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2011年度の終わりに・・・

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町田です。 朝通勤すると、ちょうどヘリは嵐が来る前に群馬ヘリポートに向けて退避を始めていました。 日中はICUにいても外の嵐がわかるくらいの暴風でしたが、夕方帰るときは夕焼けがきれいに西の空を染めていました。 2011年度も今日で終わりです。 2011年度の始まりは東日本大震災の救護活動にまだまだスタッフをつぎ込んでいた時期でした。しかし高度救命救急センターとしての役割も果たすために、院内業務も必死に行っていた記憶があります。そのような忙しい状況の中で、新たな仲間となってくれた藤塚先生、小倉先生、原澤先生が、4月からすでにスタッフの重要なメンバーとしてフル活躍してくれました。そして都内の病院から内海先生、加藤先生もローテーションで半年ずつ研修に来ていただき、最終的にはDAMセットという大きなお土産を残していってくれました。 これから2011年度の実績をまとめますが、2011年度も前年度以上に多くの患者さんにERでの対応やICUでの集中治療管理を行い、またドクターヘリの出動数も600件を超えました。災害救護活動もDMAT、日赤救護班ともに福島原発関連も含めて7月まで続けられました(さらに今年2月にも南相馬市に日赤救護班を派遣しました)。群馬県基幹災害医療センターとして、高度救命救急センターとして、様々な難題にぶつかりながらも毎日必死に頑張ってきた1年であった印象があります。 仲村先生、畠山先生、岡森先生が群馬に残してくれた業績を大切にし、明日から菊谷先生、小林先生、矢野先生、そしてローテーションで来られる済川先生を新たに迎えて、2012年度もますますパワーアップして頑張っていこうと思います。 どうぞよろしくお願いします。

『DAMセット』完成!

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『ダム』と聞いて皆さんは何を思い浮かべるでしょうか? やっぱり群馬なので、何かと話題の八ツ場ダムなどのダム・・・若い人だとカラオケ屋にある機械・・・ 今回話題のダムは、Difficult airway management(DAM)のことで、気道確保困難症例の管理技術のことです。 麻酔科の先生を中心にDAMコースなどが開催されていますが、救急科も救急外来、集中治療室、時には現場で緊急挿管を行うことがありますが、まれに気道確保に難渋して冷や汗を流す場面に遭遇することがあります。 そのような時でも患者さんに不利益が起こらないように気道確保するための様々な資器材がひとまとめになったセットがようやく完成しました。 今回このセットを作りあげたのは、半年間都内病院の麻酔科から研修に来ていた加藤先生です。 このセットの完成は加藤先生の先輩の時からの命題で、完成を心待ちにしていました。このセットの完成にむけていろいろなアドバイスをいただいた代々の研修に来ていただいた先生方に感謝するとともに、みんなに『やはり加藤先生で完成したね!』と期待通りの仕事をしてくれた加藤先生に心より感謝いたします。 加藤先生、半年間ありがとうございました!

初期研修医の旅立ち!

