より現場近くに着陸するために・・・

東日本大震災が発災して1年が立とうとしています。いろいろなことで1年前のことが思い出されていると思います。
昨日は強風待機で群馬ヘリポートにいました。昨年の3月11日も群馬ヘリポートの待機していましたが、あの時の格納庫の揺れ方はいまでも時々思い出して怖さを覚えることがあります。でも被災地の皆様はもっとつらく過酷な状況であったので、そのことを考えると心が痛みます。この1年間の災害救護活動などを振り返り、次にいかにつなげるか考えながら3月11日を迎えようと思います。
また昨年途中で中止となったMIMMSコースが、ちょうど明日から3日連続で1day MIMMSコースとHospital MIMMSコースが開催されます。

子供たちに大人気の“ひとまるちゃん(JA6910)”!

ドクターヘリの出動では、時々現場で救助中のためその現場にフライトスタッフを派遣することがあります。昨日も指定されたランデブーポイントにすでに医療スタッフを現場に派遣させるための支援車があり、ランデブーポイントから現場までその車で向かいまさに現場で医療活動を行いました。群馬県もランデブーポイントが597ヶ所まで増えてだいぶランデブーポイントが現場の近くである可能性が高くなってきましたが、それでもまだまだ十分な数とは言えません。

しかし現場近くにもし着陸できるところがあれば、『現場直近』に着陸することがあります。今までにはゴルフ場のフェアウェイ、工場の駐車場、農道、休耕地などいろいろあります。

☆群馬県ドクターヘリホームページ内に『現場直近』の写真が掲載されています!
http://www.gunma-redcross-icuqq.com/dr-heri/achievement/Rendezvous_tyokkin.html

現場直近に降りることで医療の介入時間を大きく短縮することが可能になります。実は昨日も現場直近に降りられそうなところがないか探しましたが、結局なかったのでランデブーポイントから『医療スタッフ派遣』という方式をとりました。

ただ絶対に最優先されるものは安全の確保です。現場直近に降りられそうなところがあっても、そこの安全確保が確実にされないといけません。現場直近の安全確保に時間がかかるときは、逆にランデブーポイントから医療スタッフ派遣を行った方が時間的に速いことがあります。昨日も消防側が最初から医療スタッフ派遣を前提に動いていただいたため、現場上空を旋回して降りれないと判断するや否やこちらもすぐに医療スタッフ派遣の作戦に切り替えました。

常にどの方法が最も傷病者に早く接することができるかを考えながら作戦を立てることもフライトドクターには求められます。ドクターヘリの最大の目的は『医療の早期介入』です!
今すぐにもできる動けることはランデブーポイントをもっと増やしていただいて、より現場近くに降りられる確率を上げることです。当初から県内1000ヶ所を掲げていますがまだ目標の6割弱です。そして当院屋上ヘリポートが使えないときの直近のランデブーポイントも・・・
足利赤十字病院(栃木県)の直近のランデブーポイント。
病院に隣接する公園です。

群馬大学医学部付属病院の屋上ヘリポートが
使用できない際に使わせていただいている公園。
思いっきり市街地の中ですが、周辺の自治体の
皆様の多大なるご理解とご協力を頂いています。

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