あうんの呼吸・・・(防災ヘリ・ドクターヘリ的運用)

群馬県にドクターヘリが導入されたのは2009年2月18日ですが、その約半年前に防災ヘリにより県内4病院の重症対応が可能なドクター・ナースをピックアップして、重症患者の現場対応、施設間搬送を行う『防災ヘリ・ドクターヘリ的運用』が開始されました。
ドクターヘリが導入されるまでの半年間で12件の出動があり(11件が当院、1件が群馬大学医学部付属病院のドクター・ナースをピックアップ)、ドクターヘリが導入後も重複要請の対応の際にセカンドクルーの派遣のため、防災ヘリにピックアップしていただき出動することがあります。

先日もドクターヘリによる施設間搬送の調整中に現場救急の要請が入り、ドクターヘリはすぐに現場に向かって出動。そして施設間搬送も緊急度が高かったために急遽防災ヘリによるドクターヘリ的運航に切り替えて出動しました。
普段は救助仕様の防災ヘリもいまでは10分くらいで救急搬送用に変更、群馬ヘリポートを離陸し病院屋上ヘリポートでピックアップするまで5分・・・要請から早くて15分後には防災ヘリに同乗して現場や搬送元病院へ向かうことができます。

ドクターヘリとの違いは様々ありますが、共通点をあげてみると『資器材はドクターヘリと同様』、『目的は傷病者のもとに1秒でも早く接触すること』。防災ヘリの機長・整備士、防災航空隊の皆さんには群馬ヘリポートで気軽に声をかけて頂いたり、定期的に合同勉強会を行ったり、また実際に何度か同乗して出動することを繰り返すことで、無線で話すタイミング、機長や隊長に声をかけるタイミング、そしてローターを止めないもとでの活動に関して、ドクターヘリのクルーの時と同様にスムーズな活動ができるようになってきました。
ドクターズバック、モニター、薬剤、エコー・・・資器材は同じ!
安全ベルトを装着し防災ヘリに乗り込みます。
座り位置がドクターヘリとの違いです。
機長・整備士、隊長の指示に従い安全に現場に向かいます!

ドクターヘリと防災ヘリの関係は、ドクターヘリの活動においてもコラボレーションが多くあります。
防災ヘリで救助した傷病者をドクターヘリに引き継いだり、現場から傷病者とドクターをピックアップして搬送したり、多数傷病者の現場にセカンドクルーを送り込んだり分散搬送の手段として活躍していただいています。
ドクターヘリ運航開始後の約3年間で、防災ヘリ・ドクターヘリ的運用は9件(8件は当院、1件は群馬県立心臓血管センター)、防災ヘリによる救助後にドクターヘリへ引き継いだのは14件、スタッフ派遣に1件、傷病者の搬送に2件となっています。
それ以外に群馬県警ヘリや栃木県防災ヘリからの引継ぎがそれぞれ1件あります。


他機関とのコラボレーションでも、お互い目的は『傷病者のため』で共通です。あうんの呼吸で救命、社会復帰を目指しています。

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