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『マチルダ』です。以前は『しゅ~ぞ~』とも呼ばれていました。どうも初期研修医の間で指導医に対して密かな呼び方があるようです・・・ 昨日は『前橋赤十字病院・新医師臨床研修医第7期生修了式』が行われました。 2年前に不安に押しつぶされそうな顔をしていた11名でしたが、途中1名の新メンバーを加えて12名が昨日そろって修了式を迎えました。顔には少し自信が出てきましたね! もちろん当科にも研修に来ました、集中治療室では患者さんを受け持ってもらい自分で治療戦略を立てさせたり、救急外来では心肺停止や重症患者さんが来た時に参集してもらいました。患者さんにとって不利益なことが起こらないよう、当科では比較的厳しい研修になったかもしれませんが、その分いろいろな経験も積んでくれたのではないかと思っています。そして選択でも当科を回ってきたときには、一緒のドクターヘリで病院前からの医療にも参加してもらいました。 そしてこの学年は東日本大震災における日赤救護班活動にも参加してもらいました。現地で何ができるだろうという不安があったと思いますが、本当に今自分ができるベストを尽くして頑張ってきてくれました。 4月からは一人前として扱われます。言い訳は通用しません。これからが本当の始まりです。 当院の研修で学んだことを存分に生かして、これからも熱い心をもった医療を続けてください! 本当におめでとうございます。そしてこれからもよろしくお願いします。 本当は研修修了式の写真を載せたいのですが、当科スタッフは勤務のため参加できず・・・そのかわりに夜の謝恩会には中野センター長をはじめ当科スタッフも参加させていただきました。 教育研修推進室:大西先生、大澤先生と 初期研修医第7期生の12名の勇姿 教育研修推進室:松本さんと1,2年目初期研修医 1年生は4月から先輩ですね! 病院の外でもうるさい先輩で・・・スイマセンm(__)m 当然ですがマチルダ隊長の号令で2次会に突入です!当科から原澤先生も参加しました。 そして宮崎院長も参加です。体育会系です!! 力強い激励の言葉、そして熱唱・・・日付が変わるまでお付き合いいただきありがとうございました。 院長を囲んで! 3次会もありました。さすがに隊長は途中居眠りを・・・でも気が付

1年前の場所に・・・

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町田です。 先週末は急用が入り石巻を訪問することになりました。 ちょうど1年前にDMATで災害救護活動を行った石巻市立病院にも足を運びました。 昨年の3月13~15日の3日間、多くのヘリコプターがこの病院の周囲に離発着を繰り返しました。あの時の病院スタッフの皆さんの患者さんへの献身的な姿勢とヘリスタッフの高いプロ意識に、DMATも必死に頑張った記憶が鮮やかによみがえりました。 でも変わらぬ景色にもちょっと悲しい気持ちにもなりました。(写真左が昨年3/14、右が今年3/24) まだまだ多くの課題が残っていることを痛感しました。 今回の震災においては、大地震を経験した神戸から多くのボランティアが駆けつけたり、津波を経験した奥尻島の役場がいろいろ協力したりなど、多くの助け合いがありました。もっと元気なところはいっぱいあります。群馬もとっても元気です。これからも日本はつながっていく必要はあります。  僕の尊敬する医師の一言、“大変なところに元気なところが力をつぎ込めばいい!”その言葉をかみしめてこれからも災害救護活動に取り組んでいこうと思います。 石巻市立病院のスタッフの方々との再会もありました。今回はとても残念な形での再会となってしまいましたが、何よりも皆さんが元気にされていることに安心しました。石巻赤十字病院に移られた方や石巻市立病院の仮設診療所にいらっしゃる方もいましたが、ようやく病院の再建の話も固まりつつあるようです。石巻だけではなく、東北沿岸多くの地域でこれから医療の再建の道が大きく進むことを祈っております。 最後に今回の震災で最後まで患者を守りつづけて犠牲となられた多くの医療関係者に心より冥福をお祈りいたします。

手術室に足を運ぶ!

町田です。 この1週間は手術室に良く足を運びました。 緊急止血術、熱傷の植皮術など当科が主治医となっている患者さんの手術はもちろんですが、それ以外に出血が多い手術のIABOチーム、術中バイタルが不安定な重症患者さんの麻酔科の補助的なチームとして参加しました。 手術室に顔を出すメリットはたくさんあります。 各科の手術を見ることで術後管理の注意点がわかったり、とりわけ直接病変を見ることができるのが大きいです。そして麻酔科や各科の先生方とのより顔の見える関係が強くなるのがいいですね! 当院は病院全体で救急医療を支えるスタイルでいます。当科だけではなく各科の強いバックアップがあるからこそ成り立っているところがあります。だから当科も各科の手術のことも勉強しなければいけません。 研修医時代に上司から、『傷を閉じることを考えながら開きなさい。』と何度も言われました。当科でも現場やERで緊急開胸など蘇生のためにメスを握ることがあります。しかしメスで傷を開けっぱなしではいけません。治療をして最終的に傷を閉じるところまで考えながら傷を開ける気持ちが必要です。

