2012年12月19日水曜日

眠らない夜・・・~午前3時、ERに医師8人~

町田です。

前回のブログでは夜中のICUの様子を書きました。
今日は夜中のERの様子です。


午前3時・・・
こんな時間でもERには小児科医師2人、泌尿器科医師1名、消化器外科医師1名、初期研修医2名、ホットラインを持っている新人救急科医1名、そしてオンコールの僕の8名が、救急車の対応、重症患者の処置、転院搬送の手続きなどで、昼間のERと変わらない雰囲気でせわしなく動いています。もちろん他科の当直の先生も何度もERに足を運んでいました。看護師さんも休みなく働きっぱなしです。
夜中のERで消防、警察、医療の協働活動。
ICUとともにここは24時間眠りません!
現在重症ベッドがすべて埋まっていますが、積極的に救急車の受入を行っています。『早く受けてあげないと容体が悪化する可能性がある』という症例が多く、ドクターヘリで現場に早く行けない分は早く受け入れてあげることが重要になります。
重症患者さんに対してはなんとかベッドコントロールをしてICUへ入室させていますが、病院中のベッドをどんなに動かそうと頑張っても空かない時もあります。
そんな時は3次対応可能な病院(救命救急センター、大学病院)へ転院搬送をお願いしたり、それでも難しいときは当院ERでICUのベッドが空くまで重症管理をします。というわけで今宵は主治医当番の僕はその患者さんにつきっきりで診ています。この状態の時はもちろん処置室のベッドが1つ埋まってしまいますが、それでも関係なしに急患はやってきています。新人救急科医が各科当直医師の協力を仰ぎながら奮闘中・・・もちろんじっとしていられない先輩救急科医師も参戦!
ICUの当直の先生も少しでも患者さんが早く良くなるように、夜中もICUで診療を続けています。
その間ERでも重症管理を開始。当科が 『集中治療科・救急科』である強みです!
そのような中、次の重症患者を受け入れる準備です!


いつの間にか午前5時・・・
処置室はすべて埋まっていますが、比較的落ち着いてきました。看護師さんもようやく交替で休憩・・・ERにいる医師も3人まで減りました。この時期まだ外は真っ暗で、興味冷たい北風が吹き付けています。そろそろ転院搬送から帰ってくる初期研修医、新人救急科医師と先輩救急科医師、そして泌尿器科医師の4人は一睡もできないまま朝を迎えそうです。
そしてまたホットラインが鳴り響き、新人救急科医師が対応しています。『どうぞ、うちで受け入れます!』


患者さんの救命のために眠れない夜もあります。なぜならここは高度救命救急センター・・・ 『救急医療の最後の砦』です。
これから群馬県にはiPadを用いた救急医療に対する新たなシステムが入るようです。それはきっと崩壊している今の群馬県の救急医療にとって大きな戦力になることが期待されます。しかしそれが入ったからといってすぐに群馬県の救急医療がよくなるでしょうか?
結局は患者さんが発生した時に消防も病院もどのように対応するかを最終的に決断するのは“人”です。手間を理由にドクターヘリ要請をためらっていないか、搬送先選定に消防の都合が入っていないか、現場から離脱できない救急車内の患者さんの気持ちを医療は考えているか、受け入れるための努力より断るための理由を探していないか、などまだまだ県全体で解決しなくてはいけない問題点が山積みであると感じています。

さあ、そろそろ救急車が到着します。当直帯で17台目の救急車を入り口で待ちましょう!

2 件のコメント :

  1. 町田浩志先生御机下
    いつもブログ拝見しています。三重県の伊勢で地域医療や感染制御を含めた地域の災害危機管理の研究と育成に取り組んでいる者です。三重県は地域医療が非常に厳しい状態で、その中でドクヘリが飛び始めました。日本中でドクヘリの導入が少しずつ進んでいますが、群馬と比較して、地域の状況は難しいところが多いのが現状です。先生の熱いブログの内容は、これからドクヘリを運用させようというところ、現在運用しているところにとって、貴重なノウハウや提言にあふれていますので、ドクヘリや救急医療の先駆として、先生あるいは救命救急センターとして、ぜひとも先生のブログを本として出版していただきたく思います。教科書的なものも大切ですが、先生のような現場の生の経験とそこからの提言や示唆は、実際のドクヘリ運用や地域医療のために、かけがえのないものだからです。誰でもできるものではないからです。どうかご検討いただきますよう、お願いいたします。
    某大学医学部感染制御学 NS

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  2. 匿名さん、コメントありがとうございます。
    正直ブログで何を書いたら良いかよくわからず、また公共性の強いものであるためどこまで書いて良いかわからず(というよりかなり控えめに)、いつも悩みながら書いています。
    また、医師としては13年目になりましたが、救急科医としてはまだ5年目であり、またドクターヘリも始まってまだ3年のまだまだ始まったばかりのところですが、このような気持ちで読んでいただける方がいることは、本当に大きな勇気をいただきました。
    ただポリシーとして掲げているのは(あくまで僕個人のものですが)、『各関係機関の事情が命に勝ることはありえない』『後悔しないために全力を尽くす』というただそれだけです。本にするような大した内容ではありませんのでまったくそのようなことは考えていませんが、何かの機会でお役にたてれば幸いです。
    三重県ドクターヘリの両基地病院には、僕がいろいろな場面でとてもお世話になっている医師、看護師の方々がいらっしゃいます。三重県の救急医療の未来は明るいですよ!

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