基地病院の近くに降りれない・・・

町田です。

明日から千葉県で日本集中治療学会総会・学術集会が開催されます。中野センター長が評議員会や座長として出席し、7名のスタッフの演題発表があります。今回発表のスタッフは先週の日本集団災害医学会の際に留守番として頑張っていただいたので、今度はそこで発表したメンバーが中心に留守番を頑張ります。(両方とも留守番のスタッフの方々・・・今月は本当にお疲れ様です。)


群馬は相変わらず強風が続いていて、今月もほとんど屋上ヘリポートで姿を見かけていません。
医療スタッフもドクターヘリとともに群馬ヘリポート待機のため、病院のスタッフがやや手薄になる弱点がありますが、地上ヘリポート待機で出動が可能になり救命できる命があるのでそれは当然の対応です。
今月は54件の出動のうち27件が群馬ヘリポートからの離陸になっています。群馬ヘリポートからの出動に関しては、CS室で要請を受けた後に機長の携帯に連絡が来て、格納庫の待機室から全員そろってドクターヘリに乗り込みます。要請から出動までの時間は、病院の時と同じか少し早いくらいです。

ところで、強風で屋上ヘリポートが使用できないときの大きな問題点は、基地病院に患者搬送の際に病院に直接降りれないことです。市街地にある当院は、病院の敷地はもちろんのこと病院のすぐまわりにもヘリコプターを着陸させる場所がありません。
閑静な住宅地の中にそびえる現在の当院です。

運航開始当初、強風時は群馬ヘリポートのみの着陸で、そこから病院まで救急車で15分・・・帰りは緊急走行ができないので約25分・・・申し送りを合わせて1時間以上のタイムロスがありました。当院以外にも前橋市にある群馬大学医学部付属病院、群馬県立心臓血管センター、済生会前橋病院などドクターヘリの患者の受入が比較的多い病院も、ヘリポートが屋上にあるために群馬へリポートから約1時間~1時間半のロスタイムを作りながら搬送していました。
しかし、前橋市消防局より患者さんの状態が切迫しているときは病院直近のランデブーポイントを使用してよいこととなり、前述の3つの病院に関しては比較的病院のそばに降りられるようになりました。しかし当院の近くだけは直近に降りるところがありません。一番近いところで数キロ離れたスポーツセンターになりますが、それでも約30分のロスタイムができてしまいます。過去には当院にヘリ搬送中に次の要請が入り、スポーツセンターまで当院スタッフが救急車で迎えに行ったこともあります。

県内の前橋以外の災害拠点病院は、ほとんど病院近くに着陸できるランデブーポイントが設定されています。重複要請や連続出動も増えてきています。それなのに強風で屋上ヘリポートが使えないときに、基地病院である当院に運ぶのが最も不便です。新病院ができるまであと5,6年はかかるようなので、早急に解決しなくてはいけない問題です。
群馬県内に1000ヶ所はランデブーポイントが必要です。
現在約600ヶ所・・・だいぶ増えてきましたがまだまだ足りません。
でも一番足りないのは当院周囲のようです・・・

コメント

このブログの人気の投稿

新年度集合写真

先日ブログでご紹介した新型コロナワクチン筋注方法について訂正があります

タカラトミーさんが当院を取材