春までもう一息・・・

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現在当院のドクターヘリフライトドクターは9名います。 3月11日の仲村先生に引き続き、最も若く最後にデビューした畠山先生のラストフライトが3月19日にありました。2010年8月から一昨日まで150件出動、特に今年度は108件と最多出動でした。本当にお疲れ様でした。 先日の仲村先生のラストフライトのことを書いた3月12日のタイトルは『春はもうすぐ!?』、そして今日のタイトルは『春までもう一息・・・』です。 相変わらず3月になって強風が吹き付けている群馬県(特に前橋市周辺)では、まだまだ北風は頬を刺すように冷たく春一番はまだ吹いていません。日本で梅の収穫が第2位の高崎市の梅林の開花も例年より遅れています。桜が咲く気配はまだまだです・・・ しかしながら、今月12日までは天候不良や強風のため35件の要請に対して18件しか出動できませんでしたが、13日に1500件出動を達成してからのここ8日間は30件の要請に対して26件出動できるようになりました。昨日は珍しく日中は病院屋上ヘリポートで待機もでき、搬送先病院の屋上ヘリポートも使用できるという、今月ではほとんどなかったことができました。 伊勢崎市民病院屋上ヘリポート 前橋赤十字病院屋上ヘリポート しかし今日は再び強風が吹いていて、ドクターヘリは群馬ヘリポート待機でした。そのような中で6件の要請に対して4件出動できましたが、夕方は強風のために運休になってしまいました。 まだまだ風は強いです。でも少しずつ日差しは暖かくなってきました。 そして今日は来月から当科の仲間入りをするスタッフが見学に来てくれました。 確実に春は近づいて来ているようです・・・ 

お別れの季節・・・

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まずは群馬県ドクターヘリ1500件出動のスタッフの写真です。 各道府県のドクターヘリと同様に、群馬県も安全第一で1件1件積み重ねてきました。 この日はずっと群馬ヘリポート待機であったため、CSの方は一緒に写ることができませんでした。CSは空と陸との大事な連携をになっています。いつもありがとうございます。 3月は別れの季節です。 3/14には救急外来主催の送別会、3/16にはICU主催の送別会が開催され、別れを惜しむとともに新天地での活躍を願って大いに盛り上がりました。 ともに働いてきた3名のスタッフが当科から卒業して、出身大学やもともと勤めていた病院に戻ることになりました。別れは寂しいですが、当科で経験したことを4月以降に思う存分発揮して活躍していただきたいと思います。 『離れることは別れではなく、前橋イズムが全国で展開されるスタートです!』と名言を残してくれた仲村先生、そして畠山先生、岡森先生、長い間ありがとうございました。 また、都内病院の麻酔科から6か月ごと(時々1年間)のローテーションで来ていた加藤先生も、今月で研修が終了になります。 『もっと長く研修したかった。』という一言が本当にうれしかったです。また都内に戻っても、救急での経験を活かして頑張ってください。 明日は畠山先生のラストフライト、そして加藤先生がOJTで同乗します。明日もいつものように傷病者の命と笑顔を守るため活躍のほどよろしくお願いします。 3月で4名とのお別れがありますが、4月からは新たに4名のスタッフが当科にやって来てくれることになりました。当院初期研修医から当科の仲間になってくれるメンバーもいます!新メンバーはまた新年度になってからあらためて・・・ そして当科に興味がある方、いつでもご気軽にご相談してください。お待ちしております。 http://www.gunma-redcross-icuqq.com/staff/recruit.html

『上州のからっ風』が止まらない・・・(映像あり)

