請で傷病者が困ることは何もありませんので、 いままでの『迷ったら要請を・・・』から『要請に迷う暇なし!』の気持ちでよろしくお願いします。

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