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昨日は車の運転中にハンドルを取られたり、自転車を漕いでいる人が転ぶくらいの強風が吹き付け、ドクターヘリも終日運休でした。 屋上ヘリポートの風向計では、最大瞬間風速は60ノット以上を表示していました。 CS室のライブカメラでもウィンドソックが上向きに吹き上げていました。 今年は10月から強い北風が吹き続け、群馬ヘリポート(公設の地上ヘリポート)からの出動が増えています。例年冬の時期は『上州のからっ風』で有名なのですが、今年度は日本海側の大雪と合わせてあまりにも風がひどすぎます。どうも世界的な異常気象の一端のようです。 機長やCSは天候チェック、整備士は機体チェックに追われる日々のようですが、連日の入念なチェックのおかげで強風の中でも安全な活動ができています。春の穏やかな日々が恋しくなてきた今日この頃です。

群馬県ドクターヘリ、1500件出動達成しました!

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3月は雨天や強風のためドクターヘリの運休が続き、3月12日までは要請の約5割が未出動になっていました。3月9,10日は終日雨天運休、3月11日は4件要請のうち2件出動、3月12日は6件要請のうち2件出動・・・安全を最優先としている事業のため悪天候にはかないません。 昨日3月13日も相変わらず朝から北風が吹き付けていましたが、群馬ヘリポート(地上ヘリポート)待機では出動が可能な状態でした。 さっそく朝一番からドクターヘリの要請をいただきました。 8時29分、運航開始時間前の要請でしたが、 群馬ヘリポートの準備が整い次第すぐに出動しました! 平成21年2月18日から群馬県ドクターヘリが運航開始して1120日目に、1949件目の要請で1500件出動を達成しました。 最初の500件は525日、501~1000件は337日、そして1001~1500件は258日と、出動のペースも確実に増えてきており、また119番の消防覚知からドクターヘリ要請までの時間も確実に速くなっています。早期要請に伴い受傷患者の救命率や社会復帰率も確実に上がってきています。群馬県にドクターヘリが少しずつですが根付いてき始めている印象があります。 昨日は1件目の出動から帰還中に次の要請があり、やや風の弱まった屋上ヘリポートで傷病者の引継ぎを行った後にすぐ次の出動に向かっていきました。 屋上ヘリポートで速やかに傷病者の引継ぎを行い、 次の出動に向かっていきました! この日は2件目に引き続いて3件目も連続出動がありました。また4件目の活動中に重複要請があり、ドクターヘリのみ屋上ヘリポートに戻してセカンドドクター・ナースをピックアップして次の出動に向かいました。さらにもう1件日没1時間前に要請をいただき6件目の出動がありました。 この3日間で16件の要請をいただき、昨日はようやく全要請に出動することができました。 ドクターヘリ事業は、多くの方によって支えられています。特に普段は空で仕事することがない医療スタッフが同乗することで、いつも以上に安全面に配慮をしながら運航、整備、調整を行ってくださる航空会社の皆様、またヘリが公園や学校など数年前の群馬県では考えられないところに着陸する際に地上の安全を確保してくださる消防の皆様、本当に安全管理なしではこの事業は成り立ちません。いまだ全

春はもうすぐ!?

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町田です。 昨日は今年度いっぱいで当院から異動する仲村先生のラストフライトがありました。 平成19年2月から運航開始となった群馬県ドクターヘリのスターティングスタッフであり、そしてファーストフライトのフライトドクターでもありました。仲村先生の第1歩から群馬県ドクターヘリの歴史が始まったのです。昨日まで全152フライト、本当にお疲れ様でした。 未来のフライトドクターの藤塚・小倉両先生に引き継がれます! (日当直でER当番だった原澤先生、ごめんなさい・・・) 先月は大雪のニュースが続いた日本列島でしたが、3月の入りだいぶ雪の量が減ってきたようです。暖かい日もあり、春が少しずつ近づいてきているようです。しかし、毎年春はやってきそうでなかなか来ないものです。群馬でも3月に入り暖かい晴れの日よりも、冷たい雨の日や晴れていても突風が吹き付ける日が続いています。 昨日もドクターヘリの要請が4件ありましたが雨雲による視界が悪く、2件は未出動になりました。そして本日はあまりの強風が吹き付けたため途中で運休になり、6件の要請に対して4件が未出動でした。今月は12日間で35件のドクターヘリ要請をいただきましたが、約半数の17件が未出動になっており、そのうちなんと14件が天候不良によるものです・・・『上州のからっ風』はやはり半端ではありません。 晴れていても出動できないのは医療者としては正直歯がゆい気持ちがありますが、それよりも最も大切なことは安全です。今日も1件目の活動中に急に雪雲が迫ってきたとのことで、機長・整備士の判断ですぐにヘリのみがその場を離れました。その後救急車搬送途中で合流予定でしたが、さらに風が強まったためヘリはさらに群馬ヘリポートまで退避しました。結局患者さんは搬送先病院まで陸送となりましたが、搬送中に車が降られるくらいの強風が吹きつけており、無理してヘリ搬送にこだわっていたらかなり危険が高かったと感じました。結局続けて4件未出動になりましたが、事故を起こせばすべてが終わりです。機長・整備士の冷静かつ迅速な判断はさすがと感じました。 ドクターヘリが向かった先の山には雪雲が・・・ 夕方風が弱くなり1件出動がありました。なんと昼間に2件の要請を強風のため対応できなかった消防本部からでしたが、飛行できる可能性をゼロではないという思いで3件目

東日本大震災から1年・・・

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1年前の3月11日14時46分18秒、宮城県牡鹿半島の島南東沖130Kmの海底を震源とした、日本における観測史上最大規模の東日本大震災が発生しました。当院ではMIMMSコースが行われてましたがコースは急遽中断となりすぐに災害対策本部が設置されました。僕自身も群馬ヘリポートで待機中でしたが、連絡が途絶し身動きができな状態でした。テレビをつけてみてあまりにも信じられない光景に、ただただ体が震え涙が止まりませんでした。 あれから1年がたちました。3月10日の警視庁の発表では、死者15,854人、行方不明者3,155人、そして未だに343,935人の方々が避難生活を強いられているとのことです。 この1年間で多くの災害救護活動が行われました。もちろん医療だけではなく、自衛隊、消防、警察、自治体、ボランティアなど様々な機関、人々が被災地での活動や支援を続けてきました。また海外からも多くのご支援をいただきました。『絆』という言葉がこの1年は多く使われてきましたが、僕はその言葉に全くの偽りはないと思っています。日本の団結力は本物です、そして世界はやはり一つです。でも1年で終わりではありません。これからも何ができるのか考えながら毎日の医療活動を続けていきます。 当院でもMIMMSコースを中断し地震が発生した時間に黙祷を行いました。各病棟、各部署でも祈りを捧げました。街中でもデパートや公共機関で黙祷が行われていました。今日は今回の地震で失われた多くの犠牲者の冥福をお祈りするとともに、行方不明の方々が1日でも早くご家族のもとに戻られる日が来ることを心から願います。 壁の時計は15時46分で止まっています。 津波によりこの病院が電源を失った時間です・・・ 全国から多くの機関が集まり団結して活動しました。 日本は一つです。これからも『つながろう、日本!』 

MIMMSコース開催中です。

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昨日から当院でMIMMSコースが開催されています。 MIMMSとはMajor Incident Medical Management and Supportの略で、イギリス発・世界標準の『大事故災害への医療対応』です。特に医療対応のManagementやSupportの面を重点としておかれており、群馬県の基幹災害医療センターである当院では、3年前より群馬県の全面的バックアップをいただきこの時期に3日間MIMMSコースを開催しています。 今年度は昨日に現場活動を主体とした1day-MIMMSコースを開催し、今日から2日間は病院での受け入れを主体としたHospita--MIMMSコースを開催しています。 実は昨年の1day-MIMMSの開催中に東日本大震災が発災しました。講義中でしたがインストラクターの先生方の冷静な判断で受講生は無事に建物内から避難することができました。コースは残念ながら中断となってしまいましたが、その時のインストラクターの先生方や受講生の方々がその後のDMATや救護班活動で、被災地内や被災地の患者さんを群馬県で受けいる際に活躍していただきました。 今年は明日の最終日に東日本大震災からちょうど1年を迎えます。 様々な思いを抱きながらきっとコースに臨むことになるでしょう。でもまずはこれからもより多くの支援を続けて行けるよう、インストラクター、受講生ともども明日も一生懸命コースを頑張ろうと思います。当科からも5名のスタッフがインストラクターや受講生として参加しています。

より現場近くに着陸するために・・・

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東日本大震災が発災して1年が立とうとしています。いろいろなことで1年前のことが思い出されていると思います。 昨日は強風待機で群馬ヘリポートにいました。昨年の3月11日も群馬ヘリポートの待機していましたが、あの時の格納庫の揺れ方はいまでも時々思い出して怖さを覚えることがあります。でも被災地の皆様はもっとつらく過酷な状況であったので、そのことを考えると心が痛みます。この1年間の災害救護活動などを振り返り、次にいかにつなげるか考えながら3月11日を迎えようと思います。 また昨年途中で中止となったMIMMSコースが、ちょうど明日から3日連続で1day MIMMSコースとHospital MIMMSコースが開催されます。 子供たちに大人気の“ひとまるちゃん(JA6910)”! ドクターヘリの出動では、時々現場で救助中のためその現場にフライトスタッフを派遣することがあります。昨日も指定されたランデブーポイントにすでに医療スタッフを現場に派遣させるための支援車があり、ランデブーポイントから現場までその車で向かいまさに現場で医療活動を行いました。群馬県もランデブーポイントが597ヶ所まで増えてだいぶランデブーポイントが現場の近くである可能性が高くなってきましたが、それでもまだまだ十分な数とは言えません。 しかし現場近くにもし着陸できるところがあれば、『現場直近』に着陸することがあります。今までにはゴルフ場のフェアウェイ、工場の駐車場、農道、休耕地などいろいろあります。 ☆群馬県ドクターヘリホームページ内に『現場直近』の写真が掲載されています! http://www.gunma-redcross-icuqq.com/dr-heri/achievement/Rendezvous_tyokkin.html 現場直近に降りることで医療の介入時間を大きく短縮することが可能になります。実は昨日も現場直近に降りられそうなところがないか探しましたが、結局なかったのでランデブーポイントから『医療スタッフ派遣』という方式をとりました。 ただ絶対に最優先されるものは安全の確保です。現場直近に降りられそうなところがあっても、そこの安全確保が確実にされないといけません。現場直近の安全確保に時間がかかるときは、逆にランデブーポイントから医療スタッフ派遣を行った方が時間的に速い

笑顔はやっぱりいいですね~!

しばらくICU当番で、めずらしく院内でずっと仕事をしていた町田です。 本当につらいです。何がといいますと『慢性的なベッド不足』です。以前は“重症ベッドが・・・”という言葉を付けていたのですが、今は病院全体でベッドがほぼ埋まってしまっている状態です。 僕がICUで勤務していたここ9日間では、12床のベッドの稼働率は『99.1%』でした。患者さんの状態がよくなっても、なかなか空いている一般病棟のベッドがなかったり・・・なんとかギリギリのところでベッドコントロールをして、そのような状態の中で27名の患者さんを診療しました。 病院全体が365日ずっとベッドコントロールに追われている状態です。このようなことは当院だけの問題ではなく、群馬県全体・・・いえいえ日本中で起こっている問題なのでしょうか? ちょっと暗い話になってしまいましたが、今日はとてもうれしいことがありました。 スキー場で重症のけがを負ってフライトスタッフにより現地で初療を受け当院にヘリ搬送され、その後ICUにしばらく入院していた患者さんが、退院にあたりICUに挨拶に来てくれました。患者さんとしてICUを出るときはまだ痛々しい感じがありましたが、すっかり元気な姿で来られたので最初は誰かと戸惑ったくらいでした。 ちょうど強風避難からドクターヘリが病院に戻ってきたので屋上ヘリポートに案内しました。ちょうどその時のフライトナースが今日の当番だったので、とてもうれしい再会となりました。奥様の話では、「その時は不安いっぱいでしたが、家族に声をかけてくれたことで安心ができました。」とのことでした。子供たちも「ようやくパパが家にもどってくる。」ことにワクワクしているようでした。 患者さんに笑顔が戻り、なによりも家族みなさんがとびっきりの笑顔で喜んでいた姿が印象に残りました。 ある小学生が僕たちにかけてくれた言葉があります。 『ドクターヘリはみんなの笑顔を守ってくれるんだね!』 ドクターヘリ、救急外来、ICU、そして退院まで、一人でも多くの方の笑顔を取り戻せるようこれからも一生懸命頑張ることをあらためて心に誓いました。 やっぱり笑顔はいいですね~!

群馬県ドクターヘリ 2月度年度別活動実績・総実績更新しました。

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Web担当の伊藤です。 今年はうるう年で、4年に一度の2月29日がありましたね! なんとなく1日得をしたような気になりますが、通常の1ヶ月よりも若干短めの2月。いろいろなことを早め早めに片付けてきたつもりですが、やはり30日〜31日ある1ヶ月に比べると、随分と短い1ヶ月に感じました。 というわけで、少々遅れてしまいましたが、群馬県ドクターヘリの 活動実績を更新致しました。 2月は毎日風が強くて群馬へリポート待機も多かったドクターヘリでしたが、1月よりも数を伸ばしているのは驚きでした。 筆者も仕事柄、ドクターヘリで運ばれてきた高エネルギー外傷の症例を、入院から退院、さらには終診まで追う毎日を送っています。 外傷による骨折などがあると、多くの方が手術を受け、リハビリを経て自宅退院あるいは、リハビリ転院されていきます。中にはドクターヘリで搬送され、外傷の他に、意識障害、呼吸不全などがある場合はICUで集中治療管理を行ったり、センター病棟で加療を行ったりする患者さんもいます。そういった方もやがて全身状態を安定させ、一般病棟に転棟、そして元気に退院されて行きます。転院されなかった場合、退院後は当院外来通院され、社会復帰を遂げるまでしっかりと経過観察がされますが、電子カルテに「骨癒合良好、終診とする」という文字を見ると、いつもほっとします。 なにより、一番大変なのは、病気と闘う患者さん自身なんだと思います。 ドクターヘリは、病気になってしまった患者さんの命の架け橋でもありますが、社会復帰への最初の架け橋でもある、と感じている今日この頃です。

第39回日本集中治療医学会に参加しました。

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会場:幕張メッセ 会長:福家伸夫先生(帝京大学ちば総合医療センター) 今週2月28・29日、3月1日の3日間、千葉県の幕張メッセにて『第39回日本集中治療医学会学術集会』が開催されました。 集中治療領域は当科で特に力を入れいている分野であり、今年の学術集会には当科から7演題の発表がありました。 ・中野センター長:一般演題(ポスター) 体温管理① 座長 ・雨宮先生:一般演題(口演) ICU管理① 『ミダゾラム・フェンタニルで鎮静・鎮痛後に離脱症候群を発症した症例』 ・藤塚先生:一般演題(口演) ICU管理① 『集中治療室における人工呼吸管理に対する喀痰グラム染色の有用性についての検討』 ・岡森先生:一般公演(口演) 呼吸管理② 『当院におけるAPRV施行症例の検討-施行前の胸部CT画像に着目して-』 ・仲村先生:一般演題(ポスター) その他 『当院にてKlebsiella oxytocaが弁培養で検出された患者の検討』 ・宮崎先生:一般演題(ポスター) 腎臓・尿路② 『当院ICUに入室した尿路感染症について』 ・畠山先生:一般演題(ポスター) 呼吸管理① 『当院におけるテーパ型カフ上部吸引付き気管チューブのVAP予防に関する検討』 ・小倉先生:一般演題(ポスター) 急性呼吸不全⑤ 『気管腫瘍術後に発症した再膨張性肺水腫の一例』 心臓血管内科からも演題発表がありました。 ・小林先生:一般演題(ポスター) 心肺停止・蘇生③ 『スキー場でAEDによる蘇生後ドクターヘリで搬送され社会復帰した一例』 当科としてもとてもうれしい内容の発表ですね! 発表の皆さん、お疲れ様でした。 ICUは今年すでに130名の新入室患者を受け入れています。今年も重症患者さんが早期にICUから一般病棟に移れるように、患者さんの病態の変化にも日々更新される情報にもしっかりアンテナを立ててスタッフ一同頑張っていきます。

群馬県ドクターヘリ2月活動実績の速報です。

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昨日は大雪で1日中ドクターヘリは運休でした。3件の要請をいただきましたがお応えできませんでした。 しかし昨日の午後から暖かく、今朝にはすっかり雪は解けていました。ドクターヘリも朝には屋上ヘリポートに戻ってきましたが、すぐに要請があり出動していきました。本日は5件の要請があり重複要請のセカンドドクター派遣を含めて4件に出動することができました。尚、未出動であった1件も救急隊現着後に救急隊判断でキャンセルになったものですが、消防の通信指令課の早期要請が光ったものでした。外傷でも内因性疾患でも、重症を示唆するキーワードがあれば迷わずドクターヘリを要請することが県内全域で1年中続くことを願っています。 ☆群馬県ドクターヘリ2月活動実績速報☆ 群馬県ドクターヘリ 出動数 要請:86件(先月+15件) 出動:58件(先月+6件) ・現場出動 41件 ・施設間搬送 8件 ・出動後キャンセル 9件・・・キャンセル率 16% ・その他 0件 未出動:28件 ・重複要請 12件 ・救急隊現着後キャンセル 7件 ・その他 9件 <要請消防本部>出動/要請 ・前橋市消防 16/22件 ・吾妻広域消防 12/17件 ・多野藤岡広域消防 10/14件 ・高崎市等広域消防 2/8件 ・利根沼田広域消防 5/6件 ・伊勢崎市消防 3/5件 ・太田市消防 3/4件 ・渋川広域消防 2/3件 ・館林地区消防 2/3件 ・富岡甘楽広域消防 2/3件 ・桐生市消防 1/1件 *北関東3県広域連携(栃木県) 0/0件 <搬送先病院>傷病者:56名 ・19名:前橋赤十字病院(U-turn率:35.0%) ・8名:高崎総合医療センター ・6名:公立富岡総合病院 ・3名:佐久総合病院(長野)、群馬県立心臓血管センター ・2名:群馬大学医学部附属病院、公立藤岡総合病院、本島総合病院 ・1名:埼玉医科大学総合医療センター(埼玉)、自治医科大学病院(栃木)、山梨大学医学部附属病院(山梨)、前橋協立病院、済生会前橋病院、総合太田病院、日高病院、群馬中央総合病院、沼田脳神経外科循環器科病院、善衆会病院 <ランデブーポイント>(群馬県内のみ) 新たに7か所のランデブーポイントに着陸→使用したランデブーポイントは306ヶ所 新たに2か所の現